映画感想-た行


ターミネーター 4
     


~あらすじ~
スカイネットの叛乱により崩壊した未来世界。抵抗軍の指導者であるジョン・コナーは、一人の少年を探していた。
彼の名はカイル・リース。過去に送り込まれジョンの父親となるはずの人物である。しかしカイルはスカイネットに襲われ、拉致されてしまう。抵抗軍に助けられた謎の男マーカスは、スカイネット侵入の手引きをするが……。


~感想~
あちこちで言われている通り、もうターミネーターでもなんでもない物語になってしまった。
3をほぼ無かったことにして作り直したのだが、3どころか2も1も顧みないような内容で、まず主人公からして、あの若くしてドラッグでもやってそうなうらぶれたジョン・コナーはどこに行ったと言いたくなるような、スーパーマン役までやったたくましいクリスチャン・ベール兄貴に配役が変更されているのががっかりの1つ目。
さらに物語を動かすのもジョンではなく、新キャラの謎めいた兄貴と戦闘機乗りの女であり、だったらジョンと嫁でいいじゃないかという疑問が始終つきまとってしまうのもがっかり。(ちなみに嫁はほとんどストーリーに絡まない)
ターミネーター要素を極限まで削ぎ落としておきながら、ラスボスは旧型だったはずの知事であるのも逆にがっかりで、ロボットと人間の世紀末戦争に知事がゲスト参戦といった雰囲気がただよってしまう。
ターミネーターの続編でなければ、それなりに楽しめたのだろうが、続編であることが足を引っ張ってしまった、総じて残念な作品である。


評価:★★☆ 5



ダイアナの選択
     


~あらすじ~
17歳のダイアナと親友のモーリーンは、ハイスクール銃乱射事件の犯人に「どちらか一人を殺す」と究極の選択を迫られる。
その悲劇から15年。事件の記憶にさいなまれ、罪悪感に苦しみながらも懸命に夢に向かって歩んできたダイアナ。優しい夫。利発的な娘。やり甲斐のある仕事。
ダイアナは理想の人生を手に入れたはずだった。17歳のダイアナと32歳のダイアナ。二人の人生が交差した時、衝撃の事実が明かされる。


~感想~
冒頭の事件から一気に時間が飛び、はたしてダイアナの選択はいかなるものだったのかわからないまま物語は進んでいく。
普通に考えればその選択とは「親友を犠牲にし自分は生き延びた」ものだと思われるが、こういった趣向の映画なのだから、当然そんな単純にはいかないだろうと期待してしまう。
それではどんな選択だったのかと推理しながら見続け、そして終盤ついに明かされた真実の「ダイアナの選択」とは――。

その「選択」の意外さはもちろんのこと、定石通りに冒頭からもう一度ストーリーがくり返されるや、あからさまに張られていた伏線にも驚いた。
予想の一歩前、それも斜め上を行く「ダイアナの選択」は一見の価値あり。これは面白い映画である。


評価:★★★☆ 7



第9地区
     


~あらすじ~
ヨハネスブルグ上空に現れた巨大UFO。派遣された偵察隊が見たのは、船内で弱り果てたエイリアンの難民の群れだった。
それから28年後、エイリアンと人間が暮らす共同居住区“第9地区”はスラムと化していた。
超国家機関MNUはエイリアンの強制移住を決定し、ヴィカスという男を現場責任者に指名する。
彼は立ち退きの通達をして回るうち、知らずに人類とエイリアンの歴史を変える大事件の引き金を引いてしまう。


~感想~
宣伝では「社会派SF」や「ハートフルコメディ」に偽装されていたが、フタを開けてみればゲロと内臓と死体が乱舞するお下劣アクションであった。
前半はエイリアンたちにアメリカンなノリで立退きを迫る職員の足跡を追った、フェイクドキュメンタリーの体裁で描かれるが、いつの間にやらそんな手法は忘れられ、ゴッドハンド洋一とグロいけど愛嬌のあるエイリアン二人の織り成すバディ・アクションへと変貌。
そのアクションの激しさたるや、未知の科学兵器と現代兵器の壮絶なぶつかり合いで、ドキュメンタリー要素は微塵もなくなってしまうが、手に汗握らせるもの。
非人道的な扱いを受けたとはいえ、よく考えると相当に鬼畜な主人公も人間性はともかく、作品にはぴったり合う。
グロ耐性、バカ耐性のあるアクション好きなら楽しめるだろう。


