東野 圭吾


放課後
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~あらすじ~
密室の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んだ。事件と私が命を狙われ続けていたことは関係があるのだろうか。
そして、運動会の仮装行列で第2の殺人が……。


~感想~
ミステリ界を牽引する才人のデビュー作だが、どうしてこれで乱歩賞を獲れたのかさっぱり解らないほどの凡作。
げんなりするような密室トリック、がっかりな犯人、あんまりな動機と見事に三拍子そろっている。後の大器をかろうじて感じさせるのは、こなれた文体くらいのもの。
相当な東野ファンか乱歩賞ファンでもなければスルーが吉だろう。こんなのが本格ミステリベスト100であの『大誘拐』らより上位だなんて……。


08.5.8
評価:★ 2



卒業
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白馬山荘殺人事件
   


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学生街の殺人
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11文字の殺人
   


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魔球
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~あらすじ~
弱小校を甲子園まで導いた天才ピッチャー須田武志。
9回裏2死満塁、彼が最後に投じた魔球が全ての始まりだった。
大会後、バッテリーを組んだ捕手が犬とともに殺され、事件の裏には魔球が見え隠れする。

88年このミス18位、文春10位、85年江戸川乱歩賞候補


~感想~
東野小説によくある、一息に面白く読んだものの感想が全く思いつかない作品。
展開、伏線、真相、解決、物語と過不足なく、もし減点方式で採点すれば高確率で90点をオーバーしてしまう東野作品だが、本作も実質デビュー2作目とはとても思えない恐ろしいまでのそつなさで、早くもベテランの風格が漂う。
だからといって物足りないこともなく、いくつもの事件が意外なつながりを見せ、些細な着眼点から真相が浮かび上がり、その裏には悲哀が漂う、もしミステリ作家養成学校があれば教科書として採用すべき、素晴らしい仕上がりである。
まあ取り立てて褒めるべき長所は特にないのだが、それもこれだけ欠点のない作品に無理やり欠点を探しだす、窓の桟を指でなぞり埃を集めるような行為であり、言うだけ野暮というもの。
読んで損するはずもない佳作である。


15.12.23
評価:★★★ 6



ウインクで乾杯
香子の夢―コンパニオン殺人事件 改題
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浪花少年探偵団
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十字屋敷のピエロ
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眠りの森
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鳥人計画
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~あらすじ~
将来を嘱望される天才スキージャンパー楡井明が毒殺された。
鉄壁のアリバイに阻まれ捜査が進まない中、警察には犯人を名指しする告発状が届く。
一方、急激に記録を伸ばすジャンパーが現れ、その背後に楡井の姿が見え隠れする。

89年このミス15位、吉川英治文学新人賞・候補


~感想~
本作の刊行は1989年だが、リレハンメル五輪で原田雅彦が失速し日本中からバッシングされたのがその5年後、原田が雪辱を果たし日本が団体で金メダルを獲得した長野五輪が9年後と、ジャンプがまだマイナー競技の頃に書かれたもので、まずその先見性に驚かされる。
加えてジャンプの魅力と発展、その未来まで描かれており、事件は倒叙形式で犯人が明らかな形で進みながら、告発状を出したのは誰か、アリバイトリックの方法は何か、とミステリ要素でも最後まで興味を引き、結末では意外な真相が……と例によってミステリ作品のお手本のような出来栄えで、さすが東野圭吾と唸るばかり。

またこの頃はジャンプ後進国だった日本が10年足らずで頂点に上り詰めたという現実、鳥人の異名で作中にも登場するニッカネンが殺人未遂で逮捕されているという驚き、船木や葛西がいまだ第一線で活躍していることなど、スポーツの世界はやはり何が起こるかわからない、と改めて感心した次第。


16.1.13
評価:★★★ 6



殺人現場は雲の上
   


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ブルータスの心臓
   


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探偵倶楽部
依頼人の娘 改題
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宿命
   


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犯人のいない殺人の夜
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仮面山荘殺人事件
   


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変身
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回廊亭殺人事件
回廊亭殺人事件 改題
   


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天使の耳
交通警察の夜 改題
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ある閉ざされた雪の山荘で
   


~あらすじ~
役作りのためペンションに集められた7人の劇団員。
雪に閉ざされた山荘という設定で共同生活を始め、被害者役が一人、二人と消えていく。
だがやがて彼らは、これは本当に芝居なのかと疑問を抱きだす。

