映画感想-さ行


ザ・ロック
     


~あらすじ~
かつて脱獄不能とうたわれたアルカトラズ島に、テロリスト軍団が観光客を人質に立てこもった。
タイム・リミットは40時間。FBIは化学兵器のスペシャリストと、33年前アルカトラズ島を脱獄したという男を「ザ・ロック」と呼ばれる鉄壁の要塞へと送り込む。


~感想~
いま改めて見るとマイケル・ベイ作品以外の何者でもないなこれは。
ショーン・コネリーとニコラス・ケイジという、知的なサスペンスもこなせる名優2人を集めて、いちおう脱獄犯と天才技師というギミックを持たせておきながら、要するに「アルカトラズでコマンドー」になってしまうのがベイクオリティ。 しばらく時間をおくと、この映画と『アルティメット(鳥人アクション映画)』のストーリーが一緒になって区別がつかなくなるレベルで、「知的な駆け引きとか盛り込みたかったけどめんどくせーから全部ぶっ飛ばしちまえYeahhhhhh!」というベイの心の叫びが聞こえてくるようだ。
なんの間違いか20世紀を代表するアクション映画のひとつにかぞえられることすらあるが、単なるベイ映画なので取り扱いにはご注意を。


評価:★★★☆ 7



魁!クロマティ高校 THE MOVIE
     


~あらすじ~
都立クロマティ高校に入学した神山高志。だが、ここは稀に見る不良の巣窟で学力も最低レベル、これまで6回も校舎が破壊されたとんでもない高校だった。しかし神山は無謀にもこの学校を変えようと決意。そして、林田や前田という新しい仲間もできるが、次々と変な生徒やトラブルに遭遇し始める。


~感想~
ひさびさの映画感想。ひさびさがこれでいいのだろうか。
良くも悪くもそのまんまクロマティ高校の実写化。本物にしか見えない神山と渡辺裕之にしか見えないフレディに、ものすごく浮いてるのに違和感なく溶け込んでいる阿藤海と、どこまでもクロマティ高校の空気を忠実に再現。
後半はなんの前ぶりもなく「宇宙猿人ゴリ」が登場しやりたい放題っぷりがエスカレートするがノリは変わらない。原作ファンなら間違いなく楽しめるだろう。


評価:★★☆ 5



貞子3D
     


~あらすじ~
ニコニコ生放送でわずか5人の視聴者に向け公開自殺した炎上アーティスト。
その動画は観た者をダイレクトアタックで自殺させる「呪いの動画」となりネット上を徘徊する。
一方、女子校教師の石原さとみは気合砲と鉄パイプで四つん這いの化け物と死闘を繰り広げ、橋本愛は今日も可愛かった。


~感想~
・硬い蝶
・「Sが復活する」突然のイニシャルトーク
・貞子だろ貞子
・気合砲でモニターを吹っ飛ばす石原さとみ
・事情が変わった。続けて
・驚異の背筋力で飛び降り自殺を回避する若い頃の石原さとみ
・S=聖闘士星矢のハーデス説が急浮上
・おとうさんだしておとうさんだしておとうさんだして
・石原さとみの全力坂
・中空から湧いて出る貞子
・何かから出てくる縛りを破っちゃ駄目だろお前
・謎の車線変更
・今度の貞子は足が長い
・今度の貞子はバイオハザードの主人公とタイマン張れる
・これ貞子というか蝶で出来たサンシャイン
・急にロッカーサイズに縮まる貞子
・気合砲使えよ気合砲
・ジェイソン・ボーンばりに周囲の小道具で的確なカウンターを浴びせる石原さとみ
・貞子は一匹見たら三十匹いると思え
・え。それで退治できるんなら最初の交通事故の時点で退治できてない?
・酔拳を彷彿とさせるエンディング


評価:☆ 1



貞子3D 2
     


~あらすじ~
前作から5年。安藤孝則と鮎川茜の間に娘の凪が産まれたが、茜は間もなく亡くなり、孝則の妹・楓子が面倒を見ていた。
しかし凪の周囲で不審死が相次ぎ、呪いの動画も再び出回りだす。
これは貞子の呪いが続いているとでも言うのだろうか?


