映画感想-あ行


アイ・アム・レジェンド
     


~あらすじ~
2012年、ニューヨーク。科学者のロバート・ネビルは3年前に起こった地球規模の災厄をくぐり抜け、おそらくは全世界でただひとり生き残った男。
彼は愛犬サムと無人の店舗で食料品や日用品を調達し、畑を作って生き延びる日々。
自分以外の生存者を探して、毎日無線で呼びかけるものの、未だ見つけ出すことができずにいた。それでも、人類を絶滅させた原因を取り除き、再生の道を探るため、たったひとりで奔走するロバートだったが……。


~感想~
序盤の荒廃した無人のニューヨークでのサバイバル生活が目新しく興味を引くが、予告編などで一貫して隠し続けたアレが出て以来、単なるホラー映画に成り下がってしまい、著しく評価を下げた。
愛犬との心温まる交流をからめた、孤独な男の生き様を描いたサバイバルアクション物っぽい宣伝をしていただけに、うっかり見に来た家族づれは困惑したのではないだろうか。
ホラーとして見るといかにも平板で、タイトルに秘められた真意にのみ、わずかに感心するくらい。題材はいいのにもったいないなあ。


評価:★★☆ 5



アイアンマン
     


~あらすじ~
巨大軍事企業の社長で、発明家としての顔も持つトニー・スターク。彼はある日、アフガニスタンで自社新型兵器のデモ実験を成功させるが、テロリスト集団の襲撃に遭い、囚われの身となってしまう。しかし、彼は一味の目を盗んで飛行可能なパワードスーツを開発、それを装着して脱出し、生還を果たす。彼は発明した兵器がテロリストの手に渡っていた現実を嘆き、自らの手ですべての兵器を葬ることを決意するが……。


~感想~
ダサかっこいいヒーローが素敵な良作。
まず主人公に起用されたロバート・ダウニー・Jrが大正解。うらぶれた中年親父を好演している。
ストーリーはアメコミ原作だけはある強引さで、テロリストに拉致された主人公が、洞窟の中で最新鋭ミサイルを造らされるのだが、ミサイルに見せかけてパワードスーツを作製して脱出という荒唐無稽さがいっそすがすがしい。
しかもこの主人公、人目を盗んでパワードスーツの改良にいそしみ、自らを実験台に試験も行い、単身で戦いにもおもむくというはちゃめちゃぶりで、その試行錯誤の過程もまた面白い。
まさに現実味よりも夢と楽しさを追い求めた映画なので、細かいことは気にせず、ダサかっこいいアイアンマンの勇姿を堪能すべし。


評価:★★★☆ 7



アイアンマン 2
     


~あらすじ~
自らアイアンマンであることを告白した大企業スターク・インダストリーのCEO、トニー・スターク。
そんな彼に新たな危機が迫っていた。米国政府はパワードスーツの没収を命令。彼に恨みを抱く謎の男"ウィップラッシュ"が現れ、ライバルの武器商人ハマーも独自のパワードスーツを開発する。
そんな中、胸に埋め込んだエネルギー源"リアクター"の影響でトニーの体は蝕まれていき……。


~感想~
前作でのパワースーツ手作りや、体を張った人体実験、正体を隠すための悪戦苦闘など、愉快な描写が鳴りを潜め、トニー・スタークがあまり暴れないこと。
バトルシーンがクライマックス一本に絞られて少ない(しかも圧勝)こと。
アメコミヒーローたちが一堂に会する『アベンジャーズ』に向けての伏線を張ることに忙しく、本編の内容が薄くなっていること、などなど不満が多く、ほうぼうで酷評されるのもむべなるかな、というところ。
とはいえスタークのキャラとしゃべりの面白さ、もう40近いのに下手すりゃ24のスカーレット・ヨハンソンよりかわいいグウィネス・パルトロウ演じる秘書との仲の進展などなど、ストーリー的な部分に見どころは多い。
もうすこしアクション面に力を注いでいれば……。


評価:★★★ 6



アイデンティティー
     


~あらすじ~
大雨でモーテルに閉じこめられた、いわくありげな11人。
やがて一人、また一人と殺されていき、事態は不可能犯罪の様相を表す。
そして11人に意外な共通点が見つかり……。