評価:★★☆ 5



タイタンの戦い
     


~あらすじ~
古代ギリシャ。人間の王が横暴な神に反乱を企てるが、彼らの宣戦布告に激怒した天上の創造主・ゼウスは、冥界の王・ハデスと魔物たちを地上に解き放つ。
ハデスによって家族を殺された、ゼウスの落とし子・ペルセウスはあくまで人間として復讐を誓った。


~感想~
「古代ギリシャで神の子が神の力を借りて魔物と神と戦う」という言ってしまえば「それなんてゴッド・オブ・ウォー?」なのだが、大きな違いを挙げるなら、主人公はイケメンである。違いはそこだけなのか。
ペルセウス神話が題材だから当然なものの、メデューサの魔力や雷の力を使ったり、巨大な魔物と戦ったりとどうしてもクレイトスの影がちらついてしまう。
またポスターを車田正美が描いていることからもわかるとおり、監督は熱烈な聖闘士星矢ファンで、オリンポスの神々はすげー見覚えのある鎧をまとっているし、いちおうリメイク作品なのに、前作の監督ではなく星矢にオマージュを捧げるなどやりたい放題である。
そういえば映画の感想を書いていないが、あらすじから誰もが想像する通りの内容であるため、特筆すべき点はない。
なお3D映画として公開されたが、撮影終了後に「3Dに変換できるソフトがあるの? すけえ! それ使おうぜ!」と後から加工したものなので、「いちおう飛び出るけどあちこち不自然」「むしろ3Dじゃない方が良かった」な立体化らしいので、安心して通常版を観ていただきたい。


評価:★★★ 6



ダイハード 4.0
     


~あらすじ~
独立記念日の前夜。全米のインフラを監視するシステムに何者かがハッキングを仕掛けてきた。
FBI本部はブラックリストに載るハッカーたちの一斉捜査を開始し、マクレーン警部補は、マットというハッカーをFBI本部まで連行せよとの指令を受けてしまい……。


~感想~
ダイハードの名に恥じないアクション大作。
不死身の男マクレーンが不死身さとノリだけで後先考えずに、デジタル時代の悪を腕力とひらめきで殲滅する。アナログTUEEEEEEEEEE!!
また今回はマクレーンがつれまわすハッカー青年との友情と、彼の成長を描いたバディムービーとしての色も濃く、楽しみどころは多い。同じくブルース・ウィリスがお調子者の青年とコンビを組む『16ブロック』のパロディがあるのもご愛嬌。
公開後、アメリカのネット掲示板にブルース・ウィリス本人が降臨し、疑うファンに顔をさらして大騒ぎになったそうだが、そのことから連想して「マクレーンと●●を戦わせようぜスレ」みたいなむちゃくちゃな展開が楽しくてしかたない。これぞダイハード!


評価:★★★★☆ 9



タキシード
     


~あらすじ~
タクシー運転手のジミーは謎の大富豪デヴリンに雇われる。
ところが謎めいた彼は爆弾で重傷を負ってしまう。
原因を調べるうちに「決して触れてはならない」と戒められていたタキシードに袖を通したジミーは、ひょんなことから世界的陰謀に巻き込まれ……。


~感想~
ご存じジャッキー・チェンの主演映画。といっても今作の主役はあくまでも「タキシード」。
珍しくワイヤーアクションを多用し、ひと味違ったジャッキー映画になっている。
ところどころで特撮は使っても、体を張っているのはあいかわらず。実写と特撮がほどよく溶け合い、飽きさせない軽妙な娯楽映画になった。
それにしても、科学の粋をこらしたハイテク兵器(タキシード)の性能が、チェンの身体能力に追いついただけのような気もするがどうだろう。


評価:★★★☆ 7



チーム・バチスタの栄光
     


~あらすじ~
海堂尊の同名ベストセラー小説を映画化。
東城大学病院では、高難度のバチスタ手術を専門とする7人体制の"チーム・バチスタ"を結成し、以来26回のオペを全て成功させるという驚異的な記録を打ち出していた。
だが突如として、3例立て続けに術中死が発生してしまう。そして、心療内科医の田口がその内部調査を任される羽目になるのだが…。


~感想~
ファンが怒るのも無理はない。
田口が性別すら変わっているのは、原作どおりにしたらおっさんぞろいになってしまい客が呼べないからしかたないにしても、原作にはないソフトボールやらライブやらに尺を取り、しかもそれがわりと重要な位置を占めているのには苦言をていしたくなるだろう。
だが映画化したら阿部寛がやるんだろうと思っていた白鳥を、本当に阿部寛がやっているのはやはり見ものだし、どう見ても『トリック』の上田教授と同一人物なのはなぜか安心感を覚えてしまう。
また小説で読むよりも映像化されたほうが白鳥というキャラは強烈だと感じた。嵐の館の嵐山さんは白鳥役にはバナナマンの日村がはまり役だと言っていたが本当にそう思う。どうにか実現できないだろうか。
原作至上主義でなければ普通に見られる映画化作品ではあるが、想像を上回ることはない、思ったとおりの映像化にとどまった。
それにしてもココリコの田中はいい役者だなあ。