~感想~
石原さとみのバイオハザードだった前作から一転、いたって普通のホラーに仕上がっている。
監督は変わっていないのでおそらく脚本が良い仕事したと思われる。
逆に言うと感想に困るほど平凡なホラー作品で、ストーリー的にも演出や演技的にも何かしら採り上げるべき点は見当たらない。
まあ……お化け屋敷的にワッと驚かすタイミングはそこそこ上手かったかな……。
なお貞子について本作ではほとんど何も説明されないため、前作を観ていないとよく意味が通じない(ぶっちゃけ通じなくても困らない)のと、橋本愛が出演していない(困る人は困る)のは注意が必要か。


15.3.20
評価:★★☆ 5



サブウェイ123激突
     


~あらすじ~
ニューヨークで地下鉄ジャック事件が発生。
犯人グループのリーダーは、1時間以内に身代金1,000万ドルを用意するよう要求する。
交渉役となった地下鉄職員は、地下鉄のプロとしての知識と経験を駆使して、言葉だけを武器に、頭の切れる犯人に立ち向かう。


~感想~
予告編やCMではアクション映画っぽかったが、大半は名優二人が話しあうだけのネゴシエート映画で、駆け引きは楽しめるが爽快感は薄い。
というかCMで流しただけの量しかアクションシーンはなかったような。
しかしそこはジョン・トラボルタとデンゼル・ワシントン、おっさん二人がしゃべるだけの内容ながら、最後まで引っ張る力は十分。
特にトラボルタのやさぐれインテリとでも呼ぶべき怪演ぶりは見事なもので、それだけでも見る価値はあるだろう。


評価:★★☆ 5



サマータイムマシンブルース
     


~あらすじ~
真夏にクーラーのリモコンが壊れたSF研究会の部室。偶然現れたタイムマシンに乗って、昨日に渡り壊れる前のリモコンを取ってきた研究会の面々。
だがそれは過去を変える行為であり、タイムパラドックスで全てが消滅する恐れが! そこでリモコンを昨日に返すための大冒険(?)が始まる!


~感想~
ずっと前に観たのに感想を忘れていたが、これも時間SFの傑作。
タイムマシンを題材にした作品としては屈指の、スケールの小ささと登場人物のバカさが売りで、まずタイムスリップの目的が「壊れたリモコンを取りに行く」&「リモコンを元の場所に戻す」というどうでもよさ。(しかしタイムパラドックスの観点からすると、これだけでも世界が消滅しかねないのだが)
そしてその一大事業に挑むのが、事の重大性を微塵も理解していないバカ学生たち(ホーム・チームの与座に似ていると思ったら与座本人で驚いた)で、テンポ良くも実にくだらない大騒動ができあがっている。
冒頭の30分で一気に伏線を張り、以降の展開でじっくりと全ての伏線を回収するという破格の構成のため、冒頭がとにかく退屈かつ意味不明なのだが、それに耐えれば怒涛の展開と時間SFならではの仕掛けに、青春映画らしい結末が待っているので、ぜひぜひお試しの程を。


評価:★★★★ 8



サロゲート
     


~あらすじ~
近未来、“サロゲート”と呼ばれる身代わりロボットが開発され、人類は自宅からサロゲートを遠隔操作するだけで、現実世界に生身の肉体をさらす必要はなくなった。
しかし、起こるはずのない殺人事件が暗雲をもたらす。サロゲートへのダメージが使用者に及ぶとなると、この社会システム全体が破滅してしまう。
捜査を開始したFBI捜査官グリアーは、サロゲートを開発したVSI社に事件の謎を解く鍵があると推理する。


~感想~
設定とあらすじから想像する物語から一歩も出ないが、そういう意味での安定感があるのも確かで、気軽に観ることができる。
とはいえ起伏に乏しいのは致命的で、他の映画と比較して優れた面はほぼ皆無であり、興行的にコケたことも大いにうなずける。
まあ髪がフサフサで肌も妙に若々しく、違和感がすさまじいブルース・ウィリスが観られただけでもよしとすべきか。


評価:★★ 4



七人のマッハ!!!!!!!
     