93年 日本推理作家協会賞・候補


~感想~
雪に閉ざされた山荘でドロドロした人間関係から連続殺人が始まる……と起きている事象だけ見ればベッタベタな設定だが「※ただし芝居である」と但し書きが付き、そのうえ「※ただし芝居とは限らない」と二重に縛られた非常にひねくれた作品である。
設定だけでもう十分に面白いが、終わってみれば意表をつくトリックに加えある趣向が凝らされ、さらにひねりを足しており、並の作家なら錯綜してしまいそうなところを、持ち前の平易な文章と徹底されたフェアプレイできわめて読みやすく仕上げているのはさすが東野圭吾である。
作者の代表作とまでは言わないが、良作の一つに挙げられるだろう。

なお文庫版解説の法月綸太郎は、本作のネタバレ前に注意はしてくれるものの、ついでに予告なく他の東野作品のトリックの種類を次々と割っているので要注意。
また全くの余談ながら講談社文庫版P32の12行目とP38の1行目は明らかに矛盾しているのだが、ただの見落としだろうか。


15.3.10
評価:★★★☆ 7



美しき凶器
   


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同級生
     


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分身
   


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しのぶセンセにサヨナラ
浪花少年探偵団・独立編 改題
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怪しい人びと
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むかし僕が死んだ家
   


~あらすじ~
7年前に別れた恋人・沙也加には幼いころの記憶がなかった。
私は彼女の記憶を取り戻すため、彼女の父親が密かに通っていたという謎の家を訪れた。
それは人里離れた山奥に立つ異国調の白い小さな廃屋だった。そこで沙也加を待ちうける真実とは……。


~感想~
いわゆる脱出系アドベンチャーゲームや元祖バイオハザードを思わせる廃屋探索ミステリ。
謎めいた意匠の数々とよみがえる記憶はどう結びつくのか、最後まで一息に読ませてくれる。
明かされる真相は予想の範疇を出ないが、最後の一ページまで端正に整った佳作である。
こう言えるほど数は読んでいないのだが東野圭吾の代表作に挙げられるだろう。
なお文庫版の解説はなんら予告なしに最悪のネタバレを連発しているので、くれぐれも事前に読まないようご注意あれ。
解説者も同じ作家だろうになにを考えているのやら、ささやかな悪意すら感じられてならない。


07.12.27
評価:★★★★ 8



虹を操る少年
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パラレルワールド・ラブストーリー
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怪笑小説
   


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天空の蜂
 


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名探偵の掟
 


~あらすじ~
密室、時刻表、バラバラ死体に童謡殺人。本格ミステリを彩る12のベタな事件に挑む名探偵・天下一大五郎と大河原警部。
ベッタベタな物語に潜む本格ミステリの、そして名探偵の掟とは?


~感想~
本格ミステリの中核を成す12の要素を徹底的にベタに描き、笑い飛ばして見せたユーモア短編集。ながらその裏に隠された鋭利な批判ときつい毒には引いてしまうことも。
徹底的なこき下ろしに笑えるか、それとも冷めてしまうかは人によりけり。残念ながら僕は後者。
それにしても、これだけ自らハードルを上げておいて、それを長年にわたり飛び越え続ける作者は恐ろしい。


07.4.22
評価:★☆ 3



どちらかが彼女を殺した
   


~あらすじ~
妹が自殺の偽装をされ殺害された。刑事である兄の康正は、殺人であることを隠したままで独自の捜査を行い、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は妹のかつての恋人。
復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる加賀刑事。殺したのは男か? 女か?

※真相は最後まで明かされないが、文庫版では袋とじで答え付き。


~感想~
せいぜい中編程度にしか使えないトリックを、真相を明かさないという斬新な手法で長編に昇華した、という印象。
トリックは主人公が解いてくれるため、読者は犯人を二者択一で当てるだけなのも残念。真相に至る手がかりも非常に単純な、ありきたりで使い古されたもので拍子抜けしてしまった。
リアルタイムで読み、仲間内であれこれ語り合うのを楽しむべき作品であり、真相が袋とじで明かされている現状(しかも古本だから最初から破れている)では、十分に楽しむことはできない。
しかしそれにしても、もう少しひねった手がかり、あるいはトリックを仕掛けてほしかったと思えてしまう。


11.2.3
評価:★★☆ 5



毒笑小説
   


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悪意
 


~あらすじ~
ベストセラー作家が自宅で殺された。
加賀恭一郎刑事は自身の教師時代の恩師で、作家の友人でもある野々口修が犯人だと目星をつける。
やがて数々の証拠をもとに野々口の逮捕に至るが、彼は動機を完全に黙秘する。
加賀は捜査を進めるうちに野々口と作家の意外な裏のつながりを突き止め……。


