映画感想-英数字


OO7 カジノロワイヤル
     


~あらすじ~
ダニエル・クレイグ扮する6代目ボンドが初登場するシリーズ21作目。
ジェームズ・ボンド最初の任務は、世界中のテロリストを資金面で支える男、ル・シッフルの資金を絶つこと。やがて、ル・シッフルが“カジノ・ロワイヤル”で大勝負に出ることが明らかとなり、その阻止のためモンテネグロへと向かうボンド。しかし、そんな彼のもとに、財務省から監視役として美女ヴェスパー・リンドが送り込まれる。


~感想~
007になりたてのボンド、というわけで流麗なのは外見だけで荒々しい活躍ぶりを見せてくれるのが楽しい。
冒頭の追跡劇を見ているだけで「このボンドは頭脳より勢いで動いている」と納得させるのは見事。
殺し方も強引だわ、なにかというと力技で物事を解決しようとするわ、正体は常にバレバレだわ、仲間は仲間で「死んだら動け」とむちゃくちゃな指令を出したりと初々しい(というのかなんというのか)。
黙っているとロシアの大統領のような新ボンドだが、全裸でキ●タマを責められるという体当たりシーンもこなし、徐々に違和感を覚えなくなることだろう。
シリーズとしての位置づけは「007ビギンズ」といったところなので、未経験者もぜひ。


評価:★★★ 6



OO7 慰めの報酬
     


~あらすじ~
初めて愛した女・ヴェスパーを失ったジェームズ・ボンドは、事件の黒幕の存在を知る。
ハイチへと飛び、ボリビアの政府転覆と天然資源の支配を目論むグリーンに接触したボンドは復讐心を胸に秘めながら、グリーンの計画阻止に動くが……。


~感想~
前作のラストシーンからそのまま始まるという異例の構成で、伏線やストーリー展開、ボンドの心理の揺れ動きまでも、ほとんどが前作に任されているので、説明臭いシーンがほとんどなく、アクションにアクションをたたみかけるノンストップ・ムービーになっている。ひょっとして前・後編だったのか。
これが2作目となるダニエル・クレイグ演じる新ボンドは、スパイとして新米なだけあり、後先考えずに体力勝負で獲物を追うキャラだけに、この大胆な構成は正解だろう。
また、悪・即・斬と言わんばかりの出会った敵は皆殺しの、ぜんぜんスマートじゃないボンド像も新鮮で、007というブランドによりかからない、脚本の攻めの姿勢が楽しい限り。これはこの先もいいシリーズになるんじゃないだろうか。


評価:★★★ 6



16ブロック
     


~あらすじ~
NY市警のジャック・モーズリー刑事は、夜勤明けのある日、上司から証人エディを16ブロック、約1.6キロ先の裁判所まで護送してほしいと頼まれる。
15分もあれば終わる仕事と説得され渋々引き受けたジャックだったが……。


~感想~
ブルース・ウィリス主演のアクションといえば、どうしてもジョン・マクレーンの影がちらついてしまうが、今作は特殊メイクと好演で、あちこち病んでいそうで油断したらいまにも死にそうな、老境にさしかかった男という独自のキャラを形作れている。
むこうみずで勢いだけで突っ走るところはマクレーンと同じだが、こちらはいつ(負傷ではなく内臓系の原因で)吐血して倒れるのかわからない病体。不死身ぶりと強運を笑う余裕がない。
『フォーンブース』のようないわゆる箱庭映画だが、駆け引きや頭脳戦は少なく、行き当たりばったりで逃げ回りながら次善の手を打っていたら事態が好転しました系の映画なので、なにも考えずに見るべし。時系列のずらしかたが見事で、意表を突いてくれる編集もうまい。
翳のある主人公とあいまって全体的に暗く打ち沈んだ雰囲気だが、ラストは打って変わって非常に明るく救われて、実に後味がいい。
だがDVD特典のアナザーエンドはどうしようもないほど暗く、こっちを採用していたら評価は著しく変わっていただろうなと興味深い。
どうでもいいがこのパッケージはスティーブ・オースチンにしか見えないなあ。


評価:★★★☆ 7



20世紀少年 第1章 終わりの始まり
     


~あらすじ~
1969年。少年ケンヂは、地球滅亡を企む悪の組織に立ち向かう正義のヒーローを夢見て、仲間たちと「よげんの書」を作り上げた。
そこに描かれたのは、現実には起こりえない“未来”のはずだった。

1997年。
大人になったケンヂの周りで、幼なじみの死をきっかけに次々と不可解な事件が起こり始める。時を同じくして、世界各国では謎の伝染病による大量死が相次ぐ。これらの事件はすべて、かつてケンヂたちが作った「よげんの書」のシナリオ通りに起こっていた。
そして2000年12月31日。「よげんの書」に書かれた人類が滅亡するその日が訪れる……。


