法月 綸太郎


密閉教室
     


~あらすじ~
早朝の教室で高校生の死体が見つかる。
教室のドアは密閉され、コピーの遺書が一通残されていた。
しかも、48組あった机と椅子が教室から忽然と消えていた。
ミステリマニアの級友工藤順也がその死の謎に迫るが……。

本格ミステリ・ベスト100 63位、このミス8位


~感想~
デビュー作。“青春小説”とも呼ばれるが、高校生が主人公ってだけじゃなくて?
ぎこちない、全く洗練されていない文体、著者唯一の例外として“法月綸太郎”の登場しない物語、
魅力的な謎と肩を並べられない真相と、ぜんぜん楽しめなかった。
せっかく章題が凝ってるんだから、なにか仕掛けをすればいいのに。とか思ってみたり。


評価:★ 2



雪密室
   


~あらすじ~
奇妙な招待状に誘われて『月蝕荘』を訪れた法月警視を待ちうけていた不可能犯罪。
美貌の招待主が、客の全員集まったその夜、離れで殺されたのだ。
外は一面の銀世界。しかし足跡は発見者のものひとつきり。
雪と鍵による二重密室の謎に、名探偵・法月綸太郎の推理が冴える。


~感想~
こういうトリックはちょっと……。(ネタバレ→)
足跡がうしろ向きに付けられたものかどうかなんて、当然捜査されているものという前提で読んでしまう。 
大胆な伏線と、法月綸太郎初登場にのみ注目で。


評価:★☆ 3



誰彼
   


~あらすじ~
“異来邪”を名のる人物から届いた死の予告状どおり、地上80メートルの密室から消失した男。
4時間後、マンションの一室で発見された首なし死体は二重生活を営んでいた彼のものなのか。
なぜ犯人は首を持ち去ったのか。

本格ミステリ・ベスト100 90位


~感想~
とにかく複雑。複雑すぎて展開・状況を作者以外完全に把握していないんじゃあ? とさえ思わせる。
構成は悪くないがとにかくごちゃつきすぎ。


00.6.8
評価:★★☆ 5



頼子のために
   


~あらすじ~
「頼子が死んだ」。17歳になったばかりのひとり娘を殺された父親の記した手記。
手記は、通り魔殺人で片づけようとする警察に疑念を抱いた父親の孤独な推理行と、
ついに犯人をつきとめ相手を刺殺、自らも死を迎えるところで終わっている。
だが本当の物語はこの手記を“悩める探偵”法月綸太郎が読んだときに動き出す……。

本格ミステリ・ベスト100 16位、このミス16位


~感想~
結末に驚いた。たった1つの誤謬から砕ける犯人の細工……などどうでもよくなるような、とんでもない結末。
これがなおさら2人の法月綸太郎を迷わせたことは疑いないw
本当にどうでもいいことだが僕の持っている本書は乱丁で、
肝心の結末部分に講談社ノベルス作品情報のページが挟まっていたりする。


00.6.15
評価:★★★☆ 7



一の悲劇
   


~あらすじ~
「あなたが茂を殺したのよ」山倉史朗は、取り乱した冨沢路子の前で絶句した。
路子の一人息子茂が誘拐されたのだが、脅迫は、なぜか山倉に向けられていた。
犯人は山倉の息子隆史と、近くに住む同級生の茂を間違えて誘拐したらしい。
山倉は身代金六千万円を持ち、人質の茂を引き取りに、指定された場所へ向かった。
だが、犯人との接触に失敗し、翌日、茂は死体となって発見される。
やがて浮上した容疑者三浦には、鉄壁のアリバイがあった。
犯行当日、名探偵・法月綸太郎と一緒にいたというのだ。