評価:★★☆ 5



チェンジリング
     


~あらすじ~
1928年。ロサンゼルスの郊外で暮らすシングルマザーのクリスティン。だがある日突然、家で留守番をしていた9歳のウォルターが失踪。
誘拐か家出かわからないまま行方不明の状態が続き、そして五ヶ月後。警察から息子が発見されたとの朗報を聞き駆けつけると、そこにはウォルターだと名乗る息子とは似ても似つかない少年が待っていた。


~感想~
実話をもとにしたのはいいが、展開まで現実をトレースするようにゆったりと流れてしまい、長すぎる上映時間とあいまって、どうしてもだれてしまう。
実話だけに意外性や超展開を求めるのは酷で、事件後は予想の範疇を出ないストーリーが最後まで描かれ、結末にちょっといい話で締める頃には飽きが来てしまった。
こういう映画をあまり楽しめない自分は、やはり良い映画ファンではないのだろうなあ。


評価:★★ 4



チョコレート・ソルジャー
     


~あらすじ~
ライブ中に浮気した彼氏につかみかかりバンドをクビにされたデュー。
ジャガー団に拉致されかかった所を救ってくれたサニムらに手ほどきを受け、酔拳・ムエタイ・ヒップホップを組み合わせた泥酔拳を身につけ、巨悪に挑む。


~感想~
華奢な体からは想像もつかない高速かつ容赦無くハードヒットする格闘を見せてくれた「チョコレート・ファイター」でデビューしたジージャー・ヤーニン主演の第二作。が、スティーブン・セガールの沈黙シリーズ同様に彼女の主演作の邦題には勝手に「チョコレート」が付くらしく、監督も別ならストーリー的なつながりもない。そして質的にも著しく落ちるので要注意。

まず「泥酔拳」というクソだせえ邦訳を付けられたオリジナルの格闘術だが、酔拳の要素があるのはデビュー戦だけで、それ以降は酒を飲まないどころか酔った素振りすら見せない。ムエタイはともかくヒップホップはいらないんじゃないかという予想も的中し、端的に言えば足技がカポエラっぽいムエタイに過ぎない。
スローモーションを駆使した演出は悪くないが、ラストバトル以外の打撃はさほどクリーンヒットせず、そもそもカポエラ風の泥酔拳の蹴り技は当たりが弱く、痛さのアピールが足りない。
またストーリーはきわめて単純ながら、無駄に暗く打ち沈んだもので、泥酔拳というおちゃらけた格闘術にはいかにもそぐわず、無駄に冗長なカメラワークで無駄に尺を取っているのもきつい。終盤の立体交差する三本の吊り橋上でのターザン格闘くらいしか見どころは無かったかな……。


評価:★☆ 3



チョコレート・バトラー
     


~あらすじ~
韓国からタイへ移住しテコンドー道場を営むムン一家。
タイ王国の秘宝を窃盗団から取り戻したことから、窃盗団につけ狙われる。
子供たちを友人のもとへ預けるがそこにも魔の手が忍び寄り……。
ジージャー・ヤーニン主演第三作!


~感想~
ジージャー脇役じゃねえか!!
主役はテコンドー一家でありジージャーは疎開先の友人の姪という役柄で、タイと合作だから向こうの有名なアクション女優でも出しとくか程度の、いてもいなくてもいいどころか明白にいらない子である。