~感想~
原作は世紀末救世主伝説になったあたりで投げ出してしまったが(のちに読了はしたが後半の失速ぶりは壮絶なものだった)、この実写第一作は原作の文句なしに面白かった部分までが描かれているので、そうそう外すことはない。
配役も絶妙で、とにかくビジュアル的に似ている人を選んだとしか思えない様子で、原作のイメージを損なわないのだが、なぜか主人公のケンジだけはさっぱり似ていないという片手落ち具合が惜しい。
全体としてはよく2時間にまとめ上げたとは感心するが、ラストシーンが脈絡もなしに第二作へのプロローグにつながってしまい、原作を読んでいないと何がどうなったのか理解できないだろう。
あれは単純に原作の趣向をそのまま踏襲すればよかったと思うのだが。


評価:★★☆ 5



20世紀少年 第2章 最後の希望
     


~あらすじ~
“血の大みそか”から15年後の西暦2015年。
“ともだち”は世界の救世主と崇められていた。一方、高校生に成長したケンヂの姪・カンナは、“ともだち”の真相に近づいていくが、新たに現れた“しんよげんの書”の存在に、再び翻弄されていく。
「2015ねん、しんじゅくのきょうかいで、きゅうせいしゅは、せいぎのためにたちあがるが、あんさつされてしまうだろう」
救世主とは誰なのか。そして世界の行末は。


~感想~
マンガで読んでても無茶だと思ったことを、実写でやればなおさら無茶だと感じるのは当然。
いくら宗教でも死んだ覆面がよみがえったら中の人が変わったと思うってば。
ストーリーはこの先、落下の一途をたどるので触れないこととして、主役を務めるカンナ役の平愛梨は非常にいい雰囲気を出している。
なんでもオーディションに彼女が現れた途端「カンナが来た!」と騒ぎになったそうで、目力のあるいい女優である。
あれ、見どころはひょっとしてそのくらいかな……。


評価:★★ 4



20世紀少年 最終章 ぼくらの旗
     


~あらすじ~
2017年。「世界大統領」として君臨する“ともだち”は「8月20日、人類は宇宙人に滅ぼされる。私を信じるものだけが救われる」と説いていた。
一方、“ともだち”の追手から逃れ、身を潜めているかつての仲間たちはそれぞれのやり方で、闘いを続けていた。


~感想~
世紀末救世主伝説なストーリーはおいといて、実際に聞くととても人類に希望を与えられるとは思えないほど相当にアレなケンジの曲や、その曲を口ずさみながら万博会場に集う民衆がともだち教よりよっぽど宗教してるところなんかもおいといて、「俺はこれ以上、人が死ぬところを見たくない!」と叫んだ2分後に目の前で人死にが出たりするあんまりな展開もおいといて、せっかく前作であれだけ活躍したカンナがまるっきり空気なこともおいとくと、もう触れることといえば「劇場版独自のラスト」しかなくなってしまう。

しかしこれが「独自のラスト」などと胸を張って言えるほどの代物ではなく、単に原作24冊分の内容を映画三本に縮めるならこうするだろう、という程度の「工夫」に留まっており、原作よりはだいぶすっきりした形のラストではあるものの、驚くことは一切ないので、期待はしないほうが吉。
やはり原作自体がアレだと実写化しても自ずと限界はあるものである。

原作の文句なしに面白かった部分までの実写化に留め、しかも衝撃のラストをぶち込んだ「デスノート」はやはりすごい作品だったのだなあ。


評価:★★ 4



28日後...
     


~あらすじ~
ある夜、即効性の怒りを発するウィルスに感染している実験用チンパンジーが、研究所に侵入した動物愛護活動家たちによって解放されてしまう。
その直後、活動家の一人がチンパンジーに噛まれて豹変、仲間に襲いかかり……。
28日後。
交通事故で昏睡状態に陥っていたジムは、ロンドン市内の病院で意識を取り戻す。ベッドから起き廊下をさまようジムだったが、院内にはまったく人の気配がなかった。人の影を求めて街へ飛び出したジムは、そこで驚くべき光景を目にする。


~感想~
こんなに酷い映画は久々に観た。
ゾンビ映画だが登場人物がのきなみ
ゾンビよりバカなのだから始末が悪い。
移動中、多くの壊れた車が立ち往生しているトンネルに差しかかると、止められるのも聞かずに意気揚々と乗り込み、車の残骸を
「イーヤッハー!」とノリノリで乗り越えた矢先、パンクしてしまいゾンビに殺到されるバカ親父を皮切りに、バカに次ぐバカが目白押し。
クソ映画なので
遠慮なくネタバレすると、特に軍人が最強にバカである。
保護した女性2人に「我々には未来がない。
だからヤラせろ」と飛躍した論理で迫り、抵抗した男を抹殺しようとするのは、まだ人間の醜い本性を描いていると言い訳ができるが、その女の片方が中学にも入ってない子供だったり、「このドレスで着飾れ」と要求するのはバカとしか言いようがない。
シチュエーションにこだわってんじゃねえよ
対する女も負けてなくて、「なにも感じないようにしてあげる」と少女に飲ませた薬が明らかに麻薬系で、
ラリッた少女は暴走するわ、軍人サイドも抹殺しようとした男に逃げられる無能ぶりだわ、逃げた一般人の男はいきなり軍人顔負けの戦闘技術に目覚めて大暴れするわの有様。
なんだこれ


評価:☆ 1



28週後...
     