~感想~
読めば面白いとわかっているから、ひねくれ者の自分は逆になかなか手に取る気になれない東野作品。当然ながらこれも面白い。
加賀が捜査の過程で集める証拠の数々は、いくつかが読者の知る由もないもので、その点はミステリとして見れば減点材料ながら、加賀恭一郎シリーズあるいは刑事小説としてはなんら問題にならない。
そして黙して語らない犯人の動機に関しては、ミステリ的にも美味しい大仕掛けが施され、中盤にかけて盛り上がる一方の物語でいやおうなく増していく期待を裏切らないだろう。
欲を言えば最後の最後、根っこの部分の動機は(事前に伏線は張っているものの)森博嗣的にないがしろにされたのは少し残念ではある。
とはいえ加賀の教師時代の過去も語られ、シリーズとしてミステリとして刑事小説として秀作であることは疑いようもない。


13.12.6
評価:★★★☆ 7



名探偵の呪縛
     


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探偵ガリレオ
   


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秘密
   


~あらすじ~
杉田平介はバス事故で妻を亡くし、娘も意識不明の重態に陥る。
妻の葬儀の日に娘は目を覚ますが、彼女の中には妻の心が入っていた。
平介と妻の心を宿した娘との奇妙な生活が始まる。

98年このミス9位、文春3位、日本推理作家協会賞、直木賞候補、吉川英治文学新人賞候補


~感想~
映画版は「娘の姿をした妻を抱けるのか?」とか下世話に煽っておいて、二人が裸で同衾しているシーンをCMで普通に流すというネタバレっぷりで笑わせてくれたが(お、同じベッドで裸で寝てるだけだから(震え声))原作は設定だけで勝利確定の魅力的な物語で、作者が当初は笑える話を目指していたと言う通り、精神年齢36歳の小学生が苦心惨憺し、父兼夫がそれに振り回される日常風景がまず面白い。
だが娘の成長につれ次第に悩みが増えていき、現実的な苦悩にさいなまれ日常に陰が落ちてからは、一転して暗い雰囲気が立ち込める。
そして終盤、ある急展開を見せると、それから逆算して真相が見え見えとなり、ここしかないという結末に落ち着き、ミステリ馬鹿からすると予想通り極まりないものなのだが、読了後に各地の感想をあさった所「どいつもこいつもピュアか」という感想を述べており、そもそも仕掛けよりもあるカップリングに疑問を抱いている様子。
さすがは国民的作家になりかけていた東野圭吾、ミステリ馬鹿のみならず多方面から読まれているようで、それはそれで喜ばしい限り。

間違いなく良作ではあるが、意外性というものがほぼ皆無の展開を見せ、綺麗に決まっているが物足りない結末を迎えるため、おそらくミステリ馬鹿よりも一般的な読者の方が楽しめることだろう。
日本推理作家協会賞は……まあ、別に本格オンリーの賞ではないし、多方面から支持されたなら妥当ではなかろうか。


16.4.22
評価:★★★ 6



私が彼を殺した
   


未作成



白夜行
   


~あらすじ~
廃ビルで発見された男性の刺殺体。所持していたはずの100万円が不明で、事件は単純な通り魔的犯行かと思われた。
母子二人暮らしの家庭で起こったガス中毒死。娘の証言から居眠りによる事故死で処理された。
だが、2つの事件は長く続く暗い道のりの始まりでしか無かった。

99年このミス2位、文春1位、本ミス9位、直木賞候補、東西ベスト(2012)18位


~感想~
長い。単純に長い。あと胸糞悪い。
おそらく犯人の歩む長く暗い道のりを描くために、あえて昭和史をなぞるような長い物語にしたのだろうが、いかんせん人の心を持たないサイコパスどもの日常を延々と見せられることにもなってしまい、胸のむかつきが抑えられないことになっている。
一般的な読者の感想は、犯人に感情移入し哀切を覚えるそうなのだが、出版当時には知名度のなかったサイコパスという概念が広く知れ渡った現在からすると、およそ感情移入を拒絶するような糞野郎どものやりたい放題にしか見えなくなってしまっているのが厳しい。

このミス2位等々とミステリ的にも高評価を受けたが、いわゆる神の視点を持つ読者にしか真相が見えないという手法は確かに面白いが、言ってしまえばただそれだけで、これだけ長大な物語を支えるには程遠く、同様の趣向を凝らした多島斗志之「黒百合」が出た現在からすれば、これもやはり完成度では遠く及ばないと言わざるを得ない。