~感想~
正統派のミステリ映画には確実に裏切られてきたが、これは初の当たり。
文章化すればメフィスト賞を獲りそうな「新本格」テイストあふれる、良質のミステリに仕上がっている。
映画ならではの映像を駆使した伏線や、どんでん返しの連発と、90分間を一息に見せてくれた。
重点が置かれたのはトリックよりもプロット。しかし素晴らしいプロットは時として「なるほどそういう仕掛けか!」とトリックにも劣らない爽快感をもたらしてくれる。
地味ながらも鋭く切れる一作。ミステリ好きがミステリ好きにオススメします。


評価:★★★★☆ 9



アメイジング・スパイダーマン
     


~あらすじ~
スパイダーマン第一作にあらすじなど不要


~感想~
3作続き好評だったシリーズを無かったことにして、リブートで新たなスタートを切った新シリーズ第一弾。
おかげで前回も十分に見せられたスパイダーマン誕生秘話を繰り返される食傷気味の展開で、前回よりもっと後味の悪いおじさんの死に様を見せられるのもなんともはや。
超人的能力の萌芽に(よくわからない)科学的な理由を付け、手から発射する糸は主人公が自ら造った装置という解釈をしたものの、無尽蔵に出てきたり一介の大学生がこさえるのは不可能なほど高性能だったりとかえって不自然になった。
ヒロインはかわいいのかかわいくないのか判断が付かないMJから明確にかわいいグウェンに交代したのはいいが、原作では「MJの前の彼女だが死ぬ」という立ち位置で、展開に予想も付いてしまう。

色々とくさしてきたが一番の問題は「主人公がチャラい」という一点に集約しており、あんな形で父親代わりの存在を失っておきながら、超能力を手に入れたせいで明らかに調子に乗って、ノリノリで軽口を叩きながら仇かも知れない相手をしばき倒したり、電光石火で各方面に正体をバラしたり、命の恩人との最後の約束をあっさり反故にしたりと、徹底的なまでに感情移入を拒絶してくる。
良いところも上げればCGの進化は目覚ましく、スパイダーマンが完全に風景に溶け込み不自然さが無いのはすごい。
だがせっかくのリブートも2作目を出しただけで頓挫し、早くも再リブートが噂されと、失敗作の烙印を捺されてもしかたのない事態に陥っており、これ一作だけ取り出せば及第点ではあるものの、前シリーズを観ていれば、あえて改めて観る必要はないかな、というのが偽らざる本音である。


評価:★★☆ 5



アルティメット
     


~あらすじ~
2010年のパリ。無法地帯と化していた郊外の"バンリュー13"地区。この地区で育ったレイトは街からドラッグを一掃しようとギャングのボス、タハにたった一人で立ち向かうが…。


~感想~
ビルからビルへと身軽に飛び移り、人間離れした軽業で華麗なアクションを披露する――要するにリュック・ベッソン版『ヤマカシ』、あるいはフランス版『マッハ!!!!!』である。
しかしそのどちらと比較しても、アクション描写よりも映画としての整合性のほうを求めてしまったせいか、目の覚めるようなアクションが少なく(さすがに要所要所にここぞとばかりに取り入れたシーンには目をみはるが)後半に進むにつれ、いたってフツーのアクション映画になってしまい物足りない。お前らストーリー展開を説明しなくていいから走れ、飛べ、と。
こちらとしては映画としてどうのこうのよりも、単に超人アクションが目当てだったんですけども……。


評価:★★☆ 5



アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ
     


~あらすじ~
2013年、パリ郊外バンリュー13地区。そこはギャングたちの巣窟だった。
ある晩、警官が射殺された事件を機に、バンリュー13地区の一掃計画が持ち上がる。
裏に陰謀をかぎつけたレイトと潜入捜査官ダミアンは再びタッグを組み、巨悪に立ち向かう。

~感想~
期待していた鳥人アクション控えめ、しばらく経つと「ザ・ロック」と混同してしまいがちな物語に定評のあった前作から一変し、鳥人&カンフー(というかジャッキー・チェン的)アクションめじろおしの、ストーリーも「ブラザーたちが悪をしばく」という非常にわかりやすい仕上がりで、前作に期待していたものをここで用意してくれたといったところ。
ノンストップ・アクションの名にふさわしいなかなかの良作なのだが、ちょっと検索してみたところ、前作ともどもwikiのページがないのは気のせいだろうか。
前作がアレだったせいでとばっちりを受けたのなら、なんとも気の毒な話である。いや、フツーに面白い映画ですよ?