~あらすじ~
潜入捜査の末に麻薬王を逮捕したデュー刑事。妹の誘いでスポーツ慰問に同行し向かった村で、麻薬王の釈放を求める武装ゲリラの襲撃に遭う。テコンドーやサッカー、ラグビー、体操といった各種競技のチャンピオンが揃う慰問団の面々とデュー刑事は、自らの競技で培った肉体と技のみを武器に武装ゲリラに立ち向かうのだった。


~感想~
スタッフは同じだが『マッハ!!!!!!!』の続編ではない。エンドロールで流れる撮影風景で、車上から落下したスタントが危うく車輪に巻き込まれそうになり、監督らしき人物が「あとちょっとで轢かれてたぜ!」と
大はしゃぎしているところなど、壮絶な受け身や体当たりスタントは見ごたえあるが、それ以外の部分が酷い。
ストーリーが無駄に重く、なんの罪もない人々が次から次へと殺されていく。しかもそこは
死体描写に定評のあるタイ。邦画やハリウッドではちょっとお目にかかれない存在感ある死体を存分に見せつけてくれる。しかも死に方がむごい。無抵抗のまま銃を乱射されたり、村人とテロリストが対峙して一斉射撃で全員死亡、ロケットランチャーでこっぱみじんとエンタテインメントの範疇をぶっちぎりで超えている。
愛国心にもあふれてしまっていて、テロリストに囲まれた丸腰の村人たちが、ラジオから流れだした国家を合唱しながら銃撃をものともせず死体を踏み越えて突撃するところなど、
燃えるどころかドン引きである。
そしてそんだけ重たい状況の中で器械体操やサッカーボールでテロリストを屠っていくアスリートたちや、大の男を
シャイニングウィザードでKOする幼女は実にシュール。
余談だが誰もがガチンコでスタントに挑むなか、テロリスト役の女優にはどう見てもパンチが当たっておらず興醒めした。
顔が命な女優がマッハの仕事受けんじゃねえよ!!
ともあれ万人にはおすすめできない仕上がりなので、タイトルに惑わされないよう注意していただきたい。


評価:★★ 4



シャーロック・ホームズ
     


~あらすじ~
1891年、ロンドン。
進歩する世界の中心地であり、あらゆる悪がはびこるこの街で、若い女性を狙う連続殺人が起きる。
ホームズとワトソンが正体を暴いた犯人の名は、ブラックウッド卿。
逮捕され死刑を宣告されても、彼は一向に動じない。巨大な闇の力により、死んでも甦れると言うのだ。
邪悪な神秘主義組織の頂点に立つブラックウッド卿は、予言通りに生き返り、全世界を悪で塗りつぶし、支配しようと企てる……。


~感想~
鳥打帽でコートを着込み貴公子然とした紳士……という凝り固まったホームズ像から脱却し、原作でのホームズを正しく再現してみせたがゆえに、かえって誰も見たことのない異色のホームズ像を打ち出した作品。
日本古来の謎の武術バリツをマスターしたホームズなのだから、洞察力を駆使して半裸で地下ボクシングをやるのも原作に照らし合わせればすこしも不思議ではないのだ。
一方、原作の5割増で頼もしい戦う助手ワトソンの造型も新しく、ホームズ&ワトソンでWサブミッション! なんて一歩間違えればギャグになることをやってのけた製作陣は本当にすごい。
アクションに比重を置きながらも、謎やトリックは残らず解いてみせる推理パートもきちんと用意され、ホームズ譚としても見事な結実。
このシリーズはもっともっと観てみたいものだ。


評価:★★★★ 8



シャッター
     


~あらすじ~
「THE JUON/呪怨」の製作陣がタイ映画「心霊写真」をハリウッドでリメイクしたホラー。
ニューヨーク在住のカメラマン、ベンは新妻ジェーンとともに仕事とハネムーンを兼ねて日本を訪れる。しかし、彼らは夜の山道で車を走らせていた時に突然目の前に現われたひとりの女性を轢いてしまう。


~感想~
そこは肩車じゃなくておんぶだろ常識的に考えて……

いきなりネタバレしてしまったが、とてもハリウッド作品とは思えないほどきちんとしたホラーである。
好物の韓国ホラーを想起させる、起承転結の整った展開で、まとまりのある作品なのだが、日本人がメガホンをとったわりに(だから?)肝心の幽霊の描写が弱く、かの爆笑ホラー『LOFT』の安達祐実のように、奥菜恵がぼーっと立っているだけなので、怖くもなんともないのが難点。
しかし幽霊が出ることに理由のないことの多い(あっても『リング』の版型とそっくり)和製ホラーとは異なり、理不尽さのないしっかりとした脚本には好感を抱いた。
ところでタイ映画と言えば死体描写の残酷さとリアルさに定評があるのだが、原作はどのくらい不必要にグロかったのかは気になるところだ。