日本推理作家協会賞 候補、このミス19位


~感想~
複雑さは毎度のこと。とにかく形容しづらい作品。
法月綸太郎を脇役に追いやりながらも、引きつける展開、誘拐トリックの盲点を突いたトリックは秀逸。


00.6.19
評価:★★★ 6



ふたたび赤い悪夢
   


~あらすじ~
アイドル歌手・畠中有里奈にいったいなにが起こったのか。
刺されたはずの自分が生きていて、刺した男が死体で発見されたのだ。
悪夢の一夜に耐えきれず、彼女は法月父子に救いを求める。
しかし事態は混迷をきわめ……。

本格ミステリ・ベスト100 42位、このミス18位


~感想~
これほどまでに複雑きわまりないプロットを作り出し、読者をおぼれさせ、自らもまたおぼれてしまう作家は他にいまい。
『誰彼』よりは要領よくまとまっているものの、迷宮さながら、悪夢さながらの構成。
常軌を逸した日常を描き、悪夢を現出させた、てらいの1つもないありのままの苦悩がここにある。
息苦しさ、醜さ、全てを凝縮させ、いまここに。


00.6.28
評価:★★☆ 5



法月綸太郎の冒険
   


~収録作品~
死刑囚パズル
黒衣の家
カニバリズム小論
切り裂き魔
緑の扉は危険
土曜日の本
過ぎにし薔薇は…


~感想~
小難しいだけの物足りない作品と、小気味いい論理の冴える作品とが入り交じる。全体としてなにか食い足りない。


99.11.22
評価:★★ 4



二の悲劇
   


~あらすじ~
殺されたあげくに顔を焼かれたOL。手配されたのは彼女のルームメイト。
事件は三角関係のもつれによる単純な怨恨殺人と見られたが、
ただ一点、被害者の飲み込んでいた小さな鍵が謎とされた。
法月綸太郎に出馬が要請された矢先、容疑者の死体が発見される。
自殺か、それとも他殺か。失われた日記に記された、愛と殺意の構図とは。

本格ミステリ・ベスト100 54位、日本推理作家協会賞 候補、このミス10位


~感想~
手記終了後の展開に「法月綸太郎が化けたっ!」と思いきや真相にげんなり。
あっけない、着地にさんざん困ったあげく「もうこれでいいや」って感じで幕を下ろしたラストはもうちょっとどうにかなったろうに。トリックもそりゃないでしょう~と言いたくなり……。
なにはともあれ良くも悪くも、(ネタバレ→)
『卒業写真』一曲 から生まれた作品。 


00.7.4
評価:★★★ 6



パズル崩壊
 


~収録作品~
重ねて二つ
懐中電灯
黒のマリア
トランスミッション
シャドウ・プレイ
ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?
カット・アウト
……GALLONSOFRUBBINGALCOHOLFLOWTHROUTHTHESTRIP

日本推理作家協会賞 候補 ――重ねて二つ


~感想~
いかにも法月短編らしい、切れ味鋭い3編『重ねて二つ』・『懐中電灯』・『黒のマリア』
……で。問題はまさしく“崩壊”した残りの面々。
まだ趣向は解る『シャドウ・プレイ『ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?『カット・アウト』はいいとして、他の2編は「これはこれでいいのかね?」と大それた質問をしたくなる。


99.4.7
評価:★★ 4



法月綸太郎の新冒険
   


~収録作品~
イントロダクション
背信の交点
世界の神秘を解く男
身投げ女のブルース
現場から生中継
リターン・ザ・ギフト

日本推理作家協会賞 候補、このミス11位、本ミス1位


~感想~
“本格ミステリの嫡子”がついに真価を発揮した!
短・中編を書かせれば当代きっての職人法月綸太郎の業が、縦横無尽にふるわれた傑作短編集。
腰をすえてじっくりとお読みあれ。


