霞 流一


おなじ墓のムジナ
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~あらすじ~
商店街の入り口に瀬戸物のタヌキが置かれていたり、
頼みもしないタヌキそばが10杯も書店に出前されたり。
町内会を襲う(?)タヌキづくしの珍事は、やがて連続殺人へと発展し…。


~感想~
バカミスの大家の作品だけに期待したが、いたって正統派なフーダニット。
論理につぐ論理で丹念に事件を解き明かしていく様は、いにしえの名作を思い起こさせる気も。
脇を固める小気味いい描写や会話は、爆笑こそないものの華を添え、テンポを盛りあげる。
だが、裏の真相が陰惨だったり、推理の過程がガッチガチに過ぎて、作風に合っていないと感じるのも事実。
悪くはないが、あまり印象には残らない佳作。
筆力は妙に高くスラスラ読めるので、読んで損はしません。


評価:★★☆ 5



フォックスの死劇
   


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ミステリークラブ
     


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赤き死の炎馬
   


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オクトパスキラー8号
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屍島
     


未作成



スティームタイガーの死走
   


~あらすじ~
構想だけで製造されなかった幻の蒸気機関車「C63」を現代によみがえらせ、線路を走らせる――。
夢のような鉄道の旅に集まった一癖も二癖もある乗客たち。
だが鉄道ジャックに遭い、列車の内外に次々と死体が現れ、ついには機関車が姿を消した!?

~感想~
2001年このミスで4位にランクインした良作。できれば先入観を持たないためこんな駄感想は読まずに本書を手にとっていただきたい。

ゲーム「刻命館」に例えるべき死体をおもちゃにするような豪快な物理トリックと、タイトルに込めた動物雑学でおなじみの作者だが、今回はどちらもやや薄味。
作者は当初、作中の時間経過と現実の読書時間の経過が同じになるよう目論んでいたそうで、次から次へと事件が起こり、大した手掛かりも得ていないはずの探偵役が片っ端からそれを解決する展開はスピード感抜群。
しかし早いのはいいが、どの事件もトリックも小粒で、これでなぜこのミス4位なのかと首をかしげてしまう。
だが本番は表に見えていた事件が片付きエピローグに入ってから。予想だにしていなかった仕掛けが一つ二つ三つ四つと次々と顔を出し、あ然とさせられた。スピード感あふれる展開はこれらを隠すための目くらましだったのだ。

むやみに明るいエンディングにあんなトリックやこんなトリックが惜しげもなく絡み、中盤に単なる小ネタのように語られた雑学を最後の最後に伏線回収。そして物語が幕を閉じてから教えられる、作品全体に張られていた意外過ぎる仕掛け。
はっきり言ってこれらのほとんどは、本筋の事件に関わらない余談のようなものだ。だが本筋と余談を主客転倒させたような構成、終盤のトリックの連打には完全に意表をつかれた。
「霞お兄さんの死体を飛ばそう」のコーナーだけではない作者の底力を見せつけられた。霞流一の代表作の一つに挙げられるだろう。


13.8.30
評価:★★★★ 8



牙王城の殺劇
     


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首断ち六地蔵
   


~あらすじ~
悪質なカルト集団を取り締まる特殊法人・寺社捜査局に勤める魚間岳士は、
六地蔵の首が持ち去られた事件を追っていた。
ところが、首が発見されるたび、そこには奇怪な殺人事件がついてきて……。


~感想~
連作短編集。
バカだ。とにかくバカだ。
表紙に書かれた「ど本格」という言葉に騙されてはいけない。
これは“バカミスの大家”として名高い氏の面目躍如。
次々と起こるバカな事件がバカな解決を迎え、最後には「これぞ連作」というべきどんでん返しが起こってくれる。
造りは粗いが勢いのある、無駄にありすぎるケッサク(非・傑作)短編集。