評価:★★☆ 5



シャッターアイランド
     


~あらすじ~
精神を病んだ犯罪者だけを収容し、四方を海に囲まれた島から一人の女が姿を消した。
島全体に漂う不穏な空気、なにかを隠した怪しげな職員たち、解けば解くほど深まる謎……。
事件の捜査に訪れた連邦保安官テディがたどり着く驚愕の事実とは。


~感想~
設定からしてオチがモロバレのノーガード戦法。伏線や仕掛けが次々と目に止まり、「これで正解だろうか」という微かな不安はすぐに消し飛ぶ。
しかしオチが見抜けたからつまらないということはなく、無数の伏線を見つけ、追いかけていくのがなかなか楽しい。
こういった(いちおうネタバレ→
叙述トリック)映画は、ごく一般的な映画ファン(笑)にはえてして評判が悪く(例:シックスセンスを除く初期シャマラン作品)、今作もさんざんに叩かれているが、こういった映画好きならば、雑音に惑わされることなく、観て損はしないだろう。


評価:★★☆ 5



ジャンパー
     


~あらすじ~
ごく普通の高校生デヴィッドはある日、自分にテレポート能力があると知る。
そして独りニューヨークへ発ち、その力を悪用し銀行の金庫から大金をせしめ、自由を満喫するのだった。
しかし一方で、デヴィッドと同じ能力を持つ“ジャンパー”たちの抹殺を使命とする組織“パラディン”の影が迫り……。


~感想~
この映画のなにが弱点って、誰も知的じゃないのが最大の弱みである。
能力を活かした罠や奇想天外な作戦などなく、敵は敵でオーバーテクノロジーな兵器をなんの説明もなくじゃかすか使ってくる。
キャラも弱い。能力を人助けに用いる気はさらさらなく、銀行強盗をなりわいに自らの快楽だけを求めるチャラい主人公に共感できないのはもちろん、それに天誅を加える悪役も「ジャンパーにかかわった人間は皆殺し」というよくわからない教義を抱えているわかりやすい極悪ぶりなので、犯罪者 vs 犯罪者の図式になってしまっているのだ。
しかもヒロインは「さっさと助けなさいよ」を連呼するきわめて自己中心的な性格(単に常人なのかもしれないが)、相棒は主人公に輪をかけてチャラい、母親は立ち位置が不明、と脇を固める面々もしょうもない。
とても原作があるとは思えない「面白い設定考えたからとりあえず映画撮ろうぜ」的な結構のくせに、続編作る気満々なストーリー展開も頭が痛い。
もっとちゃんとした脚本さえあれば……。


評価:★★ 4



呪怨 1・2 ビデオオリジナル版
   


~あらすじ~
小学校教師の小林俊介は不登校の佐伯俊雄の家を訪ねる。俊雄の母親で小林の同級生の伽椰子の姿はなく…。

~感想~
未鑑賞だったビデオオリジナル版を初体験。
まずアナログ映像の汚さに驚かされるがすぐに慣れる。監督が「笑われるほどに幽霊を出しまくる」という通りに出し惜しみせず、怪異が起こる場面では必ず幽霊が現れる。だからといってそれが怖さにつながることはなく、心拍数が上がることも一瞬たりともないが、呪怨ならではの理不尽な皆殺しテイストや、わかりやすいホラーぶりは十分に楽しめるだろう。
ただし「呪怨 2」冒頭30分ほどは1の総集編で、2本まとめて観ると非常に損した気分になった。1のラストも完全無欠に2へ続くぶつ切りで、当時の続編物はこれが普通だったろうかと疑問に思った次第である。


評価:★★☆ 5



呪怨 黒い少女
     


~あらすじ~
マッハ貫手!