99.9.26
評価:★★★★☆ 9



法月綸太郎の功績
   


~収録作品~
イコールYの悲劇
中国蝸牛の謎
都市伝説パズル
ABCD包囲網
縊心伝心

日本推理作家協会賞 ――都市伝説パズル、本格ミステリ大賞 候補、本ミス2位


~感想~
『イコールYの悲劇』
二転三転の展開や終局の逆転といい、ダイイング・メッセージ物としては出色のでき。

『中国蝸牛の謎』
どうして(ネタバレ→)
「下から上」とわざわざルビを振っているのか意味不明。

『都市伝説パズル』
ず抜けた完成度でよくできている。だが自身が認めるとおり、意外性には欠ける。自然、印象の薄い感は否めないか。

『ABCD包囲網』
かつてありそうで、やはりかつてないプロットが映える。

『縊心伝心』
細工、構成、結末、意外な手がかり、誤導、伏線。全てが見事な結実。


~総括~
かつてなく印象が明るい。小気味のよいジョークまでちらほら。ふっきれたのかw
それはともかく、いかにも氏らしい丁寧な造りで編まれた、中編ミステリにおける完成度を極限まで突き詰めたような逸品ぞろい。腰をすえてとっくりとご賞味あれ。


02.9.26
評価:★★★★ 8



生首に聞いてみろ
   


~あらすじ~
著名な彫刻家・川島伊作が病死した。彼が倒れる直前に完成させた、娘の江知佳をモデルにした石膏像の首が切り取られ、持ち去られてしまう。悪質ないたずらなのか、それとも江知佳への殺人予告か。
二転三転する謎に名探偵・法月綸太郎が迫る。

本格ミステリ大賞、このミス1位、文春2位、本ミス1位


~感想~
最近の好調ぶりをうかがわせる、丁寧で一切の無駄のない純粋本格ミステリ。
その分、物語は淡々と進み、起伏に乏しいが、丹念な筆致は読者を最後まで飽かせずに読ませてくれる。
代名詞だった「迷い」をついに振り落とし、一直線に突き進む様は、読みやすくなったもののどこか物足りない。
話題作となったが、いままでどおりの、これまでとなんら変わりない、いかにも氏らしい佳作。
もう、法月綸太郎の世界は揺らがない。いい仕事してます。


評価:★★★★ 8



法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー
     


~感想~
新本格派ナンバーワンの論客・法月綸太郎が日米英の傑作を編んだアンソロジー。
北村薫・有栖川有栖につづく第三弾。ごった煮のように様々な作品を集めた北村、本格物にこだわった有栖川、そして法月はいかにも氏らしい作品を集めてみせた。
正直言って、シリーズ中で最も肌に合わなかった。例えるなら、頭のいい人が小難しい哲学書を読んで爆笑しているような。単純に面白いと思えるものが少ない。また、ごく個人的な問題だが、欧米作品の翻訳文が僕の大嫌いな文体で――1:文意がなにを言っているのかすらつかみづらい 2:(  )付けで状況を説明する 3:専門用語のオンパレード――読み通すことからして辛かった。
いちいち感想を述べてみると、


『ミスター・ビッグ』――ウディ・アレン
これを笑って読む人とはあまり友達になりたくない。

『はかりごと』――小泉八雲
これ知ってる。

『動機』――ロナルド・A・ノックス
一番嫌いな部類の翻訳文。

『消えた美人スター』――C・デイリー・キング
トリックに唸る以前に現状が解りづらい。

『密室』――ジョン・スラデック
いまだにオチが解りません。

『白い殉教者』――西村京太郎
同人ミステリの域を出まい。

『ニック・ザ・ナイフ』――エラリー・クイーン
一番良かったかも。

『誰がベイカーを殺したのか?』――エドマンド・クリスピン
これも文意をつかむのに一苦労。

『ひとりじゃ死ねない』――中西智明
事前にああだこうだ言うからあっさりトリックが解ってしまった。

『脱出経路』――レジナルド・ヒル
これは面白かった。ミステリじゃないけど。

『偽善者の経歴』――大平健
これも良かった。ミステリじゃないけど。

『死とコンパス』――ホルヘ・ルイス・ボルヘス
なにがなんだか解らない。

アホ丸出しの感想になったが、いかにも評論家が「これぞミステリ!」とオススメしそうな代物ばかりで、辟易してしまったのが正直なところ。とにかく娯楽性に乏しかった。
全く関係ないが「アルファがベータをカッパらったらイプシロンした。なぜでしょう?」というクイズに爆笑するドラえもんを連想しました。