03.4.15
評価:★★★☆ 7



デッド・ロブスター
     


~あらすじ~
劇団「建光新団」宛に送られてきた恵比寿様の像。送り主は2週間前に溺死した俳優だった。
劇団内に不穏な空気が流れる中、起こってしまった殺人事件。現場には足跡がなく、死体は逆エビ固めをかけられたがごとく、背骨がへし折れていた。
さらに続発する不可能殺人を、迷探偵・紅門福助は切り崩せるか。


~感想~
「霞お兄さんの死体ゴラスイッチ」……もとい殺人トリックを、何度となくゲーム「刻命館」に例えてきたが、今回はむしろ刻命館を意識したような雰囲気すら漂う。
よくもまあこんなトンデモな仕掛けを思いつくと感心するしかない奇想天外な物理トリックはあいかわらず。一方で推理は、消去法を用いた論理的なものなのだが、事件の裏に潜むある秘密を探偵が知ったとたん、その秘密から解けるのは一つの事件だけのはずなのに、解決パートになだれ込んで、他の事件まで一気呵成に解決してしまうという無理やりさに吹いた。
たいして多くない分量なのに、エビ雑学やギャグの応酬(というかダジャレだらけの茶々入れ)をふんだんに盛りこむから、ページ数が足りなくなったのではと思えてしまう。
そういえば「生き物雑学」「必要以上に多いギャグ」「物理トリック」と、汀こるもの大明神と霞流一は共通点が多いな……。


11.2.27
評価:★★★ 6



呪い亀
     


未作成



火の鶏
     


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ウサギの乱
     


未作成



おさかな棺
     


~あらすじ~
迷探偵・紅門福助のもとに奇天烈な依頼が飛び込んできた。
依頼人の別れた夫が、セーラー服を着たまま、車に轢かれたというのだ。
紅門は予備校講師・柏葉に話を聞くがその夜、柏葉は首が切断された死体として発見される。
容疑者はリストラされた元講師。果たして“首切り”の復讐のため、柏葉の「お頭」を切断したのか?


~感想~
連作短編集。
とはいえ最後の逆転はいまひとつ薄い。
事件はバカだがトリックは意外と秀逸で、飽かせずぐいぐいと引っぱってくれる。
例によって妙に味のある筆力と、嫌にしっかりとしたミステリ的骨格が氏の強み。
読後感はちゃんとしたミステリを読んだ気分にさせてくれる。
なにはともあれ、作中で食される料理を食べたくなった。


評価:★★★ 6



浪人街外伝
     


未作成



羊の秘
   


~あらすじ~
ミイラのように全身を覆う白い紙、口には矢印形の磁石……。土蔵に横たわった謎だらけの死体。事件の周辺で次々と見つかる羊の暗合。
絞殺された男は夢を表現するグループの一員であり、かつて会員の少女が、謎の羊男の写真を残して自殺していた……。


~感想~
ふくらむぞドリーム! 燃え尽きるほどフレーム! 響け、地底のスクリーム!

ジョジョファンのはしくれとしては、この法月綸太郎の推薦文句を紹介すれば他に言うことはないのだが、いちおう蛇足を。
本書は動物をテーマに据えた「獣道ミステリ」の一作であり、どこを切っても羊の顔が出てくる金太郎飴さながらの羊ミステリである。
作者ならではの羊ウンチクの数々とバカトリックは期待通りで、お楽しみの「霞おにいさんの死体でできるかな?のコーナー」……もとい物理トリックもあいかわらずのすさまじさで、「Aerial Hit Bonus!!」とか飛びだしそうな光景はやはり刻命館を思い出させる。今回は何ヒットコンボですか?
「霞ミステリが読みたい」という禁断症状に陥った患者にはうってつけの一冊といえよう。


07.12.9
評価:★★★☆ 7



サル知恵の輪
     


未作成



プラットホームに吠える
   


~あらすじ~
警察内部の広報誌を編集しているアキラと、ライターで元捜査一課警部の祖父・ヒタロー爺。
二人が遭遇した奇妙な墜落死事件の背後には、被害者の悪評と、その姉の非業の死、そしてなぜか狛犬の姿が見え隠れしていた。
上りと下りの列車がともに停車した一瞬の間に、プラットホームではなにが起こったのか?
鉄道ミステリとギロチン密室が融合する!


