飛鳥部勝則 / バラバの方を
~あらすじ~ 私設美術館を落成した画家の開館式の夜に凄惨な事件は起こった。
作品を密かに代作させられている売れない画家、貪欲な弟、画家の娘からのいじめを苦に自決した少女の父親、予告状を受け取った記者…。
癖の強い来客たちの眼前に、まるで宗教画のような死体の山が現れる。
~感想~
先ごろ22年ぶりに復刊した作品だが、自分は某ブックオフでノベルス版を手に入れていたのでそれを今さら読了。同ブックオフにはかつて復刊前の「堕天使拷問刑」もあったので近所に絶版を平気で売る飛鳥部勝則ファンが住んでいる。
自作の絵画も付された初期作品群の系譜で、事件現場こそ舞城王太郎くらいハジケてるものの、内容そのものは後年はっちゃける飛鳥部作品としてはおとなしめ。
もちろん飛鳥部作品なので急に蛇女との情事を語りだす変態ジジイがモブとして現れたり、事件発覚時にはとんでもないことが起こったと予告され続け、終盤明らかになったその一つが「おっさんカンフーマスター同士の決闘」で最新作「封鎖館の魔」でも描かれた華麗なライダーキックも披露されたのには爆笑したが、もったいぶったわりに動機も真相も控えめで派手な事件なのにミステリとして見どころはあまり多くない。
タイトルに採られたバラバは初耳で、ダンス・マカブルについての講釈も面白かったし、明後日の方向へ飛んでいったラストもそれはそれで良かったが、復刊された単行本版の価格が税込3,080円と聞くと、ノベルス版を入手しておいてよかったと思ってしまうのは否めない。
26.3.17 評価:★★☆ 5
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