朶思大王  南蛮一の知恵者?



朶思大王(だしだいおう)字は不明
南中の人(??~225)

南中の大王。「演義」オリジナルキャラ。
「南蛮一の知恵者」の異名を持つ。

すでに諸葛亮に4度敗れた孟獲は、弟の紹介で朶思大王を頼った。
自身の住む禿竜洞に至る道には、4つの毒泉があり、蜀軍は水にあたって全滅するだろうと、およそ知恵者とは思えない、というか単なる物知り(厳密には自分ちの近所のことを話しているだけで物知りですらない)ではないだろうかという楽観的な意見を述べた。
たしかに蜀軍は毒泉に苦しんだが、孟獲の兄・孟節(もうせつ)の援助により蜀軍は禿竜洞にたどり着いてしまった。
知恵者のはずの大王に他の策はなく、それどころか諸葛亮の密命を帯びた楊鋒(ようほう)の裏切りを見抜けず、簡単に捕縛された。
その後も孟獲に同行して蜀軍と戦うが、知恵者らしさは少しも発揮されないまま、あっさりと戦死した。

知恵者と言ってもきっと、脳筋ぞろいの南蛮軍の中では比較的マシな馬鹿だっただけで、ちょっと利口な馬鹿を尊敬の眼差しで見る大馬鹿どもに「知恵者知恵者」ともてはやされていただけなのだろう。

「吉川三国志」・「横山三国志」では朶思王と略されがち。