天藤 真


陽気な容疑者たち
   


~あらすじ~
山奥に武家屋敷さながらの旧家を構える社長が、まさに蟻の這い出る隙もないような鉄壁の密室の中で急死した。
その被害者を取り巻く陽気な容疑者たち。事件の渦中に巻き込まれた計理士は、果たして無事、真相にたどり着くことができるだろうか。


~感想~
才人のデビュー作はさすがの出来。
トリックこそ物理づくしだが、伏線のばらまき方に隠し方、天藤ミステリの特徴たる軽妙さは抜群。
終わってみれば(ややネタバレ→)
英雄譚 という構成も面白い。
天藤真に期待するものがデビュー当時からそろっているのだから驚かされる。


10.4.2
評価:★★★ 6



死の内幕
   


~あらすじ~
内縁の妻たちで結成された「IGグループ」。メンバーの一人・小田ます子が別れ話を持ちかけた内縁の夫を突き飛ばし死なせてしまう。
ます子をかばうためIGグループは架空の犯人をでっち上げるが、偶然にもその犯人に瓜二つの男が実在して……。


~感想~
誘拐された人質が逆に犯人グループを率いて大立ち回りを演じる歴史的傑作「大誘拐」にも通じる、設定の時点ですでに面白いといういかにもな天藤真らしさ。
だが初長編とあってか設定から期待される以上のものはなく、真相・結末・キャラ造型はいずれも及第点止まり。
「力を付けてからの作者が書いていれば化ける」作品であることは間違いないが、少々物足りなかった。
あと寺井はどう考えても内縁の夫じゃないよね。


14.11.7
評価:★★☆ 5



鈍い球音
   


~あらすじ~
日本シリーズを目前に控えた監督が、東京タワーで不可解な失踪を遂げた。
にわかに白熱化する日本シリーズの真っただ中、今度は代理監督が蒸発してしまった。
事件の陰に潜む黒い陰謀を暴こうと、新聞記者や監督の娘・比奈子が奔走するが……。


~感想~
創元推理文庫版の解説では倉知淳が古びない名作だと賞賛しているが、さすがに古い。
野球の試合経過ひとつ、継投ひとつ取っても現代からは考えられないものであり、フェミニストや女性読者が眉をひそめそうなほど女性描写もまた古い。
天藤ミステリらしい軽妙さもいまいちで、巨悪が裏に潜む陰謀譚もあまりに事が都合よく動きすぎで物足りない。
驚異的な高打率を誇る天藤作品としてはいまひとつ、といったところ。


11.1.29
評価:★★☆ 5



皆殺しパーティ
     


未作成



殺しへの招待
     


1973年日本推理作家協会賞候補、東西ベスト(1985)98位



わが師はサタン
     


未作成



炎の背景
     


未作成



死角に消えた殺人者
   


未作成



大誘拐
     
   


~あらすじ~
三度目の刑期を終えたスリ師の健次は身代金目当ての誘拐を企む。雑居房で知り合った正義、平太を仲間に、標的は日本屈指の大地主・柳川とし刀自。
しかし熟考を重ねた計画は人質のはずの刀自に振り回されはじめ……。

1978年日本推理作家協会賞、文春2位、東西ベスト(1985)12位、東西ベスト(2012)7位、本格ベスト35位

~感想~
柳川としというキャラ、そして誘拐団を率いる人質という設定を考えついた時点で勝利は確定。
捜査陣と誘拐団の、人質自らが知恵を絞った奇抜な作戦の対決は、刀自をただの人質と信じて疑わない捜査陣の思惑のズレとあいまって非常に楽しい。
作者ならではの笑いのセンスが最高のキャラを得て爆発し、誰も幸せになれないはずの誘拐で、心温まる結末を描いて見せた。
誘拐ミステリというジャンルに留まらない大傑作である。


07.12.26
評価:★★★★☆ 9



絶命詞 自選推理小説集
       


未作成



善人たちの夜
   


未作成



遠きに目ありて
   


~収録作品~
生まれつき、重度の脳性マヒのためほとんど全身の自由がきかず、
重い言語障害も抱えた車イスの少年・信一。
しかし彼はわずかに動く左手でタイプライターを打ち、
友人の真名部警部が持ち込んだ未解決事件を次々と筆談で解いてしまう安楽椅子探偵だった。

多すぎる証人
宙を飛ぶ死
出口のない街
見えない白い手
完全な不在

1981年文春3位、本格ベスト17位

~感想~
日本ミステリ史上に燦然と輝く、安楽椅子探偵物の大傑作。他に言うべきことはなし!