評価:★★★☆ 7



イーオン・フラックス
     


~あらすじ~
西暦2011年、人類は新種のウィルスにより99%が死滅、科学者トレバーが開発したワクチンのおかげでなんとか絶滅を免れる。
生き残った人々は汚染された外界から隔てられた都市ブレーニャで安全かつ平和な生活を送っていた。
しかし西暦2415年、秩序維持の名の下に圧政を敷く政府に強い疑いを抱く反政府組織"モニカン"は、最強戦士イーオン・フラックスに君主暗殺を命じ、政府の中枢である要塞へと送り込むのだった……。


~感想~
映画というか
シャーリーズ・セロンの2時間プロモーションビデオ
PVだからどんなに殴られてもセロンの顔は綺麗なまま。PVだから様々なSF仕掛けは特に説明がなく解りづらいままなのだ。
内容は簡単にいえば、綺麗なおねーちゃんがセクシーな衣装で悪人をばったばったとなぎ倒すという
中学生男子の妄想みたいなものであり、取り立てて語るべきことはない。
いくら近未来とはいえスパイのくせに目立ちすぎる衣装のセロン。恋人を装い機密文書をやりとりするのだが、
通りすがりにディープキスしてそのまま別れるというますます怪しさ爆発の交換方法。ものすごい勢いで軟着陸というラストまで全編つっこみどころ満載だが、これはあくまでも映画ではなくPVなので気にしてはいけない。
SFファンや映画ファンではなくシャーリーズ・セロンファンなら楽しめるのではなかろうか。


評価:★ 2



イーグル・アイ
     


~あらすじ~
ごく平凡な青年ジェリーが自宅のアパートに帰ると、そこには大量の銃器が置かれていた。そして携帯に女の声で「30秒後にFBIがやって来る。すぐに逃げろ」と謎の警告が。その言葉通り、FBIが現われ、訳もわからないまま拘束されるジェリー。一方、最愛の息子を人質にとられたレイチェルもまた、同じ声の主が命じる不可解な指示に従わされていた。


~感想~
観る前はもうちょっとサスペンスフルな映画を想像していたのだが、いざ始まってみるとなんでこの題材でこんなに無駄に派手なアクションがくり広げられてしまうのだろうと呆気にとられた。
SFとしては非常に使い古されたネタで新味はないのだが、必要以上に派手なアクションだけは観る価値があるかもしれない。


評価:★★☆ 5



イレイザー
     


~あらすじ~
大手武器製造会社のOLリーは、政府と会社が癒着し最新兵器「レールガン」を密売する陰謀を知ってしまったことから、命を狙われるはめに。
重要証人の過去を消し去りながら、その命を護る政府特別情報局員“イレイザー”のクルーガーは、リーを護衛する任を受けるのだが……。


~感想~
ジャケ写と勝手なイメージからバカSFだと思っていたら、バカになるのは終盤だけで、意外に手堅い作りのよくできた映画だった。
「レールガン」というトンデモ要素を差っ引けばそもそもSFでもなく、若干のサスペンスと爽快なアクションに、アメリカンな笑いをちりばめた、まぎれもない娯楽作品である。ごめんよ知事。


評価:★★★★ 8



イングロリアス・バスターズ
     


~あらすじ~
ナチス占領下のフランス。劇場の支配人として身分を隠しながら、ナチスを根絶やしにする復讐計画を進めるユダヤ人の女。
時を同じくして、アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人兵士の特殊部隊が、ナチス殲滅の極秘ミッションに参加する。
それぞれの作戦は、彼女の経営する劇場で開催される、ヒトラー総統を招いたナチのプロパガンダ映画のプレミア上映会で交錯する。