~感想~
怖さも構成もバカ度も『白い老女』に及ばず。
ホラーとしては「黒塗りの少女がたまに出てくるよ」くらいのレベルなので、まず基本的に全く怖くない。
いちおうバラバラにした時系列を最後にまとめ上げてみせた『白い老女』と比べると脚本も適当で、個々のエピソードのつながりも薄く、60分という分量ですら退屈させてしまう始末。
バカ映画としても見所は「マッハ貫手!」くらいしか無いので本当に語るべきことがない。
若いのにやさぐれてうらぶれた雰囲気が漂う加護ちゃんの演技だけは見ものだが、たぶんあれは演技ではなく素で醸し出してる雰囲気だしな。


評価:問題外



呪怨 白い老女
     


~あらすじ~
ディーフェンス! ディーフェンス! しょーほく! しょーほく!


~感想~
「呪いつづけて、10周年」のアホなコピーにふさわしい、呪怨らしいある種、頭の悪いホラーに仕上がっている。
バカ映画なので遠慮なくネタバレしていくと、まずバスケ老女。白塗りムンク顔の老女がバスケットボールを抱えてちょこちょこ走り寄ってくるというキャラで、出てくるたびに爆笑を誘われること請け合い。なぜバスケットボールかという説明は作中に一切ないのだが、これがもし手鞠だったらもうちょっと怖かったろうにと思えてならない。
バラバラになった時系列が最後まで観ると一つにまとまるのを褒める心の広いレビュアーも多いが、冷静に思い返してみると、まさにそのバスケ老女の部分で時系列的に説明の付かない点が出てくるのも(おそらくは意図的にやったのだろうが)マイナス要素。順序立ててきちんとまとめるのならば、むしろ正確にすべきであった。

整合性が無いといえば、呪怨名物の「関わったものは皆殺し」テイストも徹底していなくて、今回は温和になったのか目こぼしが多すぎる。こっくりさんで少女の霊を呼び出した三人のうち、一人は殺して(?)おきながら、同じ立場のもう一人には全くのノータッチ。残る旧友のアッキーナには心温まる恩返しだ。売り出し中のアッキーナを呪い殺させるわけには行かないと事務所の圧力が働いたのかと勘ぐってしまう。
そのくせただ殺人犯が利用しただけのタクシー運転手とか、ケーキの配達員の恋人など関連の薄い人間は殺すのだから、まとまりに欠ける。そりゃ説明がつかないのがホラーだけども。

そして極めつけは連続殺人で、殺人鬼と化した男の叔母(? これも作中で無駄に説明されないのでいまいち関係性がはっきりしない)が床に軽く叩きつけられ、髪をつかんで引きずられただけなのに瀕死のダメージを負っていて、浴槽に放り込まれようが灯油をかけられようが「痛いー痛いー」となぜか無抵抗。それなのに火をつけられると今度は「熱いー熱いー」と苦情を訴えるだけで、主に毛根にしかダメージを受けていないのに全く浴槽から逃げ出そうとしない、異常な熱耐性を披露しながらもそのまま焼け死ぬというコントを見せられ、笑い死にしそうになった。

冒頭の不穏な空気を漂わせた屋敷の描写なんかは非常にすばらしく、引きつけられたのだが、後半になるにつれバカ度が加速していったのが残念。だいたい首を切られた少女はともかく、あの老女は化けて出るほど別に怨んでないと思うんだ。
呪怨シリーズをモンスターパニック映画として観ている僕のような人種はいいが、真面目に怖いもの見たさで鑑賞すべきではないだろう。

あと犬のおもちゃと鳴きまね対決をするためだけに、白塗りでパンツ一丁になった俊雄くんにはいろいろと同情したい。


評価:0 なし



ショーン・オブ・ザ・デッド
     


~あらすじ~
ロンドンに暮らすショーンは、親友のエドとパブに入り浸るばかりの冴えない毎日を送っていた。そんな彼に長年の恋人リズもついに愛想を尽かしてしまう。このままではいけないと自覚したショーンは、リズとよりを戻すため、これまでのだらしない生活を改めようと決意する。ところが、ショーンが恋人のことで頭がいっぱいになっている間に、街にはゾンビがあふれ、人々を次々と襲っていたのだった。