アクション的にはよくあるカンフー映画のテコンドー版で普通に観られるものだが、ストーリーは一から十まで破綻しており、タイ王国の秘宝(時価3千万ドルの短剣)を狙う窃盗団は警備員は銃殺しておきながらテコンドー一家を相手にすると
急に武道精神に目覚めて素手で戦ったり、盗んだ短剣をしまった箱を窃盗団のボスが小脇に抱えて急ぐでもなく徒歩で帰ったり、その途中にテコンドー一家の長男とぶつかってうっかり短剣を落としたところを目撃されたり、長男が帰宅してテレビでその短剣が盗まれたものだと気づきあわてて引き返したらボスがまだ悠長に帰宅中で余裕で追いついたり、白昼堂々長男とボスの格闘が始まったのに周囲の人々はほとんど無反応だったり、ボスは3千万ドルの短剣を武器として使い出したり、一方テコンドー一家の母親は窃盗団の車に偶然ぶつけられたら後ろに幼児が乗っているのに謝罪と賠償を要求するニダと追跡を始めたり、短剣を取り返された窃盗団は一家への復讐を狙うのだがいくらテコンドー一家だとはいえ婦女子に撃退される程度の刺客に素手で襲撃させたり、決死の覚悟で滝に飛び込んだけど間に合わなかったり、幼児が時限爆弾を解除したり、ラストバトルで窮地に駆けつけるのがジージャーではなく二頭の象だったり、長男は短剣で4回斬られてるのに全くのノーダメージで必殺トルネードを放ったりともう、ツッコミ不在で次から次へと繰り出されるボケの嵐に圧倒されるばかりだった。
いやもう本当にこの映画に限った話じゃないんだけど
銃を使えよ銃を!!

それにしても
ジージャーが中盤でザコキャラに敗北する役どころの映画に「チョコレート」を冠して主演第三作とうたう日本の配給元は、信頼その他もろもろを失ってでも目先の金が1円でも多く欲しいんだろうなと呆れ返ることしきりである。


評価:★☆ 3



チョコレート・ファイター
     


~あらすじ?~
『マッハ!』監督作!この蹴りに世界がひれ伏す!!!史上最強美少女誕生!スタントなし!アドレナリン爆裂のノンストップ生傷アクション!
※コピペ


~感想~
スタントなしワイヤーなしCGなしでトニー・ジャーが演じた「マッハ!!!!!!!」の血を引く作品だが、今回の主人公はか細い少女。ムエタイの達人であるトニー・ジャーでさえ生傷の絶えなかった過酷な映画に、女の子が挑んで無事で済むのか、トニー・ジャーに負けないバトルを見せられるのかと心配してしまうところだが、まったくの杞憂であった。
むしろトニー・ジャーをも上回る暴れっぷりで、ハードヒットする打撃や、一歩間違えば重傷を負う激しいアクションが目白押し。
特にラストは、なにもそんな狭くて高いところでやらなくても……と引いてしまうほどの危険地帯での高速バトルで、女だからとか華奢だからとか、そんなことは戦いとは無関係だとまざまざと思い知らせてくれる。
少女が強い理由を「そういう病気だから」の一言で済ませているのはあんまりだし、他に方法がなかったのかと思うが、「マッハ!!!!!!!」のファンが見逃す手はない。

あとクランクアップから一年半後に「やっぱり阿部ちゃんのチャンバラが欲しい」と言われ喜んでタイに出向いた阿部寛は漢だと思う。


評価:★★★☆ 7



ディパーテッド
     


~あらすじ~
香港映画「インファナル・アフェア」のリメイク作品。
警察学校を優秀な成績で卒業したビリーとコリン。やがてビリーは、マフィアへの潜入捜査を命じられる。一方のコリンは、マフィア撲滅の特別捜査班に抜擢されるが、その正体はマフィアのボスに育てられたスパイだった。


~感想~
僕はハリウッド映画が大好物なのだが、どうしてハリウッドが手をかけるとこんなにも過剰かつ下品になってしまうのだろうか。
下ネタの応酬とわかりやすすぎる悪。誰もが口を開けば3分刻みで「F●CK」がらみの罵声が飛び出し、ビリーの上官にいたってはお前はハートマン軍曹かと言いたくなるような、豊富なボキャブラリーで口汚く罵りまくる。
記憶にある「インファナルアフェア」はもっと硬質な雰囲気だったような……。
また初見ならともかくリメイク作品が3時間は長丁場すぎて、途中で投げ出してしまった。
大衆的に、簡潔に、俗悪にのハリウッド手法が珍しく口に合わなかった。


(評価:★★ 4)



デジャヴ
     


~あらすじ~
500人以上もの犠牲者を出したフェリー爆破事件。
捜査を開始したATFのダグ・カーリンは、FBIの特別捜査班に招かれ、政府の極秘装置“タイム・ウィンドウ”と呼ばれる監視システムを使った事件解明に協力することになるのだったが……。


~感想~
事前に「どんでん返し映画」と聞いていたが、これどんでん返しと言わない。
サスペンスかと思ったらSFかと思ったらアクション映画だったのはたしかに「どんでん返し」だが、伏線がはまりだしたあたりから、アクション映画に比重を移してしまい、せっかくの伏線がもったいないことに。
むしろはじめからSFアクションだと承知していたほうが楽しめただろう。


評価:★★☆ 5



デス・レース
     


~あらすじ~
近未来のアメリカで熱狂的な人気を誇るテレビ番組「デス・レース」。サーキットは、四方を海に囲まれたターミナル・アイランドと呼ばれる脱獄不可能な離島刑務所。レーサーは服役中の凶悪犯。車は特殊武装が施された走る兵器。負けたら最期、3つのステージを勝ち抜き自由を手にするのは、いったい誰なのか!?


