映画感想-ま行


マッハ!弐!!!
     


~あらすじ~
アユタヤ王国による侵略が進むタイ。東の王国ではクーデターで国王が殺されるが、息子のティンだけが悪名高い山賊のリーダーに救われ、彼らの住む山奥の村で生活することに。
ティンは村に住むありとあらゆる格闘技の達人たちから十数年にわたり教えを受け、やがて最強の戦士へと成長する。


~感想~
これ全然マッハじゃねえ。
主演が同じトニー・ジャーだというだけで、前作とのつながりは皆無。
というかジャンルも時代物になっていて、人間離れした鳥人アクションよりも格闘に重点が置かれ、「トムヤムクン2」と名乗っていればまだしも納得できたような。
トニー・ジャーの武術もムエタイの体系からは外れているし、対戦相手は現実離れした暗器使いばかり。だいたいなぜ中世タイに日本忍者が。
タイでなければ動物愛護協会から即座にクレームがつくだろう、象の体を利用したアクションは斬新だが、とにかく構成に無駄が多く、鑑賞にたえない。
構成が下手なだけならいいが、ヒロインとトニー・ジャーが10分間踊っているだけのシーンを出されても、タイ人ですら楽しめないような。
また壮絶なまでにバッドエンドな結末もあんまりで、「撮影中にトニー・ジャーが失踪した」という洒落にならないエピソードとあいまって、打ち切りマンガのような空気もただよってしまう。
最後のナレーションも今観ると「エルシャダイ」のゲームオーバーみたいで、まるでネタ映画である。
いちおう続編である「マッハ3」の公開も決まっているそうだが、はたして日本での上映・販売はあるのかどうかそれすら心配である。


評価:☆ 1



水霊
     


~あらすじ~
新聞記者、戸隠響子は西東京で多発している不可解な自殺の謎を調べていた。自殺者はみな、異常なのどの渇きを訴え、ある日突然自ら両目を潰して自殺するという共通点を持っていた。調べを進めるなか、事件の背後に水道水が関係していることを突き止めた響子は、"水霊(ミズチ)"あるいは"死に水"と呼ばれる呪われた水の存在にたどり着く。


~感想~
いやー酷い酷い。見るべきところがなんにもない。いくら俳優が熱演しても脚本がこれでは話にならない。
怖がる場面で怖がらず、怖がらせる場面で怖がらせない。挙句の果てに盛り上がらせるべき場面はごっそりカット。駄目なホラーの見本としては格好の教材では。
人物造形もむちゃくちゃ。別れた夫に「水道水に自殺をうながすウィルスが入っているのよ」と詰め寄り、前夫が「科学者としてはそんなウィルスは認められない」と応じると「
あなたっていつもそう!!」というやりとりには目が点になった。なんだこれ。
作品よりも脚本がホラーというまさに駄目映画でした。


評価:なし 0



ミスト
     


~あらすじ~
田舎町を襲った激しい嵐の翌日、デヴィッドは湖の向こう岸に発生した異様に深い霧に懸念を抱きながらも息子とともにスーパーマーケットへ買い出しに出かけた。
その濃い霧はやがてマーケットに迫り、ついには町全体を飲み込むように覆っていく。


~感想~
こ れ は 酷 い。
といっても映画として酷いのではなく、結末が容赦なく酷すぎる。
「酷い」と書いて「むごい」と読むのが正しく、それまではいたってシンプルな、未知のモンスターに襲われるパニック・ムービーとして展開してきたストーリーが、ラスト5分で映画史に残るような最凶に後味の悪い結末を迎え、ダウナーな気分に陥ること請け合い。
なんでも原作とは全く違う結末だが、原作者のキングは「俺もこのラストにすればよかったぜ!」と残念がっていたそうな。
本当に恐ろしく、歴史上で無数の悲劇を生んできたのは、未知の暴力や暴走した宗教ではなく、判断力のないヒーローなのだなあ。


評価:★★★ 6



ミッション・インポッシブル
     


~あらすじ~
スパイ組織IMFのイーサンは、仲間とともに東欧で作戦に当たるが……。


~感想~
ごめん、ちょっとなめてた。
トム・クルーズが嫌われてるのか、映画マニア(笑)がコケにしているのか、あまり評判のかんばしくないシリーズで敬遠していたのだが、これはスパイ映画の大傑作ではないだろうか。
いまさらこの映画を紹介するのもアレなのだが、冒頭の意外な展開には驚いたし、中盤の潜入作戦はうまいし、どんでん返しも決まり、ラストの大立ち回りも熱く、非の打ち所がない。
まさにスパイ映画のお手本といった感じで、万人が楽しめる傑作である。


