袁隗　　袁紹の偉い叔父



袁隗（えんかい）字は次陽（じよう）
豫州汝南郡汝陽県の人（？？～190）

後漢の臣。
袁紹の叔父。

袁紹は生まれてすぐに父を亡くし、袁隗と兄の袁逢（えんほう）は彼を慈しんだ。
成長すると天下に名を知られた人物とのみ付き合い、三公の招聘に応じなかったため、絶大な権力を持っていた宦官の趙忠（ちょうちゅう）は「じっとしたまま声望を高め、お召しにも応じず命知らずの連中を飼っている。この小僧は何をするつもりだ」と危惧した。
袁隗はそれを耳にすると「お前は今に我が一族を滅ぼすぞ」と叱りつけ、袁紹を出仕させた。（『袁紹伝』）

司徒の袁隗は董卓を招聘し掾とした。（『董卓伝』）

太傅の袁隗は張範（ちょうはん）を娘婿に迎えようとしたが固辞された。（『張範伝』）

189年、董卓は少帝を廃位しようと考え、袁紹に相談した。
袁紹は「重大事なので太傅（袁隗）と相談します」と退出し、そのまま冀州へ逃亡した。董卓は少帝を廃し献帝を即位させた。

190年、袁紹は兵を集めて董卓討伐軍を結成したため、董卓は都にいた袁隗ら袁一族を皆殺しにした。
挙兵に応じた人々は皆、袁隗の仇討ちを大義名分とした。（『袁紹伝』）

袁術は袁紹へ送った書簡で「袁隗は慈しみ深く哀れみの情の深い方で、董卓に殺されるとわかっていながら、信を貫き義に殉じ、朝廷から去るのに忍び難かったため命を落とした」と述べた。（『袁術伝』）

公孫瓚（こうそんさん）は袁紹と敵対すると、上表してその罪を数え上げ「叔父や兄に連絡せず挙兵したため、袁隗や袁基（えんき）は一日で殺された。仁愛も孝心も無い」と非難した。（『公孫瓚伝』）