~感想~
タイトルとあらすじから想像する内容と寸分たがわぬ映画であることは説明するまでもないだろう。
本作はカルト的人気を誇る『デスレース2000』のリメイクという体裁をとっているが、原作は公道でレースを行い、ひき殺した一般人の性別・職業・人種などに応じてボーナスポイントが加算される、という
小学生かアメリカ人しか発想しない映画なのだが、それと比較すると民営刑務所による囚人同士の殺人レースという設定は、ずいぶんおとなしいものになっている。
しかし原作での舞台は25年後の近未来だったが、今作はわずか4年後の近すぎる未来という設定で、たった4年で(別に核戦争も起こっていない)ここまで世界が荒廃するだろうかとか、4年やそこらじゃ人権団体もPTAもなくならなくね? という疑問は尽きないが、そんな些細なことを気にしていたらこんな映画は観られないだろう。
内容的にはあらすじに付け足すほどのものはないので、多くは語らないが、終盤になるにつれ「
いやいやいやいや」と首を振りたくなる展開がめじろおしなので、多少の注意は必要である。
……まあ、こんなタイトルの映画を観る人間が文句を言うとは思えないけども。


評価:★★★ 6



デッドコースター
     


~あらすじ~
ハイウェイで起きた突然の連鎖事故。トラックに積まれた巨木が崩れ落ちたのを機に、ハイウェイは一瞬にして地獄と化した。
しかし“予知夢”により事故を回避した8人も、死の運命に直面することとなる。


~感想~
『ファイナルデスティネーション』の続編。
せっかくいいオチを付けた前作を引き継いでしまったが、前作をそれなりにうまいこと踏まえて、新たな展開を作り出すことには成功している。
前作よりもピタゴラ装置をうまく活かしていて、来るぞ来るぞと思っていた場面であえて仕掛けを発動させず、気を抜いたところで罠を仕掛けるずらし方がうまく、どんなピタゴラ装置かという楽しみと、いつどのタイミングで死ぬのかという黒い面白さがあるのだ。
前作ほどきれいな着地ではないが、納得できるオチも備えて、続編としての役割を十分にこなした佳作である。


評価:★★★☆ 7



デビル
     


~あらすじ~
ニューヨークの実直な警官トムの家に下宿人としてやってきた、快活なアイルランド青年ローリー。
しかし、その天使の笑顔の裏側には、国際手配されたIRAのテロリスト、“エンジェル”という悪魔の顔が隠されていた。


~感想~
調子の悪い=イマイチなときのブラピは
品川に見えてしかたない傾向があるが、この映画では終始、品川に見えてしまっていた。
つまるところ、わざわざ映画にするまでもないような平板な話で、ストーリー的には見るべきところはない。
アイルランド紛争を描く序盤こそ引きつけるものの、以降は哀しい背景を持つ男の演技を
品川にできるはずもなく、盛り上がるようで盛り上がらない中途半端な物語をゆったりとしたペースで流され、熱狂的なファンならば「翳のあるブラピかっこいい!」となるだろうが、興味のない僕としては「翳のある品川△(さんかっけー)ッス」と半笑いで済ませるしかなかった。
総じてきわめて退屈な映画であり、こういった映画の楽しみかたがわからない僕は、本当のところ映画好きではないのかもしれないという思いを強くした。