評価:★★★★☆ 9



M:I-2
     


~あらすじ~
ジョン・ウー監督によるシリーズ第2作。
休暇中のイーサンのもとに緊急指令が下った。それはテロ集団に奪われた致死細菌"キメラ"の奪回。早速新チームが編成されるが、そこには見知らぬ女盗賊・ナイアの名があった。不審に思いながら、イーサンは彼女に接近を図る。


~感想~
よくも悪くもジョン・ウー作品に仕上がっている。
いつからイーサンは中国武術の達人になったんだろうと思うような、激しい格闘はもちろんのこと、お約束の二丁拳銃、多用されるスロー演出、舞い上がる白いハトと、もうお腹いっぱい。
なんだかスパイ映画というより「沈黙のミッション・インポッシブル」とか「イーサン無双」と呼ぶべき無敵っぷりで、そういえばせっかくチームを組んでいるのに、イーサン以外は運転手とハッカーとヒロインという取り合わせで、そりゃあイーサンが一人で暴れるしかないよなと納得したりしなかったり。
ともあれアクション映画としては(MI2である必要がまるでないのだが)普通に面白い作品である。


評価:★★★☆ 7



ミュンヘン
     


~あらすじ~
スティーヴン・スピルバーグ監督が、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程をドキュメンタリー・タッチで描いた作品。
1972年9月、パレスチナのテロリスト集団がイスラエルの選手村を襲撃、11名が犠牲となる悲劇が起きる。
これに対しイスラエル政府はパレスチナ幹部の暗殺を決定、諜報機関"モサド"の精鋭5人による暗殺チームを秘密裏に組織する……。


~感想~
重厚というかとにかく地味。これだけ地味だと「本でいいじゃん」という気がしてくる。
しかしゲリラにも暗殺者にもそれぞれの家族があり、それぞれの生活があるという当たり前のことを丹念に描いたのは好感。
それにしても、暗殺チームはターゲットの家族や周囲の無関係な人々を巻き込まないように腐心しているというのに、昨今のテロはまさにその家族や無関係な人々をこそターゲットにしているのだから、どうしようもないと思わせる。
ラストシーン、予想通りに映し出されるアレが、アレがもはやCGでしか描けないという事実が、エンディングをさらに暗く、絶望的なものに感じさせる。
スピルバーグがいくら辣腕をふるおうとも、やはり現実はなによりも強く胸に迫るのだ。


評価:★☆ 3



ミラーズ
     


~あらすじ~
大火災で廃屋と化したデパートの夜警を勤めることになった元刑事のベンは、警備中にその建物の中にある不気味な鏡に触れてしまう。
突如として鏡に映る奇怪なイメージやメッセージ。続発する原因不明の死亡事件。焼けただれたデパートの呪われた過去。最愛の家族まで危険にさらしてしまうベンは、鏡をめぐる忌まわしい秘密を解き明かさねばならなくなる。


~感想~
要するにテレビが鏡に変わっただけの『リング』なのだが、アメリカが製作しキーファ・サザーランドが主演するだけでグロホラー映画がB級アクションになってしまうのが困ったところ。
後半になるにつれキーファの陰から
ジャック・バウアーが顔をのぞかせ、
「クソぉっ!!」
「俺は暴力に訴えたくない!!」
「撃たれたくなければ言うとおりにしろ!!」

と完全に『24』の世界に突入。こうなってしまっては当然のごとく、最後は
ラスボス VS バウアーの壮絶な一騎打ちに。
拳銃一丁でラスボス(ちなみに正体はアメリカらしく悪魔だ)と渡り合い、爆風に吹き飛ばされながらも勝利を収める我らがバウアーの勇姿に涙が止まらない。
すごいね、銃社会
さすがは『リング2』で
貞子を井戸の中に閉じ込めて退治したハリウッドホラー、前半あれだけがんばってホラーっぽい雰囲気を出したのはなんだったんだろうか。
そんなわけで『24』ファンでグロ耐性のあるホラー好きなら楽しめるのかもしれないバカ映画である。


評価:★☆ 3



ミラーズ 2
     


~あらすじ~
父親の勧めでビルの夜間警備員として働くことになったマックス。ある夜、彼は勤務先で鏡に映る不気味な少女を目撃する。
以降、そのビルで働く社員が惨殺される事件が立て続けに発生。自分の家族に危険が迫っていることを知った彼は、謎の解明に奔走し、ビル設立の背後に隠された恐ろしい真実を知ることに……。