~感想~
冒頭からおっさん二人が延々と会話するだけという逆ホットスタートで、ユダヤ・ハンターの異名を取るナチ将校役のクリストフ・ヴァルツの好演が光るのだが、いかんせん地味な印象が拭えない。その後も全編にわたってほぼ会話だけで話が進み、合間合間にタランティーノらしい演出が挟まる構成で、心理的駆け引きはそこそこ楽しめるものの、こんなに文字(会話)ばっかりなら本でいいじゃんという冷めた感想を覚えるのも確か。
映画マニアには怒られるだろうが、なんせ倍速で観ていても全く支障を来さない有様で、この映画を楽しむ素質のない僕が150分超の長尺を乗り切るには、早送りはむしろ必須のものであった。
主演のブラッド・ピットも、見せ場は初登場シーンの長広舌くらいで、主演はブラピではなくヴァルツの方じゃないかと思える扱いで、生粋のタランティーノファン以外にこの映画はおすすめできないだろう。


評価:☆ 1



インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国
     


~あらすじ~
1957年、アメリカ国内で米兵に扮した女諜報員スパルコ率いるソ連兵が米軍基地を襲撃。彼らは宇宙の神秘を解き明かす力を秘めたクリスタル・スカルを探し求め、その手掛かりをたどっていた。
捕らえられたインディは、クリスタル・スカルの捜索を強要されていて……。


~感想~
復活しただけはある良作。
アクションシーンの見せ方の上手さは言わずもがな。スピード感ある描写にユーモアを織り交ぜ、おなじみの音楽が流れ出したらもうインディ・ジョーンズ以外のなにものでもない。
インディはもちろん、かつてのヒロインをそのままヒロインとして持ってきた粋な計らいもよく、いきいきと躍動する彼らは往年の姿と一切変わらない。
スケールのでかすぎる展開や、わかりやすい物語はファンならずとも引きつけるだろう。アクション映画好きなら迷わず見るべき。


評価:★★★★ 8



インベージョン
     


~あらすじ~
ある日、スペースシャトルが原因不明の事故で地球に墜落。その残骸の中には、謎の生命体が付着していた。
やがて、感情を失ったように人間の行動を変質させる謎の伝染病が発生する。
精神分析医のキャロルはこの病原体が地球上のものではないことを突き止めるのだが……。


~感想~
SFスリラーかと思ったらきわめてまっとうなゾンビ映画に落ち着き、地球が滅亡したかと思ったが別にそんなことはなかったぜ! なオチでまとまるありきたりの映画。
最後には安っぽい警句まで吐き、後味まで悪くしてくれる周到さ。悪いほうのアメリカが存分に出た、バカ映画にさえなりそこねた駄作でしょう。


評価:★ 2



ヴィレッジ
     


~あらすじ~
深い森に囲まれたその村では、人々が一つの家族のように暮らしていた。
しかし地上の楽園さながらのその村には、決して破ってはならない掟が三つ。
森に入ってはならない、赤い色を封印せよ、警告の鐘に注意せよ。
村人は森に棲む何者かを恐れ慎ましく生活していた。
そんなある日、ひとりの若者が、薬を手に入れるために、禁断の森を抜ける許可を申し出る……。


~感想~
『シックスセンス』『アンブレイカブル』『サイン』とトリック映画を連発するシャマラン監督の新作。
今回のネタ自体は使い古されたおなじみのもの。だが見せ方が巧い。
トリックとラブストーリーをからめ、最後まで流れるような展開。
明確なオチを付けず、余韻の残る結末にしたのも、これは正解。
トリック映画としては物足りないが、シャマラン映画としては十分な出来にしあがった。


評価:★★★☆ 7



ヴォイス
     


~あらすじ~
声楽の素質を持つ女子高生ヨンオンは、音楽室に居残り、歌の練習をしていた。
そこにどこからか入ってきた聴き慣れない声。
その夜、ヨンオンが殺害された。


~感想~
姿は見えないが声だけが親友の耳に届き、校舎に閉じ込められた主人公という「世にも奇妙な物語」テイストの設定がまず目を引く。
だがその設定が十全には活かされず、名物のどんでん返しも意外性に乏しく、いまいち小粒な印象。
さすがに韓国ホラーだけに見て損することはないのだが。
どうでもいいが主要人物が終始「音楽の先生」呼ばわりされるのはあんまりじゃなかろうか。