00.7.10
評価:★★★★☆ 9



闇からの狙撃者
       


未作成



あたしと真夏とスパイ
       


未作成



犯罪講師
       


未作成



雲の中の証人(1983年)
       


未作成



完全なる離婚
       


未作成



日曜日は殺しの日
       


未作成



極楽案内
       


未作成



日曜探偵
       


未作成



もだんミステリーワールド(10) 天藤真集
       


未作成



親友記
     


~収録作品~
親友記
塔の家の三人の女
なんとなんと
犯罪講師
鷹と鳶
夫婦悪日
穴物語
声は死と共に
誓いの週末


~感想~
『親友記』
たくみな逆転に舌を巻く。

『塔の家の三人の女』
意外な犯人、という点では古今でも上位か。

『なんとなんと』
発表誌が発表誌だけに……。

『犯罪講師』
あの『ダイヤル7』・『カニバリズム小論』はこれの模倣に過ぎなかったのか? 誘拐物の中でも抜きんでた逸品。

『鷹と鳶』
終末の情景がまざまざと目に浮かぶ。これで受賞? と思うのはいつものことだが。

『夫婦悪日』
解りづらし。

『穴物語』
氏の持ち味たる軽妙さが全開。

『声は死と共に』
2時間ドラマ的で楽しめず。

『誓いの週末(ウイークエンド)』
これがジュヴナイルとは恐れ入った。低年齢層が照準だけに謎も状況も明確。それでいて伏線の妙味は絶品。これぞミステリ。傑作!


01.6.26
評価:★★★☆ 7



星を拾う男たち
     


~収録作品~
天然色アリバイ
共謀者
目撃者
誘拐者
白い火のゆくえ
極楽案内
星を拾う男たち
日本KKK案内
密告者
重ねて四つ
三匹の虻


~感想~
『天然色アリバイ』
最後の逆転・皮肉が見事。

『共謀者』
巧妙。

『目撃者』
結末の皮肉さだけが見るべきところか。

『誘拐者』
初出が初出だけに……。

『白い火のゆくえ』
まさに“悪銭身に付かず”。

『極楽案内』
トリックがいまいち解りづらい。

『星を拾う男たち』
傑作。ゆすりの展開など巧妙絶技。

『日本KKK案内』
大団円……なのか?

『密告者』
結末がややあっけない。

『重ねて四つ』
ミステリ……と呼べるかは微妙だが軽妙なスラップスティック。

『三匹の虻』
本書中の二大巨頭。逆転逆転再逆転の展開に見事の一言。


01.5.5
評価:★★★★ 8



われら殺人者
     


~収録作品~
夜は三度死の時を鳴らす
金瓶梅殺人事件
白昼の恐怖
幻の呼ぶ声
完全なる離婚
恐怖の山荘
袋小路
われら殺人者
真説・赤城山
崖下の家
悪徳の果て


~感想~
『夜は三度死の時を鳴らす』
現代では(ネタバレ→)
振り子時計の仕組み は解りづらい。

『金瓶梅殺人事件』
結末が豪快。終盤前に解決が見えたのが惜しい。

『白昼の恐怖』
あっけなさすぎる。あと(ネタバレ?→)
「おれの映画~」云々のセリフ が不可解なんですが、僕の理解力不足?