~あらすじ~
「28日後...」の続編。
感染すると凶暴性を引き起こす新種ウイルス“RAGE(レイジ)”が猛威をふるったイギリス。
感染発生から28週後、米軍主導による厳重な監視の下、ようやく復興が始まったロンドン。スペイン旅行中で難を逃れたタミーとアンディの姉弟も無事帰国し、父親ドンと再会を果たす。
しかしその場に母アリスの姿はない。彼女は、人里離れた山荘に立て籠もっていた時、ドンの目の前で感染者に襲われてしまい……。


~感想~
前作とは比べものにならない進歩を遂げ、観られる作品にはなったものの、最大の弱点である「軍人がバカ」という点はまったく改善されていないのがネック。

↓以下ネタバレ注意↓

世界を滅ぼす(&救う)ウィルスの感染者に監視を置かないのは当然として、監視カメラももちろん設置してはいない。当たり前のように部外者が接触して感染し、市民を守るために隔離したら、そこに感染者が突入してパンデミック状態。
逃げ惑う人々と感染者の区別がつかないため、軍人は片っ端から撃ち殺すことを選択。(このあたりはテロリストと一般人の区別が付かないという見えない脅威に対する暗喩もあるのだろうが、そんな小難しい社会派な理屈はこの映画にいらない気がするんですけど……)
ここまででも相当にバカだが、反目した一人の軍人が市民をつれて逃げ始めてからバカがさらにエスカレート。救助に来たヘリは感染しているかもしれない市民の収容を拒否。ヘリの軍人は無理やり乗り移ろうとする市民をぶら下げ「振り落としてやるぜ!」とノリノリで蛇行運転。そこにゾンビたちが殺到すると「プロペラで殺してやるぜ!」とさらにノリにノッて大虐殺。
しかたなく逃げていくと車がエンストしてしまい、そこに「汚物は消毒だ!」と火炎放射器を構えた軍人が迫る。市民をつれて逃げている軍人はいちおう説得とか試みればいいのに「俺にかまわず先に行け」と考えなしの自己犠牲の心に目覚め、外に出て車を押し火だるまになって死亡。
戻ってきたヘリの軍人はさっきはノリノリで拒絶したくせに、今度はなぜか市民の救助を受け入れるという謎の心変わり。
そして結局、救助した市民のせいで感染がさらに拡大という身もふたもない結末でジ・エンド。

アメリカ人はバカだと思ってたけど、イギリス人ってもっとバカなんじゃなかろうかという思いを深くした映画でした。


評価:★ 2



60セカンズ
     


~あらすじ~
60秒でどんな車でも盗み出す伝説の男、メンフィス。すでに足を洗っていた彼だったが、弟に危機が迫り、無謀な賭けに出る。


~感想~
ニコラス・ケイジということもあり、もうちょっと知的なアクションかと思いきや、きわめてシンプルなカーアクション映画になっている。
メンフィスの優秀さが噂の範疇にとどまり、60秒でどんな車でも盗み出せるように思えないのが難点だし、しょせんやってることはただの泥棒なのだが、迫力のあるカーチェイスだけでも見る価値はある。


評価:★★☆ 5



96時間
     


~あらすじ~
18歳の少女キムが、初めての海外旅行で訪れたパリで何者かに誘拐された。偶然にもその事件のさなかにキムと携帯電話で話していた、元特殊工作員の父ブライアンは、命よりも大切な娘を助けるため、単身パリに飛ぶ。
お前が何者なのかは知らない。何が目的かもわからない。身代金を望んでいるなら、言っておくが、金はない。だが、俺は闇のキャリアで身につけた特殊な能力がある。お前らが恐れる能力だ。娘を返すなら、見逃してやる。だが返さないならお前を捜し、お前を追い詰め、そしてお前を殺す」


~感想~
ハリウッド映画の主人公の離婚率は異常。
それはともかく、拉致された娘を助けるため、元工作員の父親が制限時間内に悪の集団を壊滅させる――という要するに「コマンドー」な映画である。
「コマンドー」との大きな違いを挙げると、コメディ要素は全くなく、主人公は娘の救出のためなら手段を選ばない非情な男である。
どのくらい非情かネタバレすると、敵のアジトの情報を知る元同僚の口を割らせるため、元同僚の妻(もちろん一般人)を銃撃してしまうほどだ。い くら切羽詰まっているとはいえ、ジャック・バウアーだってこんなことしないよ。
空手チョップと手近な物への叩きつけを主体とした秒殺バトルや、追跡、カーチェイス、格闘と詰め込みながらも90分超におさえた内容のおかげで 、スピード感は充分なので、アクションだけは楽しめる。難のある脚本を演出でカバーした映画である。


評価:★★★ 6



300(スリーハンドレッド)
     


~あらすじ~
100万のペルシア大軍をわずか300人のスパルタ軍が迎え撃つという史実“テルモピュライの戦い”を基にフランク・ミラーが著わしたグラフィック・ノベルを映画化した作品。