06.4.11
評価:★ 2



怪盗グリフィン、絶体絶命
   


~あらすじ~
「あるべきものを、あるべき場所に」が信条の怪盗グリフィンのもとに、メトロポリタン美術館に所蔵されたゴッホの絵を盗んで欲しいとの依頼が舞い込む。なんでも美術館のゴッホは偽物で、本物の絵と入れ替えろとのことだが――。


~感想~
「ミステリーランド」にあの法月が放ったのは、麻耶雄嵩も真っ青の歪んだジュヴナイル――などではなく、正々堂々、真正面からの娯楽小説。ジュヴナイルのお手本のような構成で、文字通りに大人から子供まで楽しませてくれる。
三部構成に分かれた物語は、主人公グリフィンの怪盗ぶりを描きつつも、グリフィンの追う「呪いの人形」を軸に、陰謀あり駆け引きあり謎解きありと、山場と見せ場が間断なくつづくミステリとしても整っている。
結末は予想通りに期待通り、グリフィンの信条たる「あるべきものを、あるべき場所に」に従い、パズルのピースをはめるように、ぴたりと物語を収束させてくれる。
著者初の(?)ジュヴナイルということで、どうなることかと思ったが、最近の好調ぶりを思わせる、安定感にあふれた丁寧な、しかし肩の力を抜き、楽しんでものされただろう佳作。値段相応と言ってもいいくらいの満足感は得られた。
余計な感想だが、今作で初めて法月綸太郎を知った少年少女が、氏の初期の作品に手を伸ばしたら、さぞかし驚くだろうなあ。


06.3.30
評価:★★★☆ 7



犯罪ホロスコープⅠ
六人の女王の問題
     


~収録作品~
ギリシャ羊の秘密
六人の女王の問題
ゼウスの息子たち
ヒュドラ第十の首
鏡の中のライオン
冥府に囚われた娘


~感想~
『法月綸太郎の新冒険』を中編ミステリの最高峰と評価しているだけに、非常に楽しみにしていた。
結果はといえば、「端正な」という言葉がよく似合う、実に端正な短編ミステリ。
なんのてらいもない直球勝負の純粋さは、現在ではむしろ珍しいかもしれないが、普通であることのすごさを見せつけてくれる。
昨今の変化球なミステリもいいが、時にはこういった気持ちのいいストレートも味わいたくなる。
白眉をあげるならば、犯人当て小説として書かれた『ゼウスの息子たち』『ヒュドラ第十の首』の2編が秀逸。
どちらも犯人当てという制約をものともせず、きっちりと意外な真相を用意してくれている。


08.1.28
評価:★★★☆ 7



しらみつぶしの時計
     


~収録作品~
使用中
ダブル・プレイ
素人芸
盗まれた手紙
イン・メモリアル
猫の巡礼
四色問題
幽霊をやとった女
しらみつぶしの時計
トゥ・オブ・アス


~感想~
法月探偵がまったく登場しないノンシリーズ短編集。がっかり。
4作品が既読だったことだけではないがっかりぶり。
とりあえず「四色問題が収録されていたら無条件で買い」と書いていた誰かはしめたい。
この作者は法月探偵が主人公でない場合には、一番の武器である論理性や煩悶を捨ててしまい、安易なところに真相を置いてしまう傾向にあり、今回もそれが顕著。
出来がいい作品はのきなみ既読で、残されていたのはどれも法月綸太郎が書くまでもないようなぬるい作品か、法月綸太郎にあんま書いてほしくない作品ばかり。
その実力はこんなものではないと解っている作者だけに、ハズレを引くと脱力することはなはだしい。もっと光を。もっと法月を。