『幻の呼ぶ声』
子供にこそ本物を、という信念なのだろうか? この媒体に発表するのは、俗物にはもったいなく思えてならない傑作。とにかく日の目を見て良かった。

『完全なる離婚』
どこぞで見たような結末。つまり、その元祖だろう。

『恐怖の山荘』
こちらは逆に、いかにも子供向けといった出来。

『袋小路』
趣向がいい。あとすこし煮詰められていれば……惜しい。

『われら殺人者』
まず、この計画自体がすばらしい。そこにそれぞれの思惑が複雑にからみあい……これまた傑作。

『真説・赤城山』
さすがに元ネタを知らないと……。

『崖下の家』
末尾への収束は見事だが……ちと解りやすすぎ。

『悪徳の果て』
むりやりハッピイエンドにしたような。証言の曖昧さもやや不満。


01.7.7
評価:★★★ 6



雲の中の証人
     


~収録作品~
逢う時は死人
公平について
雲の中の証人
赤い鴉
私が殺した私
あたしと真夏とスパイ
或る殺人
鉄段
めだかの還る日


~感想~
『逢う時は死人』
初期の作品だけに難解にすぎる。天藤真試作型といったところ。

『公平について』
↑から三年。洒脱な味が開花。展開・会話・文体に氏ならではの雰囲気。

『雲の中の証人』
氏最大の傑作短編。これ以上言うことはなし!

『赤い鴉』
トリックは無いようなもので、ややアンフェア(ネタバレ→)
本人を指して“縁者”は卑怯だろw だが、とにかく話自体が面白い。それにしても、どう言い逃れたのだろう。

『私が殺した私』
西澤保彦を見慣れているとどうしても物足りない。

『あたしと真夏とスパイ』
長すぎるか。ちなみに一度も“あたし”とは言ってなかったりする。

『或る殺人』
もっと因果応報であってほしかったが。

『鉄段』
小咄。こんなのも書くんだ。

『めだかの還る日』
↑と以下同文。


01.7.22
評価:★★☆ 5



背が高くて東大出
     


~収録作品~
背が高くて東大出
父子像
背面の悪魔
女子高生事件
死の色は紅
日曜日は殺しの日
三枚の千円札
死神はコーナーに待つ
札吹雪
誰が為に鐘は鳴る


~感想~
『背が高くて東大出』
憑かれたような毒気に当惑。結末は思わず何度も見返すほど意外。

『父子像』
二重構造の巧みさは、ジュヴナイルにここまで手をかけるのかと感嘆。

『背面の悪魔』
結末の逆転はいいが、珍しく……。

『女子高生事件』
展開などさすがの冴えだが、いかんせん考えずとも割れる犯人に不満。

『死の色は紅』
まさかこれも伏線じゃないよなあ、と思っていたら! 伏線どころかなんと……いやはや笑うしかない。まあ、それだけの作品だが。

『日曜日は殺しの日』
長編ばりのプロットとは伊達じゃない。強引なきらいもあるが、入り組んだ細工に脱帽。清冽さこそないがやはり巧い。

『三枚の千円札』
まだこんな手法があったのか。少々あっけない真相よりもそちらが主眼。

『死神はコーナーに待つ』
これまた長編さながら。勘違い・すれ違いが山と重なっていくあたり、さすがさすが。

『札吹雪』
結局のところどこなの? と思うのは僕の読解力不足か。

『誰が為に鐘は鳴る』
おそらく史上最短の挑戦状付きミステリ。短いなりに。


02.1.30
評価:★★★☆ 7



犯罪は二人で
     


~収録作品~
運食い野郎
推理クラブ殺人事件
隠すよりなお顕れる
絶命詞
のりうつる
犯罪は二人で
一人より二人がよい
闇の金が呼ぶ
純情な蠍
採点委員
七人美登利
飼われた殺意


~感想~
『運食い野郎』
本線よりも横道の逸話に妙味か。

『推理クラブ殺人事件』
なんとも珍しい趣向。設定といい細工といい異色。

『隠すよりなお顕れる』
おのれ金田一。またかよ。

『絶命詞』
逆転……もあのセリフはどう考えてもそうとしか取れないような。

『のりうつる』
そういう結末か、といたく納得。

『犯罪は二人で』
以下三作はミステリと呼ぶより「怪盗譚」と言った方がすわりがいい。まずは発端。長編の冒頭といったところ。

『一人より二人がよい』
タイトルに込められた意味に苦笑。

『闇の金が呼ぶ』
意外性に乏しいか。

『純情な蠍』
伏線を張ってない(よね?)のは手落ち。

『採点委員』
いつかどこかで見た話。つまりその元祖か。

『七人美登利』
晩年の作品とは思えない周到な伏線など、まさに老練。傑作。

『飼われた殺意』
没後発見のやや異色作。結末が珍しい。


02.11.12
評価:★★★ 6



逢う時は死人
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成



未作成
       


未作成

目次へ