~感想~
うぉーしっしっー!

全編に吹き荒れる脱力ギャグの嵐、霞ワールドとしか形容しようのない言葉遊び、というかダジャレの応酬は、嫌な意味で敷居が高い。
お楽しみの「霞お兄さんの死体で遊ぼう!のコーナー」……もとい解決編は、期待に違わぬすさまじさ。
ゲーム『影牢』を思いだすような物理トリックがグロ面白い。何ヒットコンボですかこれは?
豪快なこじつけでくり広げられる、狛犬をめぐる暗合の数々に、圧倒されつつも煙に巻かれる。なにもかも異色の鉄道(?)ミステリの新世紀(?)。


06.7.29
評価:★★★ 6



夕陽はかえる
     


~あらすじ~
日本の裏で暗躍する暗殺者の組織「影(えい)ジェント」。
腕利きの影ジェントのカエルが暗殺され、ビルの装飾に串刺しにされる。
影ジェントの瀬見塚はカエルの遺族に依頼され、自身も嫌疑を掛けられたため犯人を探すが、東京戦争と呼ばれる暗殺者同士の戦いに巻き込まれる。

2007年このミス9位、本ミス8位

~感想~
参考文献に都筑道夫「なめくじに聞いてみろ」を挙げている通り、暗殺者たちの奇想天外な得物や戦いぶりがまず見どころ。「なめくじ」は凶器(暗器)探しがメインだが、本作では職業に沿った得物で戦うため暗器に意外性は少ないが、決着方法に工夫を凝らし、単純に戦い自体が面白い。
また設定が非常に凝っていて、影ジェントを筆頭に作者お得意のダジャレが連発され、暗殺組織設立の裏にはある世界的に有名な史実まで絡ませている。
中盤には本格ミステリそのものの密室殺人事件が起こり、期待通りにこの奇抜な設定と密接に関わるトリックが潜み、終盤にはほとんど伏線皆無ながらあっと驚くトリックも炸裂する。
肝心のカエル暗殺事件の謎解きや、ラストバトルがあっさり終わるのは拍子抜けなものの、最後の最後に明かされる因縁がまた意表を突くもので、ミステリとして飛び抜けている点は特に無いが、エンタメ作品としては及第点を優に超える佳作であろう。


18.3.31
評価:★★★ 6



死写室
   


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ロング・ドッグ・バイ
   


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災転
     


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スパイダーZ
     


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落日のコンドル
     


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奇動捜査 ウルフォース
     


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フライプレイ! 監棺館殺人事件
     


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独捜! 警視庁愉快犯対策ファイル
     


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パズラクション
     


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エフェクトラ 紅門福助最厄の事件
     


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スカーフェイク 暗黒街の殺人
     


~あらすじ~
3つのマフィアがしのぎを削る港町で、名うての侠客・鮫肌の哲が何者かに密室で殺された。
鮫肌の哲を殺したとあらば名を上げられると、マフィアたちはこぞって犯人に立候補。
真犯人を突き止めるよう依頼された探偵・邪無吾は犯人候補のトリックを一刀両断していく。

2025年本ミス6位

~感想~
設定からして井上真偽「その可能性はすでに考えた」シリーズを思い出すが、内容もかなり近い。
犯人候補らのトリックは既に邪無吾が検討済みであり、時には物証から、時には動機からと様々な観点から矛盾を拾い上げては鎧袖一触で粉砕していく。
「その可能性」との差異は偽トリックを看破された犯人候補との霞作品らしいバトルと、会話に織り交ぜられた霞作品らしいしょうもないダジャレだけ……ではなく、明確にある仕掛けが隠されており、それもまた秀逸。多重解決ジャンルにありがちな肝心の真相がしょぼいこともなく、徹頭徹尾よく出来た作品であり、ぜひ本ミスでいいところまで行って欲しいと願う。


25.11.11
評価:★★★★ 8



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