~感想~
あの『ホットファズ』の監督と主要キャストによるゾンビ映画。こちらも『ゾンビーノ』と同じくプロット自体はいたって普通のゾンビ映画なのだが、たった2つの要素を付け足すことで、誰も見たことのない映画に変貌している。
その要素とは「史上最弱のゾンビ」と「主人公がバカ」の2つである。
まずゾンビは非常に動きがとろく、相当接近しないと攻撃されないのは当然として、バットや傘はもちろん投げたレコードでもダメージが入る有様。そして主人公はといえば、そのレコードを投げる際に「それは大事なレコードだから投げるな!」とか「それは投げていい」と吟味してしまう能天気さ。
世界が滅亡の危機にひんしても「パブに逃げ込めば酒飲み放題」と遊ぶことしか考えず、QUEENの曲にあわせノリノリでゾンビをしばいたりと最高のバカさ加減。
『28日後…』シリーズでもつくづく思ったが、イギリス人はひょっとしてアメリカ人よりバカなんじゃなかろうかとの思いを強くした。


評価:★★☆ 5



スーパーマン・リターンズ
     


~あらすじ~
前シリーズの2作目「スーパーマン II/冒険篇」を引き継ぎ、5年ぶりに地球に戻ってきたスーパーマンの活躍を描く。
クリプトン星の3悪人との戦いに勝利したクラーク・ケントことスーパーマンだったが、その後彼は謎の失踪を遂げる。
スーパーマンが不在となった地球では犯罪が急増、加えてレックス・ルーサーも仮釈放が認められ出所してしまい……。


~感想~
力は技をも制す。
ことパワーにかけてはスーパーマンは古今東西のヒーローの中でもトップクラスではないかと感じさせる、とにかくパワーと圧倒的なスペックを前面に押し出した描写がいい。
ただ要所を締めるアクションはいいが、全体としてストーリー重視に傾いたのはすこし残念。もっと単純明快なものを期待したのだが。
ともあれ新生スーパーマンとなるブランドン・ラウスもなかなかはまっていて、ファンは必見の内容と言えるだろう。

……シリーズ的にはなかったことにされてるらしいが。


評価:★★★ 6



スパイダーマン 3
     


~あらすじ~
シリーズ第3弾。それぞれに深い事情を抱えスパイダーマンへの憎悪を燃やす3人の敵との対決に加え、MJとの波乱に満ちた恋の行方、さらには謎の黒い物体によってブラック・スパイダーマンとなった青年ピーターが、内面の悪と向き合い深く葛藤するさまが激しいバトル・シーンとともに綴られてゆく。
※コピペ


~感想~
前2作はあれだけよくできてたのに、どうして3作目でこんなになってしまったのだろう。
ストーリーが一から十まで破綻していて、どこから突っ込めばいいのかわからないほど。
ご都合主義は娯楽作品につきものだが、それにしても全てが都合よく動きすぎるのが問題。
一番わけがわからないのがヒロイン(あいかわらずかわいいんだかブサイクなんだかわからない微妙な顔がまぶしい)で、いちおうネタバレを避けて言うと、誰か「お前の彼はスパイダーマンだろ」と突っ込んでほしいところだし、真相が明るみに出てもいっこうに打ち明けようとしないあたりは「あれ? もしかして本当に別れたかったの?」と思えてしまう。
アクションさえよくできてればたいていの映画は楽しめる僕でも、プロットのあまりの壊れっぷりに、最後まで釈然としなかった。


評価:★☆ 3



スピードレーサー
     


~あらすじ~
往年の日本アニメ「マッハGoGoGo」を「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が実写映画化。
父の設計した"マッハ5"を愛車に天性のハンドルさばきでライバルたちを圧倒するスピード・レーサー。彼は、レース中に命を落とした兄、レックスの遺志を継ぐべくレーストラックを疾走していた。そんなある日、大手メーカーから好条件のオファーが舞い込む。


~感想~
アニメ「マッハGoGoGo」の実写化ではなく、実写のアニメ化といったほうが正しい、極彩色に埋め尽くされた画面やディフォルメされた描写は、もう特撮とかCGとかそんな次元ではない。
さすがは「マトリックス」以来の監督作品だけあり、アイデアと技術の詰め込みっぷりはこれを本当に「マッハGoGoGo」に使ってもったいなくないのかと言いたくなるほど。ハリウッドによるアニメ原作映画としては史上屈指と言える娯楽大作である。
ウォシャウスキー兄弟には「ドラゴンボール・レヴォリューション」のスタッフに説教してもらわなくては。


評価:★★★★ 8



スペル
     


~あらすじ~
きっかけは老婆へのほんの小さな不親切。逆怨みで言い渡されたある「呪文(スペル)」が銀行員の平穏な日常を跡形もなく変えていく。
理不尽な脅威に怯えながら、タイムリミットの72時間で、呪いを解き生き残ることができるか?