評価:★★☆ 5



ウォッチメン
     


~あらすじ~
世界を揺るがす事件の陰には“監視者”がいた。ウォッチメンと呼ばれた彼らが今、次々と消されていく。
闇に隠された想像を絶する巨大な陰謀。真実の先に待ち受けるものとは。


~感想~
あらすじがわかりづらいので要約すると、アメコミヒーローが実在する世界で、ヒーローの活動停止が発令され、ヒーローたちの組織が解体されてから数年後、何者かにより元ヒーローが殺害された――というものである。
こう書くと痛快アクションものを想像しがちだが、全くそんなことはなくハードボイルド気味な世界観で、「もしヒーローが実在したら」というIFストーリーを現実に溶け込ませ、社会派気味で重厚気味な映画となっている。
「気味」と何度も念を押したのは、一口で言い表せない猥雑な雰囲気がただよい、別に見たくないヒーロー同士の濃厚な濡れ場だの、全裸の巨大ヒーローが破壊光線でベトコンを殺戮するわくわくベトナム戦争などの描写が、ちゃんと描けばヒーローの光と闇を描いたダークな作品に仕上がったはずの映画を、一気にB級作品にまで引き下げてしまっているのだ。
上映時間も3時間強と必要以上に長く、他ではそうそう観られない題材だけに興味は引くが、観る人を選ぶ惜しい作品である。


評価:★★ 4



宇宙戦争
     


~あらすじ~
ニュージャージーに暮らすごく平凡な男レイ。別れた妻との間には息子のロビーと娘レイチェルがいた。
子供たちとの面会の日、異変は前触れもなく訪れた。晴天だった空が不気味な黒い雲に覆われると、嵐が吹き荒れ稲光が地上に達し、地面に巨大な穴を空けた。
すると大地が震え、地中で何者かが激しくうごめき始めたのだった……。


~感想~
さんざんな評価を受けているが、SFではなくモンスターパニック映画として見れば満点じゃね?
肝となるモンスターにトライポッドという稀有の存在を迎えた時点ですでに勝利。
うねうね動く脚で威圧的に直立し、原理はわからんがとにかく圧倒的な科学力のビームで、次々と人類を抹殺するトライポッドに終始萌え。
一貫して英雄でも大統領でもない一般人の視点で描くことや、あれだけ暴虐と殺戮の限りを尽くしたトライポッドが、廃屋を意味もなく壊さず慎重に調査したり、無駄に宇宙人が姿を現したりすることからも、本作はSF大作ではなくモンスターパニック物だと言えよう。
一般人の主人公ならではのミクロな反撃、追い詰められた群衆の暴走、
トライポッドを3機沈める大阪人(理由は「大阪人はゴモラとかと戦い慣れてるから」だそうだ)、鳥にはやさしいトライポッド、むりやりすぎるハッピーエンドなどなど見所もたくさん。
原作どおりのあっけなさすぎる、あんまりな結末さえ承知の上なら楽しめることだろう。
……それにしても観終わると『地球防衛軍』がやりたくなる。


評価:★★★★☆ 9



ウルヴァリン:X-MEN ZERO
     


~あらすじ~
ミュータントとして生まれたローガンは、人としての幸せを捨て、幾多の戦争に身を投じて生きてきた。そんな彼が初めてつかんだささやかな幸福。
だが深い絆で結ばれていたはずの兄ビクターの手によって運命は大きく変わる。
兄を倒すため謎の巨大組織と取引したローガンは、最強の戦士となるべく、超金属アダマンチウムを全身の骨に移植する改造手術をうけ、ウルヴァリン>という名の人間兵器に生まれ変わる。


~感想~
完結した『X-MEN』シリーズのスピンオフ作品。X-MEN結成前の物語。
本編では多くのキャラを出すために描写が窮屈になってしまって(完結編では逆にそれがスピード感とボリューム増につながっていた)いたが、今作ではウルヴァリンを主役に据え、登場人物を絞ったため引き締まった印象を受ける。
しかしアクションの激しさは本編をも上回り、ウルヴァリンの爪を活かした戦いぶりが楽しい。
またついに初登場となるガンビットがとにかく素敵で、チート同然の能力のため(?)大筋には絡まないものの、空気を全く読まないキャラと相まって存在感抜群。あの能力欲しい。
映画も原作もシリーズファンは必見の一作と言えるだろう。