~感想~
設定だけでどういう映画かわかる部類。ご想像通りです。
300人のスパルタンが魔界の住人としか思えないペルシア兵や、魔物としか思えない魔物たちを斬って斬って斬りまくる、ただそれだけの作品。だがそれがいい。
元がアメコミだけに、ペルシア王がどう見ても魔王だったり、両手が鎌のクレイトスな魔人がいたり、畸形のスパルタンを「お前はファランクス隊形を乱すからつれていけない」と一蹴しておきながら、言った本人のスパルタ王が単身で突撃してファランクス隊形乱しまくりなことにつっこむのは筋違い。
「三国無双」のチャージ攻撃さながらに、スロー演出の溜めから解放される激しい乱舞を楽しむのが正しい鑑賞法。
っていうかこれ「ゴッド・オブ・ウォー」なんじゃね?
それにしても、こういう映画や「三国無双」なんかに「史実と違う」と噛みつく連中は頭おかしいんじゃないだろうか。


評価:★★★☆ 7



1303号室
     


~あらすじ~
真利子が訪れたのは、海の見える高級マンションの1303号室。ここに引っ越したばかりの妹が謎の投身自殺を遂げたため、その遺品整理にやってきたのだ。
だが、マンションにやってきた刑事の話から、この部屋を借りた若い女性がみな投身自殺をしていることが判明する。


~感想~
あらすじを見てもらえばわかるとおり
要するに『呪怨』なので、片手間に観ていても全くストーリーを見失うことのない、ユーザーフレンドリー(?)な作品である。
というか、こんなB級ホラーのくせに描写に変に凝っていて、亡き妹の遺品整理をしているときは泣かなかったのに、お笑い番組を見ているときに、ふと気づくと笑いながら号泣している、といった無駄にリアリティを求めているのが実にかったるい。
亡き妹をしのぶパートはどっちかひとつで良かったはずだ。
こんな難癖みたいなケチをつけたくなるのも、終盤にB級どころかC級ホラーに転落するからで、それまでつちかってきた雰囲気を台無しにする、
山岸由花子でラブ・デラックス!!な妖怪バトルが展開されてしまうのだ。
どうせバカ映画なんだから、余計なところでちゃんとした映画ぶるなと言いたくなる。そりゃあ『呪怨』のカヤコさんもたいがい化け物だったけど、こっちはスタンド能力を持ってるなんて化け物にも程があるだろ。


評価:☆ 1



2012
     


~あらすじ~
2009年、科学者たちは地球が間もなく滅亡に向かっているという事実をつかんだ。
2012年、売れない作家のジャクソン・カーティスは子供たちとイエローストーンに旅行中、干し上がった湖底に建てられた巨大な施設を発見する。
世界滅亡が迫っている事実を知ったジャクソンは、家族を守るために必死で生き残る術を模索しはじめるが……。


~感想~
圧倒的なCGで世界崩壊を描いてみせた、ただそれだけの作品。
しかしこれは褒め言葉で、同監督の「デイアフタートゥモロー」のような、「多くの仲間を犠牲にして息子に会ってだからどうなの?」という適当すぎる家族愛に費やす描写をめいっぱい削り、名所旧跡を木っ端微塵にすることと、人をゴミのように殺すことだけに注力したおかげで、かつてなくスケールの大きなディザスタームービーに仕上がっている。
終末を描いた映画にありがちな、神の啓示や科学への警鐘なんてものもなく(なんせローマ法王と信徒が祈りを捧げる大聖堂が崩壊してみんな下敷きになる始末だ)ただ単にひたすら世界が滅亡するだけのストーリーにはもはや潔さと風格すらただよう。
「世界は滅んでもアメリカは不滅」な空気はもちろんあるが、どっかの駄作のように宇宙人が助けに来たりといった半端な救済もなく、人類が独力で大災害に立ち向かう展開も良好。
CGがすごいとかもはやそんなレベルではない驚異の映像で物が壊れまくる2時間半、そういう映画が好きな向きには強くおすすめ。


評価:★★★ 6



CUBE
     


~あらすじ~
謎めいた立方体の部屋へ閉じ込められた職業も性格も違う6人の男女が、死と隣り合わせの脱出劇を繰り広げる。


~感想~
パズル映画(?)の金字塔として知られる作品。
低予算ながらそれを全く感じさせない、考えられた構成で、飽きずに最後まで観られるだろう。
しかし噂ほどではないというか、トリックや知的ゲームの妙味といったものは薄く、後半からのあるキャラの暴走からパニック映画に転じる展開も難点で、投げっぱなしのラストもいまいち。期待しすぎて観てはいけなかった。


評価:★★★ 6



D-WARS
     


~あらすじ~
怪獣がギャー。イケメンがワー。美女がキャー。バリーンドカーンウオー。


~感想~
韓国で公開された年のナンバーワンヒットを記録した一方で、アメリカのレビューサイトで最低映画賞に輝いた糞映画、それが今作である。
韓国での大ヒットは韓国人の感性がアレなわけではなく、単に宣伝の勝利だろうことは、彼らの名誉のために付記しておきたい。
背景はともかくとして、感想はどうかというと、なんと一言で済む。
こ れ は ひ ど い
である。
CGが『デビルマン』並だったら『デビルマン』級の歴史的駄作だったに違いない。
しかしCGだけは、質感や背景への溶け込みこそハリウッドには一歩及ばないものの、気合と愛のこもった作りこみに、満載のアイデアに支えられ超大作にも劣らない出来栄えになっている。
だがそれ以外の要素のなにからなにまで――脚本、カット割り、演技、シナリオ、キャラ造型――すべてが大学生の自主制作映画とどっこいどっこいなくらい破綻しているため、金だけ異常にかけたB級映画になってしまっているのだ。
どう破綻しているのかいちいちツッこむと『デビルマン』並にきりがないので、もしニコニコ動画にアップされた場合につけられそうなタグを紹介するにとどめよう。