~感想~
前作はジャック・バウアー VS 悪魔というバカ要素と、必要以上にグロい描写で個性を出していたが、第二弾となる今作は起承転結をしっかりと付けたせいで、逆に個性のない映画になってしまった。
グロ描写だけは健在だが、ハリウッドホラーらしからぬ、原因があって結果があるきちんとした流れが、観終わってなんの印象も残さないのはネック。
どんでん返しのない韓流ホラーでも観ているような気分で、感想を書くことすら難しい。ハリウッドホラーがアジアに追いつくのはまだまだ先のことだろう。


評価:★★ 4



モーテル
     


~あらすじ~
車の故障によって、やむなく人里離れたモーテルに泊まることになった離婚寸前のデビッドとエイミー。
テレビの横でほこりを被ったビデオテープをなにげなく再生すると、映し出されたのはまさにいま泊まっているこの部屋で殺人が行われている光景。
二人は今も回り続けるカメラを発見し、そこから逃げなければ自分たちが次の被害者になると知る。


~感想~
↑のあらすじから予想される物語から、一歩たりとも想像の外に出ない、ある意味堅実な映画で、ありがちな主人公がありがちな事件に巻き込まれ、ありがちな逃避行の末にありがちな結末を迎える、予定調和にあふれた作品である。
そのありがちっぷりが実に歯がゆく、当然のごとく主人公の夫婦はそろってバカで、犯人グループはもっとバカなのだが、そのバカっぷりもネタにできるほどのレベルではないため、「普通のホラーでした」という感想以外に書くべきことのない、いたって後腐れのない内容なのだ。
このように作品自体にはなんら驚くべきものはないのだが、ただひとつだけ脚本を仕上げるのに
8年かかったという事実だけが異常事態である。
再三くり返すが、こんな平凡な映画に8年もかけるところがあるのだろうか。かけた形跡も見当たらないし、かけるべきところもさっぱりわからない。
「なんで?」と首をかしげるしかない。小器用な作家ならたぶん8日で書ける台本だと思うけどな……。
もしかしたら、ほっしゃんがネタにしている「ぼくは芸歴17年ですけど、R-1勝つ前は
ギュッと圧縮したら4ヶ月くらいになりますよ」と同じことだろうか。


評価:★★☆ 5



モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦
     


~あらすじ~
サイクロプス、ウィッチビッチ、レディ・ヴァンパイア、マミー、スワンプ・ガット、ウェアウルフ、フランケンシュタイン、ゾンビマン……世界中から集められた8体の怪物がリングの上で雌雄を決する!


~感想~
B級を志した全力のダメ映画なので遠慮なく以下↓ネタバレ↓

設定は適当だ。世界に散らばる怪物をどうやって見つけ出したのかは特に語られず、モンスターらがわざわざ命を賭けてまで戦う理由も特にない。
トーナメントと銘打ちながら実際にトーナメント戦を行うのはヘビー級の4体だけで、ミドル級の4体はタイトル戦と冠されながらもベルトは無いし勝ち上がった2体で戦うこともない。
WWFでマネージャーとして活躍したジミー・ハートが本人役でリングアナを務め、UFCのレフェリーであるハーブ・ディーンが試合を裁き(※ただし1試合目で死ぬ)、B級テイストあふれる雑な選手紹介でリングに上ったモンスターらが、特殊能力を駆使するわけでもないプロレス技で戦うさまはインディー団体のハロウィン興行さながら。そういえばWWE版のECWも初期はヴァンパイアとかゾンビが戦ってたっけ。

ざっと試合内容を振り返ると、第一試合は無能なセコンドに「黒魔術を捨ててファイターになれ」とアドバイスされたため
ただのババアになったウィッチ・ビッチが、サイクロプス(なんでお前がミドル級なんだ)のオプティックブラストで焼き殺される。未来視もできるしたぶんこいつが一番強い。
二試合目はレディ・ヴァンパイアがマミーに
ヘル・アンド・ヘブンを浴びせて心臓をつかみ出す。(普通はミイラ化させる前に内蔵は摘出するなんて常識を知っているスタッフはいない
三試合目は一体だけドマイナーな沼の怪物スワンプ・ガットがウェアウルフのフライングボディプレスで圧殺され、四試合目は明らかにセコンドのケビン・ナッシュ(元WWFヘビー級王者)のほうが強そうなゾンビマンがフランケン(中の人は元レスラー)に軽くひねられる。

そして迎えた決勝戦、勝ち上がったウェアウルフとフランケンのどちらが栄冠に輝いたかは
ぜひみなさんの目で確かめて欲しい
5試合の中で最も盛り上がりに欠ける挙句、台無しな結末を迎えるけどな。
※ヒント:ラストは
ケビン・ナッシュがゾンビ化してチャンピオンに襲いかかる

西口プロレスのほうが百倍は面白い、着ぐるみ学生プロレス映画なので、よほどの物好きでなければ観るだけ時間の無駄である。


評価:★ 2



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