評価:★ 2



デビルマン
     


~あらすじ~
必要なし。


~感想~
いや、
意外とがんばったんじゃね?
事前に情報は仕入れていたので、棒読みやストーリーの適当さ、シレーヌやジンメンの扱いの酷さは覚悟していたので「確かに酷いな~」と楽しんで観られた。
そりゃ予備知識なしに映画館で観ちゃった日には大変なことになるだろうが、酷い酷いとさんざん言われてるのを知り、10秒に一回ペースでツッコミながらテレビで観る分には問題なし。
しかしせっかく深夜枠で放送したのに美樹ちゃんの
生首とか生首とか生首などがカットされたのは残念だった。なんのための深夜枠だ。ゴールデンタイムに放送するリスクを避けただけではないか。
細かいツッコミはやりだすときりがないので、星の数ほどある各サイトの映画感想を参照してもらうとして、2時間という枠にあの壮大な物語を(強引にしろ)詰め込んだことだけは評価できるのでは。
原作の深い部分を
慎重に避け、深い部分の上澄みだけをすくい、すくい切れない部分は解りやすく作り変え、いちおうの起承転結を(むちゃくちゃにしろ)まとめたことくらいは褒めておきたい。
……いやもちろん、原作殺しとかそういうレベルではなく、デビルマンという素材を使って
学芸会のわりにがんばりましたってレベルの話なんだけども。
この映画は(これを映画と呼ぶことを各方面に深くお詫びいたします)作品単体ではなく(これを作品と呼ぶことを以下同文)観てしまった人々の魂の叫び、もとい感想を読むことを楽しむほうの作品(これを以下同文)でしょう。


08.3.16
評価:問題外



天使と悪魔
     


~あらすじ~
カトリック教会の新教皇を選出するコンクラーベの開催が迫るヴァチカンで、候補者の枢機卿たちが誘拐される。
宗教象徴学者のラングドン教授は、ヴァチカンより依頼を受けてこの事件の調査を開始。
秘密結社イルミナティとの関連性に気づいた彼は、謎に満ちた事件の真相を追う。


~感想~
前作は片手間に観ていたら全くストーリーを把握できなかった知的サスペンスだったが、いちおう続編と銘打った今作は「ヴァチカン市内でナショナル・トレジャー」という大変わかりやすい物語になった。
名所旧跡をめぐっては主人公が即座に暗号を解き、陰謀を暴いていく展開はテンポよく進む。冷静に考えると6時間ちょいで半径500メートルくらいを行ったり来たりしているだけというコンパクトさなのだが、物語のスケールの大きさで、そういった窮屈さや物足りなさは感じさせない。
スケールといえば、カトリック教会の猛反発にあい、ヴァチカン市内の撮影許可が下りず、サン・ピエトロ広場を再現するためCG全盛の現代に、アメフト競技場2つ分もの超巨大セットを組んだというのも豪快な話だ。
本編だけにとどまらず見どころの多い佳作である。


評価:★★★ 6



電人ザボーガー
     


~あらすじ~
世界征服を企む悪の秘密結社シグマに父を殺された大門豊は、父の遺した電人ザボーガーとともに正義を守るため戦う。
だが敵の女幹部ミスボーグとの戦いのさなかに恋心が生じ、そして悲劇は起こった。
25年後、仕事をクビになり糖尿病と腰痛に苦しむ大門豊の前に、シグマの新たな幹部・秋月が現れる。


~感想~
70年代の特撮ドラマ「電人ザボーガー」がなぜか2011年に映画化。
熱心なファンである社長と監督が手を組み、原作愛に溢れた、いや原作愛しか無い怪作が生まれた。

青年編と中年編の二部構成で、青年編ではストーリーこそオリジナルながら、ビジュアルや話の展開は原作のテイストを十二分に残した、チープさ漂う独特の空気感が映える。
原作を一切知らなくても本編終了後のスタッフロールで多くの原作シーンが流されるので安心だし、その忠実過ぎる再現っぷりに度肝を抜かれることだろう。あれもこれもそれも原作通りってどんだけ尖ってんだよ原作。
青年編は全編に渡ってツッコミどころが山のようにひしめくが、手に汗握るバトルと70年代特撮アクションらしい物語とギミックに圧倒され、あっという間に消化される。

続く中年編はすっかり落ちぶれやさぐれた主人公が描かれるオリジナルストーリーだが、むしろ(なぜか)ツッコミの山は後方に下がり、かつてのヒーローの再生を丹念に描いていく普通に熱い物語がもちろん原作をあれこれ忠実にオマージュしつつ展開され、リアルタイムで視聴していた同年代のファンはもちろんのこと、予備知識のない者も燃え上がらせる。

あえて残したチープさや、大半は破天荒な原作のせいだが独特過ぎる世界観で、観る人をある程度は選ぶだろうが、特撮ものに少しでも理解があれば、確実に楽しめるだろう怪作にして快作である。


評価:★★★★ 8



トゥモロー・ワールド
     


~あらすじ~
2027年、人類には子供が誕生しなくなってしまっていた。人類最後の子供も亡くなり、未来を失った世界は荒廃していく。
そんななか、再生の希望の光となる、妊娠をした女性が現れ――。