クルマ最強説
クルマTUEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!
・神出鬼没ジジイ
・夢オチを二度やるという発想に脱帽
・一足飛びに500年さかのぼる記憶
・大蛇「本気出したら追いついてた」
・CG班だけが本気
ここはロサンゼルスのどこなんだ
一撃必殺のブレストファイヤー
シーユー来世!
・もう一度飲み込むなら吐くな
酔拳をほうふつとさせるラストシーン

……しかし冷静に考えるとこの映画と『トランスフォーマー』がどう違うのかわからない気もするから困る。


評価:★★ 4



DEATH NOTE
     


~あらすじ~
名門大学で法律を学ぶ天才・夜神月は、法による正義に限界を感じていた。そんな時、彼は『DEATH NOTE』と書かれた一冊のノートを手にする。それは、“名前を書かれた人間は死ぬ”という死神のノートだった。
そして自らの手で犯罪者を裁きつづける月の前に、インターポールから送り込まれた天才“L”が現れる。


~感想~
終盤までほぼ原作どおりに進み「これなら映画じゃなくてもいいんじゃね?」と思っていたところに、ラストの逆転が。
南空ナオミのファン(いるのか?)には原作よりもさらに悲しい結末かもしれないが、このアレンジはお見事。前編としての役割は過不足なく果たしたといえるだろう。


評価:★★★☆ 7



DEATH NOTE the Last name
     


~あらすじ~
デスノートをめぐって繰り広げられる2人の天才、月とLの頭脳戦がつづくなか、2冊目のノートが現れる。
救世主“キラ”として凶悪犯を次々と粛清していく月。一方、一連の“キラ事件”を捜査するためインターポールから送り込まれた天才Lがキラを追いつめていく。
そんな中、月は「キラ逮捕への協力」と称して、自ら捜査本部に乗り込むのだったが・・・・・・。


~感想~
最新作『L change the world』で派手にネタバレされているので今さらだが、予備知識なしで観るべき傑作。
原作の「ここで終わってればよかったのに」というところで見事に終わらせてくれた。あれだけの人気マンガを大胆にアレンジした英断に拍手。公開してすぐに観た人がうらやましい。もうこっちが原作でいいんじゃね?
原作ファンは必見。こういう映画化もあっていい。


評価:★★★★☆ 9



G.I.ジョー
     


~あらすじ~
あらゆる金属を食い尽くす化学物質ナノマイトが邪悪なテロ組織コブラに強奪された。その輸送任務に就いていた兵士のデュークは、最強の国際機密部隊“G.I.ジョー”に入隊して、コブラとの対決に臨む。


~感想~
これはアクション映画の傑作じゃないか?
世界初のフィギュアが原作の映画と聞いて危ぶんでいたが、自分とこの作品には愛があふれているアメリカ国民の手によるだけはあり、アクションにアクションをたたみかける、もうその手のファンしか眼中に無いような構成で、だれる場面がない。
CGはさすがに『トランスフォーマーリベンジ』と比べると若干落ちるものの、十分なクオリティを保ち、見せ方もうまい。
「東京」と明記されているのに明らかに中国の街角で、しかもみんな中国語で話す少林寺っぽい道場という確信犯的に誤った日本描写もあるのはご愛嬌だが、アクション映画好きは見逃してはいけない、隠れた傑作である。


評価:★★★★☆ 9



GOEMON
     


~あらすじ~
天下統一を成し遂げた豊臣政権真っ只中の世。平安は訪れたものの庶民は困窮し、それを見かねた大泥棒・石川五右衛門は盗んだ金品を貧しい人に分け与えていた。
しかし五右衛門は豊臣政権を根底から揺るがす秘密を握ってしまい……。


~感想~
脚本は酷いがアクション映画としてはまずまずの作品。
主人公のGOEMONの人物造形がむちゃくちゃで、中盤以降はゴリ扮する猿飛佐助(あれ猿飛佐助だったんだ!?)が言うとおり「GOEMONがなにを考えてるのかわからない」有様。
無数の天守閣がそびえ立ちロングホーンまで生えてる大阪城など、極彩色で破天荒な、日本はもちろん世界各国の意匠を取り入れた、とにかくケレンに富んだ映像と、ほとんど全編CGで埋め尽くされた派手なアクションはいいのに、それ以外の面は残念な結果になってしまっている。
せっかく大泥棒キャラだったGOEMONが中盤から単なる忍に変わり、最終的には世界平和をうたいながら戦国無双するキラ様状態。変に社会風刺だの取り入れず娯楽に徹していればいいのに……。
またCGも背景はともかく人の動きが意外としょぼくて、人間が演じているシーンとCGで描いたシーンのつなぎ目がはっきりわかるレベルで、ところどころに違和感を覚えてしまうのも惜しいところ。
それにしてもゴリは芸人としては本当につまんねえと思いつつあるが、役者の才能はあるんだな。