この物語を楽しめるかどうかはひとえに「犯人に同情できるか否か」にほぼ全てが掛かっており、「全く情状酌量の余地なし」と断を下した自分のような読者からすれば、高評価は下せない代物である。
また現在の東野圭吾の実力ならば、おそらく半分の分量で仕上げてくるのは間違いなく、後継作があるなら(全作読んでいるわけではないのでひょっとしたらもうあるのかも知れないが)ぜひ読んでみたいとも思った。


17.3.17
評価:★★☆ 5



嘘をもうひとつだけ
   


未作成



予知夢
   


未作成



片想い
   


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超・殺人事件
推理作家の苦悩
   


~あらすじ~
新刊小説の書評に悩む書評家のもとに届けられた、奇妙な機械「ショヒョックス」。どんな小説に対してもたちどころに書評を作成するこの機械が、推理小説界を一変させる―。発表時、現実の出版界を震撼させた「超読書機械殺人事件」をはじめ、推理小説誕生の舞台裏をブラックに描いた危ない小説8連発。意表を衝くトリック、冴え渡るギャグ、そして怖すぎる結末。激辛クール作品集。
※コピペ

01年このミス5位、文春8位


~感想~
ユーモア・ミステリに分類されるだろうが、作者の生真面目さがもろに出てしまい今一つの出来栄え。
発想に飛躍がなく、オチも全てが予想の範囲内に落ち着いてしまい、意外性がほとんどない。
すべり芸を自認する東川篤哉と比べてさえ、小説で笑いを取るセンスで見劣りし、生真面目サラリーマンの宴会芸でも見せられているような薄ら寒さまでは感じなかったものの、笑える場面は一つとて無かった。
余計なお世話ながら本作を読んで「抱腹絶倒」や「最高に笑える」など感想を述べている方々は野崎まどとか読んだら笑い死ぬんじゃなかろうか。


15.7.8
評価:★ 2



レイクサイド
 


~あらすじ~
湖畔の別荘に4組の親子が集まる勉強合宿。そこに現れた愛人を妻が殺したという。親たちは子供を守るため自らの手で犯行を隠蔽しようとする。が、事件の周囲には不穏な影がちらつく。


~感想~
中編ばりの分量にふさわしい中編なみの内容。どうしてわざわざ映画にしたのだろうか?
それはともかく事件はいたってシンプル。2時間ドラマさながらにありがちの展開でありがちに事件が進み、ちょっと意外な真相が見えたと思ったけど、そんなことは全然無かったぜ! といううんざりの着地で終わる。
中編ばりの分量ならきっちり終われと思うか、中編ならではの物語と納得するか、これが長編でなくてよかったと胸をなでおろすかは読者にゆだねたい。
身も蓋もなく言えば、いかにも東野圭吾らしいサクッと読めて後になんにも残らない作品でした。


08.4.10
評価:★★ 4



時生
   


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ゲームの名は誘拐
   


~あらすじ~
取引先の重役・葛城の命令でプロジェクトから外された広告プランナーの佐久間は、酔った勢いで葛城邸に押しかけ、家出してきたその娘に出くわす。
利害の一致した佐久間と彼女は、結託して葛城に狂言誘拐というゲームを挑む。

03年このミス11位


~感想~
東野圭吾の作品は普通に楽しく読み終えた後に、まったく感想がわかなくて困るケースがままあるのだが、今回もその一例だった。
一言で言えば理系変人クズの主人公に魅力は薄く、ヒロイン兼共犯者(映画版では仲間由紀恵が演じたとか。何このTRICK番外編)は共犯者としても偽被害者としても自覚に乏しく終始イラつかせる存在。
狂言誘拐のパートはわりとどうでもよく、話の本筋は誘拐事件が終わってから。意外な展開が待ち受けているが、やっぱりそう来たかと思う程度の真相で、最後まで面白くは読めたものの、誘拐物として取り立てて優れた点はない。

なにより読者として不満に思うのはやはり(以下ネタバレ→)
地獄に落ちるだろうと思っていたクズ主人公が、地獄どころか無事に逃げおおせ、お小遣いももらった挙句に棚ぼた的な写真一枚撮っただけで宿敵にも認められ大勝利! という悪夢のような展開だろう。
最終的に勝利する悪役には、勝利に納得するだけの魅力が欲しいものだがこいつ完全に小物だもんな……。



15.1.31
評価:★★☆ 5



手紙
   


未作成



おれは非情勤
     


未作成



殺人の門
   


未作成

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