~感想~
120億円もの巨費を投じた斬新なカット割の技術により、十数分もの長回しに見える映像を生み出した意欲作――なのだが、正直なところ見どころはそれしかないような。
世界観、設定は面白いのだが、それを生かしきることはできず、作品全体に立ち込めた、暗く重い色調とあいまって地味で平板な雰囲気が終始ただよってしまい、受ける印象もまた地味~なものでしかない。
技術と表現にとらわれ、映画としての盛り上がりを失った、策士策におぼれたような作品である。


評価:★★ 4



特攻野郎AチームTHE MOVIE
     


~あらすじ~
1年前――特殊部隊のメンバーから結成されたAチームの面々が、何者かの謀略により無実の罪で逮捕された。
しかしリーダーのハンニバルは、まんまと刑務所からの脱獄し、部下のフェイス、B.A.、マードックと合流する。
かくして復活したAチームは、ハンニバルが編み出す荒唐無稽な作戦のもと、自分たちの名誉を汚した黒幕に迫っていく。


~感想~
原作ドラマは未見だが、噂通りに想像通りの徹頭徹尾アメリカンな展開におなかいっぱい。
アメリカンな野郎どもがアメリカンな会話を交わし、アメリカンな事件をアメリカンな腕力で解決する、むせ返るほどの漢のアクション。こうでなくては!
もう本当に他に何一つ言うべきことのない映画なので、アメリカンLOVEな向きは迷わず観ていただきたい。
それにしてもクイントン・ランペイジ・ジャクソンはいい役者だなあ。


評価:★★★★ 8



トム・ヤム・クン!
     


~あらすじ~
「マッハ!」の監督・主演コンビが新たに手掛けた超絶アクション。
タイ東部の小さな村で象を育てながら暮らす、ムエタイ兵士の末裔たち。しかしある日、2頭の象が密輸組織によってオーストラリアへと連れ去られてしまう。
村の若者カームは象を助けだすため、単身オーストラリアへと向かう。


~感想~
「マッハ!」の正統なる続編。前回は仏像を取り戻すため、今回は象を取り戻すためというシンプルきわまりないストーリー。
漢が戦う理由なんてひとつでいい!

超人的なアクションを披露するだけではなく、4分を超える長回しでトニー・ジャーが次々と悪人を蹴散らしたり、49人もの刺客の骨をトニー・ジャーが見たこともないサブミッションで折りまくったりと見せ方も多彩。
誰か銃持ってこいよ銃!

前作よりも格闘にスポットを当て、トニー・ジャー VS カポエラ使い! トニー・ジャー VS 剣術家! トニー・ジャー VS ネイサン・ジョーンズと見どころ満載!!
飛行機が嫌いでWWEを解雇され、「トロイ」ではブラピに秒殺されたネイサンが暴れまくる!
ヒロインっぽい女やライバルっぽい男は
いつの間にかいなくなってるけど気にするな! CGもワイヤーもなければストーリーもないのが「マッハ!」だ!!

トニー・ジャーと向き合ったらドアを背にするな! ドアを突き破って蹴り込まれるぞ!!

トニー・ジャーと向き合ったら壺を手にするな! 飛び膝で壺ごと壊されるぞ!!


アドレナリンだだ漏れのトニー・ジャー映画。頭からっぽで観るべし。


評価:★★★☆ 7



ドラゴン・キングダム
     


~あらすじ~
カンフーオタクの気弱な青年ジェイソンはギャングに脅され、なじみの質屋を襲撃する羽目に。そしてギャングの凶弾に倒れた老主人から、元の持ち主へ返すようにと金色の棒を託される。しかし、ジェイソンもギャングに追い詰められ、その棒を持ったままビルの屋上から転落してしまう。やがて目を覚ますと、彼は時空を越えて古代の中国に行き着いていた。


~感想~
ジャッキー・チェンとジェット・リーが初競演というだけでファンは必見。チェンは酔拳、リーは小林拳法という確信犯的にベッタベタな役柄で、ストーリーも数多くの武侠映画や神話を織り交ぜた、これまたベッタベタながらも、むしろそれでこそと思わせる豪華さ。二大スターを使うならば、ベッタベタでこそしかるべきなのだ。『リーグ・オブ・レジェンド』や『ヴァン・ヘルシング』など物語の枠を超えた競演はハリウッドでも近年ちらほら見受けられるが、元をたどればカンフー映画が源流だろう。
ぶっちゃけ、二人の競演以外の、ヘタレ主人公(しかもこいつカンフーオタクって設定なのに酔拳すら知らない)の成長とか孫悟空の妖術とか、それ以前にストーリーとかはどうでもよいのだが、たぶん大半の観客もそのへんは一切気にしないだろうから無問題。チェンとリーの直接対決もきちんと用意されているので、二人の活躍を眺められればそれでよし。
欲を言えば……全盛期とまではいかなくてもあと10年早く観たかった!