評価:★☆ 3



K-20 怪人二十面相・伝
     


~あらすじ~
19世紀から続く華族制度により貧富が二極化する帝都。そんな中、富裕層のみをターゲットとするK-20と呼ばれる≪怪人二十面相≫が世間を騒がせていた。
二十面相の罠にはまった曲芸師の平吉は、二十面相に狙われた令嬢の羽柴葉子と、その婚約者であり探偵の明智小五郎と共に、二十面相との戦いを決意する。


~感想~
これは久々に面白い邦画アクションではなかろうか。
怪人二十面相が暗躍する帝都を舞台に、金城武が派手なワイヤーアクションを見せるのだが、帝都の雰囲気もアクションとしてのテンポの良さも充分で、邦画にありがちなたるむ場面がほとんどない。
金城武の名を聞くと「レッドクリフ」での雰囲気抜群の諸葛孔明を経た今でさえどうしてもゲーム「鬼武者」での棒読みっぷりを思い出してしまうのだが、だいぶ日本語が不自由ではなくなったようで、棒読みっぷりもときどきしか顔をのぞかせないのもいいところ。
娯楽作品として非常に楽しい映画でした。なんだ日本もこういうの作れんじゃんか。


評価:★★★☆ 7



LOFT
     


~あらすじ~
スランプに陥った女流作家・春名礼子は担当編集者・木島の勧めで、東京郊外の緑に囲まれた洋館に引越す。やがて彼女は、大学教授の吉岡が向かいの建物にミイラ化した1000年前の女性を極秘に保管していることを知るのだったが…。


~感想~
馬鹿ホラーここにきわまる。

監督から「
実力の半分しか出さないように」と厳命されたとしか思えないほど酷い棒読みで繰り広げられる、ホラーの名を借りた喜劇である。
中谷美紀も豊川悦司も本当はもっとできる子のはずなのに。西島秀俊も……いや西島はどうだろう。
映像表現はとにかく美麗なのだが、脚本がはちゃめちゃで、怖がらせようとしているらしい場面で苦笑とツッコミばかり沸き起こってしまう。
特にクライマックスの
ミイラに説教する豊川悦司には悶絶。しかもミイラは説教に負けて成仏してしまうのだ。千年生きてきたくせにどんだけメンタル弱いんだお前は
ラストシーンも
豊川渾身の池落ちを含め、もはやただの一発ギャグにしか思えない。落ちたときの擬音は「ズコーー!」がぴったり。
また配役も明らかに失敗で、亡霊役の安達祐美が
とにかくかわいい。あんな小柄で童顔じゃ、泥だらけで突然ぬっと現れても絶対怖くないって。馬乗りで首絞められても巴投げするって。

物語をホラーとして成立させるには、映像美よりも大切なものがあることを教えてくれる作品でしょう。


評価:0 なし



NEXT
     


~あらすじ~
ラスベガスの二流マジシャンとして生きるクリス・ジョンソン。
彼には自分の周囲だけだが2分先の未来を予知できる能力があった。ある時、クリスの前に女性FBI捜査官のカリーが現われ……。


~感想~
あらが多すぎる作品。
たった2分先の、それも自分に関わる未来しか見えない小市民的な能力で、下手に国家的陰謀に立ち向かうものだから無理が生じるのだ。
なんせFBIが彼に要求するのは「ずっとテレビを見て核が爆発するニュース速報を予知しろ」という無理難題なのだ。
えーと、たぶんだけどニュース速報って事件発生から流れるまでに2分くらいかかるんじゃないかな?
仮に事件発生と同時にニュース速報を見られたにしても、たった2分早いだけじゃ爆発する場所がわかっても阻止できる猶予はないと思うんだけど……。
題材はいいし、2分先の予知という能力をうまくいかした映像表現も楽しく、意表をつくラストも好みなのだが、小市民的な能力はもっと小市民にふさわしい事件に用いられたほうがよかったのではなかろうか。


評価:★★ 4



POV 呪われたフィルム
     


~あらすじ~
志田未来と川口春奈の番組に投稿された心霊動画。それは川口春奈の出身中学で撮影されたものだった。
二人の周囲で次々と怪異が起こり、母校へ取材に赴いた時、本当の恐怖が始まる。


~感想~
フェイク・ドキュメンタリー映画としては完全に失敗。志田未来も川口春奈も熱演しすぎており、脇を固める連中も上手いことは上手いが演技にしか見えないセリフ回しとオーバーアクションで、少しも現実の事件には見えやしない。こういう形式はやはり日常がオーバーアクションで外国語を話す洋画に限る。
また終盤にせっかくのフェイク・ドキュメンタリーも放棄し、幽霊の視点でカメラが動き出したのも興ざめ。自ら趣向を捨て去っていったい何がしたいのやら。

が、普通のJホラーとして見れば十分に合格で、その場合は志田未来や川口春奈の熱演も光る。ストーリー的にも映像的にもなかなか秀逸で、これならいっそ普通のJホラーで良かったのではと思えてしまうのは減点材料ながら、興味があるか志田・川口のファンなら観て損はしないことだろう。


