永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした
~あらすじ~ 母の死により3年ぶりに生家の永劫館に帰った侯爵家の跡取りヒースクリフ。
母の友人で遺言を見に来たという謎めいた魔女リリィジュディスの異能により、彼は時をさかのぼり繰り返す。
全ては最愛の妹コーデリアと魔女の終わらない死を止めるために。
2024年このミス12位、本ミス5位、本格ミステリ大賞候補
~感想~ いわゆる特殊設定ミステリで、作者初の本格ミステリながら設定を完璧に活かしきった構成が光る。
おそらく初ミステリのためか伏線やヒントはかなりあからさまなのだが、それが逆によく考えていれば自分にも解けていたかもしれないというちょうどいい塩梅になっており、仕掛けやトリックのわかりやすさと納得感も高い。
トリックもプロットもほぼ特殊設定に依存し、その緻密ながら極めて平易な真相を編み出したバランス感覚は素晴らしいものである。
一方で一つ間違えばややこしくなり過ぎたり、単純明快過ぎれば瓦解してしまう危うさもあり、本作は奇跡的なバランス感覚で成し遂げられた偶然の産物かもしれないが、それは次回作以降の話だ。
ともあれ本ミス5位、本格ミステリ大賞候補と高評価を受けたのも納得で、個人的には大賞を射止めても良かったと思う(潮谷験「伯爵と三つの棺」、白井智之「ぼくは化け物きみは怪物」、夕木春央「サロメの断頭台」と傑作揃いにもかかかわらずだ)、好みにスマッシュヒットの傑作だった。
余談だがラストシーンはだいたい(※ややネタバレのため伏せ字)「コードギアス復活のルルーシュ」だった。
25.7.15 評価:★★★★☆ 9
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