~感想~
突然わっと出てきて驚かすお化け屋敷タイプなのに、やはり心拍数が1つも上がらないのがハリウッドホラー。
「13日の金曜日」の頃からそうなのだが、怖いとグロいをはき違えているらしく、虫やらゲロやらで力押ししてくるのも困ったところ。
それにしても主人公の防御力ときたら尋常ではなく、すごい勢いでタンスや壁に叩きつけられても全くのノーダメージなのは当然として、世界のクロサワに捧げるようなリッター単位の鼻血を噴き出しても、貧血すら起こさず平然としているのだから恐ろしい。どっちがホラーだ。
終盤はアメリカ人が怖いと思うもの一位のアレが大暴れして、日本人の感性からは大きく外れていくが、オチは意外と綺麗にまとめてみせた。
「パラノーマル・アクティビティ」よりはよっぽどマシではなかろうか。


評価:★ 2



スラムドッグ$ミリオネア
     


~あらすじ~
運ではなく、運命だった。アジア最大のスラム街・ムンバイで育った少年ジャマールは、世界的人気番組「クイズ$ミリオネア」にて一夜にして億万長者のチャンスを掴む。
だが、無学な彼は不正の疑いをかけられ、警察に連行され、尋問を受けることになってしまう。
彼は一体どうやって答えを知りえたのか? そして、彼がミリオネアに挑戦した本当の理由とは?


~感想~
細けえことはいいんだよ、と言わんばかりに多少の粗は置き去りにして、最後まで突っ走る、いたって正しい娯楽映画。アカデミー賞は伊達ではない。
なぜ都合よく経験したことばかり出題されるのかとか、見え見えの死亡フラグとか、強引なハッピーエンドとか、スタッフロールの全員ダンスとかにいちいち目くじら立てるのは馬鹿のやること。
スラムに生きる少年の過酷な人生と、日本人にもなじみ深いミリオネアの場面とが交互に挿入される構成が、下手すると説教臭くなったり、地味で退屈になりがちなストーリーを盛り上げ、飽きさせない造りになっている。
アメリカ版みのもんたの怪演もすばらしく、万人に広く勧められる良作である。


評価:★★★☆ 7



ソルト
     


~あらすじと感想~
いやー酷い酷い。今年観た映画の中で一番酷かった。いや今年どころか今まで観た映画の中でも屈指の酷さ。
頭のてっぺんから足の爪先まで糞な映画なので、遠慮なくネタバレするためいちおうご注意をば。

まず冒頭。アンジェリーナ・ジョリー演じる女スパイ・ソルトが北朝鮮兵に下着姿でリンチされている。
脱がせよ。なぜ無駄に紳士的なんだ。
なお次の場面で一気に時間が飛ぶため、このリンチシーンがどこにつながるのか少々わかりづらいが、冒頭に据えておきながら、ソルトがリンチを受けたという出来事はたいして重要な意味もないので、忘れても構わない。

つづいて謎めいたロシア人の男がCIAに捕まり尋問を受けるが、そのさなか、ロシア男はソルトがロシアとアメリカとの二重スパイだと明かす。それを聞いたソルトはろくに弁解もせずいきなり逃走を始めるため、面食らってしまうが、先にネタを割るとソルトは実際に二重スパイであり、ロシア男はソルトの組織のボスで、ソルトに蜂起をうながしに来たのだ!
なぜボスが
自らのこのこと敵中に入り込んできて、一スパイに連絡しに来るのか、敵に捕らわれる以外に連絡方法はなかったのか、この方法だとソルトはもちろんお前も危険じゃないのかとか、百の疑問が湧いてしまうが、ソルトも、そしていつの間にかボスも無事に逃走するので心配は無用である。
ちなみにソルトは履いていた下着を監視カメラにかぶせるというファンサービスをしてくれるが、別にパンツを選ぶ理由もないと思う。