評価:★★☆ 5



[●REC] レック
     


~あらすじ~
ローカル局のレポーター・アンヘラはカメラマンと共に消防隊の密着取材をしていた。
深夜、老婆の叫び声を聞いたという通報を受けて現場アパートに急行すると、そこにはこの世の者とは思えぬ老婆の姿があった。
その後、突如として封鎖されるアパート。その中で拡がり出すある病原菌。閉ざされた空間で、次第にあらわになる謎、明らかになるほど増していく恐怖の出来事を克明にカメラはとらえ続ける。


~感想~
『クローバーフィールド』で再燃した(?)手持ちカメラによる記録映像を模した作品で、その趣向のおかげか、スペイン産ホラー映画というイメージから危惧されるものはうまいこと隠され、それなりに緊張感のあるホラーに仕上がってはいる。
とはいえ心拍数が上がらないのは『ワン・ミス・コール』と同じで、『28日後…』の設定をそのまま持ってきたような物語はありきたり。だんだんサイコホラーというよりも巨大おばけ屋敷の『戦慄迷宮・ザ・ムービー』かなにかを観ているような気分になってきてしまうのも困りどころ。
ラストでいきなりストーリーに背景と説明を付けてしまうのも駄目なホラーにありがちな蛇足っぷりで、(意図していないだろうし、余計なお世話だろうが)どこまでもB級なホラーだったことだけは、ある種の評価に値するだろうか。
ちなみにこの映画、「最高に怖い映画を教えろ」スレで多くの人が名を挙げていたので借りてみたのだが。
最近の人はこーゆーのが怖いんだ~。ふーん。


評価:★★ 4



REC 2
     


~あらすじ~
物語は、あのアパートでの惨劇の直後から始まる。
完全隔離されたアパートに、ある特命を受けた医師と武装した警官隊が突入する。
"感染"の深層部であろう最上階の部屋で彼らが見たものとは……。


~感想~
第二弾は簡単に言うと入れる部屋が3つくらいしかないバイオハザードになった。
いきなりわっと出てくるお化け屋敷な怖がらせ方なのに、心拍数が上がらないのは当然として、例によって悪魔が黒幕なのはしかたないが、悪魔に十字架とお祈りでダメージが入るのは、せっかくビデオ撮影という形式をとりながら(日本人にはどうしても)現実味に欠けるように思えてしまうし、乗り移りまで披露されては、もはやエクソシスト番外編といった雰囲気が感じられてならない。
しかし前作のラスト直後から始まる、前作をふまえた続編ながら、きわめてわかりやすいストーリーや、90分足らずのスピード感ある展開は良いので、それなりには楽しめるかも。


評価:★☆ 3



SAW
     


~あらすじ~
薄汚れた広いバスルームで目を覚ました2人の男。彼らはそれぞれ対角線上の壁に足首を鎖でつながれた状態でそこに閉じ込められていた。
2人の間には拳銃で頭を撃ち抜かれた自殺死体が。他にはレコーダー、マイクロテープ、一発の銃弾、タバコ2本、着信専用携帯電話、そして2本のノコギリ。状況がまるで呑み込めず錯乱する2人に、「6時間以内に目の前の男を殺すか、2人とも死ぬかだ」というメッセージが告げられる。


~感想~
27歳の監督によるデビュー作で、主要キャラはたった3人、しかもうち一人は脚本家、製作期間は18日の超低予算映画――これだけ聞いてどこに傑作が生まれる余地があると思うだろうか。
だが『SAW』はまぎれもない史上最高級の傑作サスペンス映画だった。
もうこの映画に関しては「観ろ」と言うしかない。もしまだこの傑作を観ていない映画ファン、ミステリファンがいるならば、すぐにDVD屋に走るべきだ。
多少のスプラッタ耐性は必要だが、残酷描写だけが売りの映画ではないので問題ないだろう。
このシリーズは続編で普通に前作のネタバレを流すので、まずはここからどうぞ。


評価:★★★★☆ 9



SAW 2
     


~あらすじ~
刑事のエリックが遭遇した殺人事件。その残忍な手口から、犯人はあの猟奇的連続殺人犯ジグソウの仕業に違いないと思われた。エリックは犯人が現場に残したヒントを頼りにアジトを推測し急襲。そして、あっけなくジグソウの逮捕に成功する。だが、そこからジグソウが仕掛けた残忍な殺人ゲームが開始されるのだった……。


~感想~
破格の前作の後を受けての2としては及第点だろう。
なんでも前作とは別の無名の脚本家の作品を、続編として買い上げたそうだが、その脚本家にとっては手っ取り早く名を上げられ、監督としても安上がりに製作できて一石二鳥の手段だったと言える。
背景はこのくらいとしてストーリーはと言えば、さすがに前作ほどのキレはないが、どんでん返しよりも手堅い展開や綺麗なオチの付け方に重点を置き、期待はそれほど裏切らないものとなっている。
……もっとも前作のような知的ゲームの妙味は影を潜め、なにかと言うと「ファッキン」を頭に付けてしゃべる脳筋の連中が(「そのファッキンドアをファッキン鍵で開けなさいよ!」は笑った)いっこうに謎を解こうとせず無闇に特攻しては無駄死にしていく様は、かなりのファンを手放してしまったようだが……。