評価:★★★☆ 7



ドラゴンボールEVOLUTION
     


~あらすじ~
2000年前(!?)ピッコロ大魔王とその弟子の大猿(!?)が世界を危機に陥れた。
しかし7人の勇者(!?)によって封印されたピッコロはよみがえり、再び地球破壊を目論む。
一方、気の修行に励む孫悟空はハイスクール(!?)での冴えない日常(!?)に悩んでいた(!?)。


~感想~
鑑賞後、「つまらない」とか「むかつく」とか「ぶっ殺す」といった負の感情ではなく「……」という虚無の感情にとらわれた。
いまさら断るまでもなくドラゴンボールの実写化としては一から十まで破綻しているのだが、そのくせ魔封波のエフェクトだとか、ピッコロに加担する女の名前がマイだとか、ヤムチャが砂漠の盗賊だとか、そういった原作に無駄に忠実な部分があるにはあるのが、無性に腹が立つ。
変なところをいちいち指摘すると『デビルマン』並に収拾がつかないので、印象深いシーンだけ抜き出すと、
メジャーな技・影鶴拳。煩悩だらけの悟空(たぶん筋斗雲乗れない)。チチはアジア系なのに悟空はアメリカン。気功波が直撃したけどノンダメージなブルマ。どう見ても50代の亀仙人。脈絡もなくくっつくヤムチャとブルマ。ナマステー。かめはめ波は回復呪文。渡辺vs田中。いきなり最終決戦。ちっちゃい大猿。如意棒どこいった。7つの試練をいつ乗り越えた。かめはめ波は体当たり属性。じいちゃんを生き返らせるという発想はない。看病される大魔王。
などなど悪い意味で盛りだくさんの内容かつ『デビルマン』より断然まともな造りなので、どうしても観たいという方を積極的に止めようとは思わない。
でも思ってるほど酷くはないよ、きっと。


評価:なし 0



トランスフォーマー
     


~あらすじと感想~
バカアクション映画の巨匠マイケル・ベイが、あのトランスフォーマーを映画化。
変形! 爆発! 戦争! ダメ男! 爆発! 激突! 変形! 爆発!
それ以外になにを言えばいいのかわからないが、スピルバーグと組もうがマイケル・ベイのスタイルはなにも変わらない。
魅力ゼロのダメ主人公を軸に描く前半こそだれるが、トランスフォーマーたちが40分近く戦いまくるだけの後半が、そういう映画を観たい層にはたまらない。
マイケル・ベイ+トランスフォーマーから想像する映画が観たい向きにはうってつけの作品である。爆発!


評価:★★★ 6



トランスフォーマーリベンジ
     


~あらすじ~
前作から2年、大学生活を送るサムは「キューブ」の破片に触れたことから、奇妙なサインが見えるようになる。それは、古代ピラミッドに秘められた、ある恐るべき暗号を示していた。
一方その頃、絶滅したはずの邪悪なトランスフォーマー・ディセプティコンの生き残りが、無数の仲間を率いて世界各地に侵入を始めるのだった。


~感想~
前作はシリーズの開始ということもあり設定の描写に多くの分量を割き、トランスフォーマーも少数に絞ったため、前半はとにかくだれてしょうがなかったが、今作では「前回あれだけ説明したからもういいよね?」と言わんばかりに、冒頭から問答無用でトランスフォーマー同士が肉弾戦をくり広げる展開で、非常にテンポが良い。
もちろん途中でバカ一家(でも主人公)のどうでもいいドタバタ喜劇が挟まれるのはマイケル・ベイクオリティだが、ベイは自分の長所も短所もよく把握しているようで、シーン一つ一つを切り取って見れば、ツッコミ所が無数にあるのだが、ツッコむ暇を与えないくらいに次々と激しいアクションシーンが、新たなツッコミ所と肩を並べてやってくるので、息つく暇も与えない。
漫画界には同様の作風(?)として、ゆでたまごという御大がいるが、ゆで曰く「先々までストーリーを考えず、その時にこうなったら一番面白い展開を描く」そうだが、マイケル・ベイこそはまさに映画界のゆでたまごである。
ラジー賞の作品部門を受賞したが、それもベイとしては本望だろう。
深い描写なんぞは他人に任せ、外見だけやたらとかっこいい、IQの低い映画をこれからもベイには撮っていって欲しいものだ。


評価:★★★★ 8



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