辛くも逃げのびたソルトは、ロシア首相の暗殺を目論む。そのために変装をするのだが、それがなんと髪を黒く染めただけという始末。切れよ。っていうかそれは
変装じゃなくてオシャレだ。
葬儀に出席したロシア首相を狙うソルトは、会場の地下に潜み、
床を爆破して首相を地下に落とすという斬新すぎる手法(なぜか無傷で、しかもソルトの目の前に落ちてくる光景はシュールすぎる)で、目的を遂げた。
それによりロシアとアメリカは緊張状態に陥り、核戦争の危機を迎えるのだった……。念のために言うが、ロシアのスパイだの核戦争だのが横行しているが、これは21世紀の現代の話である。

任務を果たしたソルトはロシア男たち同志に迎えられた。しかしそこで恋人をいきなり殺されたソルトは、怒り心頭で
同志を皆殺しにしてしまった。展開クソ早ええ。
しかし初志貫徹の人であるソルトは、同志の遺志を受け継ぎ、今度はアメリカ大統領を狙う。何がしたいんだよこのヒロインはと頭を抱えたくなるが、とにかくソルトは先行していたスパイの協力を得て、鉄壁のセキュリティーを誇る地下シェルターに挑む。
ソルト「どうやってシェルターに潜入するの?」
協力者「こうするのさ!」
言うやいなや、協力者はなんと
自爆テロで吹っ飛び、混乱に乗じてソルトはエレベーターの通路を利用するという古典的な手段で地下深くに侵入した。
今しも核ボタンが押されようとしていたとき、実はロシアの潜入スパイだった大統領の側近が裏切り(くり返すが現代が舞台である)、大統領を気絶させその他の全員を撃ち殺してしまう。
そこに現れたソルトは思わぬ同志の登場に喜ぶが、
ここでネタばらし。なんと彼女はロシアスパイたちの陰謀を打ち砕くための三重スパイだったのだ!
ソルトは核ボタンが押されるのを必死に食い止める! 実はロシア大統領を暗殺していないし、ロシアスパイ以外は殺していないのだが、多数のアメリカ人(民間人含む)に重傷を負わせていたことなど振り返りもせず戦う!
そしてロシアスパイを葬り、核戦争の危機を防いだのだが、今までのうさん臭すぎる行動(実際に多くの被害は出してる)から二重スパイの疑惑を解かれていない彼女は拘束され、ヘリで移送される。
だが付き添いの元同僚に、彼女は真実をほのめかす。「私は世界を救った。そしてこれからも世界の危機を救うために戦う」
証拠もクソもないソルトの言葉を無邪気に信じた元同僚は、なんとソルトを
わざと逃がしてしまい(もうちょっと待てば大統領が意識を取り戻して潔白を証明してくれるのに)かくてソルトは孤独な戦いを続けるのであった……。

えーと。
アメリカはこの映画でいったいなにをどうしたかったのかな?
これは本当に現代を舞台にしなきゃ描けなかったのかな?
どうして21世紀にもなってロシアのスパイを暗躍させたのかな?

なぁにこれぇ。


評価:問題外



ゾンビーノ
     


~あらすじ~
長く続いたゾンビとの戦争で危機に陥った人類は、ゾムコン社が開発した特殊な首輪に救われた。それをはめたゾンビはおとなしく従順になり、現在では家事もできるペットとして一般家庭で飼われていた。友達のいない少年ティミーの家でも、母ヘレンが世間体を気にしてゾンビを飼うことに。
やがて、ティミーはゾンビをファイドと名づけ、心を通わせていくのだが……。


~感想~
あらすじを見てもらえばわかるとおり、考えたヤツは完全に頭おかしい映画なのだが、そのイカれたアイデア一つで、話の展開的にはいたって正しいゾンビ映画を、絵面は普通にグロいシーンなのに笑わせたり、心温まらせてしまうのだからすごい。
ハートウォーミングでコメディチックなゾンビ映画という前代未聞の作品を生み出してしまうとは、ゾンビ映画というジャンルには想像を超える可能性が秘められているのだなあ。


評価:★★☆ 5



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