鮑三娘  花関索の妻



鮑三娘(ほうさんじょう)
出身地不明(??~??)

「正史」、「演義」には登場せず、関羽の架空の三男・関索を主人公とした「花関索伝」にのみ登場する。

容姿と武芸に優れ多くの男に言い寄られたが、自分より強い男としか結婚しないと言い放っていた。
放浪中の関索は彼女の噂を聞きつけて挑戦し、見事に勝利を収めた。
鮑三娘は関索の強さと、畏敬する関羽の息子だということに惚れ込み求婚し、晴れて夫婦となった。

その後はともに劉備軍で活躍するが、南中討伐にあたって鮑三娘は関索の側室たちとともに留守を命じられた。
関索は未練を残すが鮑三娘は「国の大事に何を言っているのか」と激励して送り出すも、関索はあえなく戦死を遂げた。
その後の鮑三娘は留守を守って討ち死にしたとも病没したともされる。

なお「演義」での関索は南中討伐で初登場し、特にこれといった活躍はしないが戦死もしておらず、自分が主人公の話の方が悲劇的な結末を迎えるという逆転現象が面白い。
また初登場の際には鮑三娘の実家である鮑家荘で療養していたと語られており「花関索伝」との薄いつながりも見える。

他の京劇などでは「鮑三娘が関索を倒し婿に迎えた」や「妖怪の鮑三娘を神の関索が討伐し結婚した」等さまざまなパターンがあり、架空の人物にもかかわらず鮑三娘の墓も現存する。