08.7.30
評価:★ 2



キングを探せ
     


未作成



犯罪ホロスコープⅡ
三人の女神の問題
     


~収録作品とあらすじ~
自宅で溺死した女と帰宅中に絞殺された男。接点のないはずの2つの現場には「正義」のタロットカードが置かれていた……宿命の交わる城で
解散した3人組アイドルのファンクラブ会長が事務所の元社長を殺害。事件の黒幕はアイドル3人の中に?……三人の女神の問題
ストーカーの女を殺した疑いを持たれた獣医師。綸太郎は彼女が名乗っていた偽名に着目し……オーキュロエの死
自宅で監禁され衰弱死した音楽評論家は、山羊座のシンボルに見えるダイイング・メッセージを残していた……錯乱のシランクス
経営コンサルタントの母に頼まれ、大金を男に手渡した息子。男は息子の身代金だと言うが、他に兄弟はいないはず……ガニュメデスの骸
幼くして亡くした息子の生まれ変わりを探す女社長。彼女を操る霊能者は三人の候補を探し当て……引き裂かれた双魚


~感想~
黄道12宮を題材にした短編集で前作から実に5年ぶりの続編。5年間で短編6本という法月らしい刊行ペースながら、質も法月らしい粒ぞろいである。
当たり外れのないどれも良質の本格短編で好みは人それぞれだろうが、一編挙げるなら「三人の女神の問題」が神話とストーリーがぴたりと嵌まり、作者も自画自賛の出来栄え。
犯人はモロバレながら神話とのつながりが最も深い「錯乱のシランクス」や、法月探偵が京極堂ばりの憑物落としを見せる「引き裂かれた双魚」、長編「キングを探せ」との照応が面白い「宿命の交わる城で」に、法月探偵がピンと来るシーンがさっぱり要領を得ないが盲点から犯人が浮かび上がる「オーキュロエの死」、魅力的な謎が納得の着地を見せる「ガニュメデスの骸」と何度も言うがいずれ劣らぬ良作揃いで、待たせただけはある。

これだけ意味ありげに12宮に沿って(それもおそらく順番通りに)事件が起こっているのに、その恐るべき偶然を作中では全く問題にしないのは明らかに手落ちだと思うが、変わらぬ法月作品の安定感にはいたって満足した。


15.8.2 再読
評価:★★★☆ 7



ノックス・マシン
     


~収録作品とあらすじ~
機械に取って代わられ作家の消えた未来、ノックスの十戒を研究する学者にタイムマシン実験への誘いが……ノックス・マシン
アガサ・クリスティの新作は「引き立て役倶楽部」の根幹を揺るがし、彼女の抹殺が議題に掛けられる……引き立て役倶楽部の陰謀
精神を操るサイクロプス人に対抗すべく鏡像人格を備える処置を施された工作員。しかしもう一つの人格は不可解な言葉を送り……バベルの牢獄
作家の消えた未来、本の復権を志す過激派が国名シリーズを炎上させる……論理蒸発―ノックス・マシン2

2015年このミス1位、文春3位、本ミス4位、本格ミステリ大賞候補


~感想~
内容に関してはこのミス1位を獲得した際のインタビューで「マニアが内輪で喜ぶような内容だし、胸を張って「さあ皆さん、面白いですよ!」とアピールするのは気が引ける」と作者自ら語った通りのもので、「パズル崩壊」も「しらみつぶしの時計」もろくに楽しめなかった自分が評価できるような代物ではなかった。
法月は冷静かつ客観的に分析しているからまあいいとして、問題はこれをこのミス1位(さらに言えば本ミス4位)に推した連中である。