評価:★★★ 6



SAW 3
     


~あらすじ~
前作ネタバレ防止のため無し。


~感想~
世間的にはこの「3」から評価は下落していくのだが、どうしてどうして「1」にも劣らない良作だと思うのだがどうか。
ややネタバレするが(↓以下反転↓)
メインとなるストーリーを煙幕にして、本当のストーリーを覆い隠す手法は、昨今の本格ミステリで流行するまさにそれ。これを低評価するのはちょっとどうかなと思うのだが……。


評価:★★★★ 8



SAW 4
     


~あらすじ~
前作ネタバレ防止のため無し。


~感想~
だんだん自家中毒の様相を呈してきた四作目。最もグロいシーンは冒頭にあるので、そこさえしのげればグロ耐性の低い方でもOK。ただしストーリーは前三作のネタバレ放題で、一見さんお断りなのだが。
今回も意外な結末はきっちりと用意しているものの、やはり前三作と比べると見劣りしてしまう。しかし「1」の頃には想像もしなかった広がりをみせているシリーズだけに、ここまで観てきたら完結まで見続けるしか無いだろう。


評価:★★☆ 5



SAW 5
     


~あらすじ~
前作ネタバレ防止のため無し。


~感想~
いいかげんネタ切れを感じさせる五作目。このシリーズは映画で連続ドラマをやっているような気がしてきた。
さすがにここまで来るとマンネリ感を隠し切れず、歴戦のファンならば(↓以下ネタバレ↓)
ゲームのルールは、ジグソウの言葉を額面通りに受け取れば正解なのだと気づいてしまうだろう。プロデューサーは8作目まで作るつもりだったが、この「5」と「6」の不振で七作目で打ち切りとなったのもむべなるかな、と言ったところ。


評価:★★☆ 5



SAW 6
     


~あらすじ~
前作ネタバレ防止のため無し。


~感想~
名物のどんでん返しと叙述トリックの扱いが、シリーズを追うごとにぞんざいになっていて、今回などはストーリーと密接に絡まず、観客をちょっと驚かせてみようかくらいの意図しか感じられないが、それでもなにかしら仕掛けてくれるのはうれしい限り。いちおう驚いたし。
一方でグロ描写は激しさを増していて、しかもCG技術が向上しているものだから、苦手な人なら吐き気を催しかねないほどのレベルに達している。
また今回のジグソウによるゲームはシリーズでも上位に入るドSっぷりで、それも好きな向きにはたまらない。私情が絡むとジグソウも人が変わるのか。
破格の第一弾と比較してはどうしても質は落ちるものの、一定の質を保ったシリーズはいよいよ次で最終作。最後はどうなるものか。


評価:★★☆ 5



SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ
     


~あらすじ~
三池崇史による全編英語の和製ウエスタン。
壇ノ浦の戦いから数百年。山あいの寒村"湯田(ユタ)"に、平家再興の埋蔵金が隠されていると噂が立ち、よそ者が押し寄せる。
やがて村は、平清盛率いる平家と、源義経率いる源氏が対峙することに。
そこに流れ着いた一人の凄腕ガンマン。両軍とも、この流れ者を用心棒に引き入れるべく動き出し、事態は風雲急を告げる。


~感想~
ダメな邦画にありがちな過剰な演技や棒読みを、全編英語にすることで一掃。
クエンティン・タランティーノがすき焼きをほおばる冒頭からして、完全無欠のバカ映画のため、ダメな邦画におなじみの寒さも払拭。
銃撃戦は邦画ならではの間と見栄を存分に活かした素敵なもので、良さもダメさも極端な方向へ走らせることで長所に変えたような作品である。
しかし好きな人はとことんはまるだろうが、個人的には銃撃戦以外に見るべきところはなかった。


評価:★★☆ 5



X-MEN:ファイナル ディシジョン
     


~あらすじ~
シリーズ第3弾にして最終章。
プロフェッサーXの右腕だったジーンの死により、いまだ動揺から立ち直れずにいるX-MEN。そんな中、「ミュータントは病だ」と主張する天才科学者によって、ミュータントの能力を消去し普通の人間にすることのできる新薬が開発される。
ミュータントのまま生きるか、それとも人間になるかという究極の選択に、ミュータント社会は大きく揺れる。


~感想~
つめこみ過ぎの大作。
2時間に押し込むのが無理な物語を強引に100分に押し込んだものだから、ものすごく窮屈な作品に仕上がっている。
敵味方を問わず重要人物たちがばたばたと死んでいく様はまさに最終回。なんにもしていないサイクロップス、もののついでに殺される新キャラたち、やけにブサイクになったなあと思ったらろくにストーリーに絡まないローグ、あっさりやられるマグニートー、ジャガーノートあんまりだよジャガーノート。
2作分はありそうな内容を2時間足らずに縮めたやりすぎ感が、長所であり短所でもあるが、無駄に長い大作映画と比べると、強引にでもまとめたその力はやはり褒めるべきだろう。
シリーズを観てきたファンはもちろん必見。


評価:★★★☆ 7



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