評価:★★★☆ 7



エアベンダー
     


~あらすじ~
気・水・土・火の4つの王国が支配する世界。各王国にはその国の「エレメント」を操る「ベンダー」と呼ばれる者がいた。
その中でも、4つの「エレメント」すべてを操る「アバター」は、世界に調和をもたらす唯一の選ばれた者だった。
だが、「アバター」として生まれた気の国の少年アンは、自分の重い宿命に耐えられずに逃げ出して氷の中に閉じ込められてしまう。
そして100年後、水の国の兄妹サカとカタラは氷の中で眠るアンを発見。眠りから目覚めたアンは気の国が火の国に滅ぼされたことを知り、今度こそ「アバター」の宿命を受け入れ、試練に立ち向かう決意をする……。


~感想~
誰だよシャマランにファンタジィ撮らせようと思ったバカは

「シックスセンス」の大ヒット後、
新作を出すごとに監督生命の危機にさらされているM・ナイト・シャマランによる、まさかのアニメ実写化は、危惧通りの大惨敗であった。
というかシャマランにはもう普通に脚本を書く力が残っていないらしい。かの「トランスフォーマー」や「D-WARS」に匹敵する無数のツッコミどころが画面狭しと暴れ回る始末で、しかも「トランスフォーマー」のような激しいアクションは描けず、自主制作映画のように酷い脚本の「D-WARS」よりは出来がいいという半端な仕上がりで、笑うことすらできないため、見どころが全然ない。
脚本の酷さの一例を挙げると、

・土のベンダーが7人がかりで
手の平サイズの石を一個投げつける。(7人で7個手で投げたほうが強くね?)

・火のベンダーが自身の過去の逸話を
そのへんのガキをつかまえて語らせる。

・水の国の王女と主人公グループの青年が恋に落ちる……ことが
ナレーションで語られる→次の場面ではもう水の国の人々に厚い信頼を受けている→しかも王女と結婚寸前にまで話が進んでいる。

・「アバターは誰も傷つけてはならない」という師の言葉を回想しながら次々と敵を吹っ飛ばしたり凍らせるアバター。

・味方の精霊が殺されるところを至近距離で
ぼーっと眺めている屈強のベンダーたち。

・その精霊を殺した悪の幹部が
一般兵4人にボコられて死ぬ。

・精霊が復活し力を取り戻した兵士が真っ先に行ったのが
タックルからのマウントパンチ

・新たなる敵幹部が登場したと同時に閉幕する打ち切りマンガみたいなラスト。

二桁以上のIQを持つ人にはお勧めできない」とまで言われたこの映画。正直、続編が作られることはないと思うのだがどうか。


評価:★ 2



オーシャンズ11
     


~あらすじ~
保釈中のカリスマ窃盗犯ダニー・オーシャンは刑務所暮らしの4年間にとてつもない犯罪計画を練り上げていた。それは、ラスベガスの3大カジノの現金がすべて集まる巨大金庫から、厳重な警戒とセキュリティシステムを破って現金を盗み出すというもの。オーシャンはこの計画の遂行に不可欠な各分野のスペシャリスト11人を選りすぐり、犯罪ドリーム・チームを結成した。


~感想~
僕のような俳優の知識に乏しく、人の顔を覚えるのが苦手な人間にはもったいないくらいの豪華キャストで、並の映画ならば主役を張る面々が一堂に会しているだけでも、絵面が映え、銀行強盗という題材として充分な意外性を備えた、安定感あふれる作品であろう。
というか、いったいどこをけなせばいいのかわからんのだが……。これを駄作と一顧だにしない人種は、どんな作品ならケッサクケッサクともてはやすんだろうか。そしてこれを楽しめない人間がどの面下げて映画評論やら映画監督やらができるのか、不思議な限りである。


評価:★★★☆ 7



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