お前ら全員並べ。なぜ「このミス1位」に推した。世の中にはやって良いことと悪いことがある。これは悪いことだ。
お前は今までノックス・マシンをミステリだと思ったことがあったか? 思ったことないだろ。じゃあ何でミステリ扱いした。
それともあれか、俺の知ってるのとお前が言ってるミステリは違うのか。
俺の知ってるミステリはタイムマシンでノックスに会って雑談だけして帰ったりしない。海外有名ミステリのマニアックネタを言い合って最後におトイレ経由してないだけのおトイレ臭いトリックで落としたりしない。倉阪鬼一郎の劣化コピーなんてしない。国名シリーズが炎上したりしない。
もうノックス・マシンをミステリって言いませんって誓え。

……前段は「ぎ」から始まるイケメン有名人を制限時間2分で考えるゲームで「ギニュー」と答えた僕らにMさんが浴びせた痛罵の改変だが(なおMさんが「ギャバン」で勝ったがギャバンも自ら罵っている)ふざけ半分に罵らないことには精神の均衡を保てないくらい怒り狂う結果であった。
百歩譲ってこのミス1位は見逃すとしても本・格・ミ・ス・テ・リ・ベ・ス・ト・10の4位ねえ……。


15.12.4
評価:なし 0



怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関
       


未作成



挑戦者たち
       


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名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇
       


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法月綸太郎の消息
     


~あらすじ~
シャーロック・ホームズの一人称で書かれた2つの作品と、G・K・チェスタトンのある作品との符号に綸太郎は気づく…白面のたてがみ
墜落した男と毒を飲んだ男。反目し合っていた二人は、互いの部屋で、互いの遺書を持っていた…あべこべの遺書
男は殺人を自供したが、被害者のはずの女は生きていた。しかしその後、男の供述に近い状況で女は殺され…殺さぬ先の自首
アガサ・クリスティーの作品を舞台化するに当たり監修を頼まれた綸太郎。原作を読み返した彼はポアロに双子の兄弟がいるのではという疑惑を抱く…カーテンコール


~感想~
法月綸太郎シリーズの短編2つと、古典作品の意外な真実を探る中・短編2つ。
よほど熱心な法月ファンか、クリスティーファンでなければ到底楽しめるような内容ではなかった。

まず法月シリーズ2編は単純に出来が悪い。「あべこべの遺書」はアンソロジー「七人の名探偵」での初読時にも酷い出来だと思い、だいぶ改稿したそうでマシにはなっているが、やはり物足りないし、書き直したら(ネタバレにつき反転→)
潔癖症の人間が他人の飲みさしのお茶を飲むわけがない。なぜ水道水を飲まなかったのか? という余計な疑問点まで追加されてしまったのはいただけない。
「殺さぬ先の自首」も設定が最高潮で、真相はそれに及ぶべくもない。ちょっと被害者が無防備すぎはしまいか。ただこれまで完全に停止していた法月シリーズに進展が見られそうで、そこだけは良かった。

残る2編は作家法月ではなく評論家法月の作品で、まず正直これを法月シリーズでやって欲しくはなかった。
「白面のたてがみ」はホームズとチェスタトンの符号が見られるはずの作品が、素人目にはまるで似ていないと思えてしまうのがネックだし、最後の最後に明かされる裏事情が伏線ゼロなのもいただけない。
中編の分量の「カーテンコール」は、ただでさえ作中で言及されるクリスティー作品をいくつか読んでいないと全く話についていけないのに、そこにギリシャ神話まで絡めてしまい、固有名詞のオンパレードでうんざりし読むのを完全に放棄してしまった。ちょっとした仕掛けもあるが仕掛けられた瞬間に丸わかりの蛇足で、北村薫「ニッポン硬貨の謎」と全く同じ、知らない作品の知らない真相をネタバレ三昧しながら解き明かし作者がべた褒めされる、という地獄のような光景を再び味わわされた。

どうせ「ノックス・マシン」や「涙香迷宮」のように、このミスその他で高評価されるんだろうが、またミステリ初心者がランキング上位だからと手に取って、ドン引きしてミステリ自体への興味を失うきっかけになるのではなかろうか。


19.10.18
評価:☆ 1



赤い部屋異聞
       


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