三津田 信三


忌館
ホラー作家の棲む家
   


~あらすじ~
奇妙な原稿がある新人賞に投稿された。
私は友人から応募者の名が「三津田信三」だと知らされるが、身に覚えがない。そのころ偶然に探しあてた洋館を舞台に、私は怪奇小説を書き始めるのだが……。

※文庫版は「忌館」と改題し「西日―『忌館』その後」を追加収録。


~感想~
ホラーとミステリの両輪で活躍を続ける作者のデビュー作で、これはタイトル通りのホラー作品。
私小説の体裁をとりつつ、作中作でホラーを連載し、予想と期待通りに怪異が虚構と現実を取り巻いていき、最終的にはいまやお家芸と呼べる締め方で、怪異を作品の内側だけでなく、外側に侵食させる手際がお見事。
長大な分量の割に意外と中身は乏しいが、しかし飽かせることはなく、最後まで読ませてくれる作品である。ちっとも怖くはないけど。

ところでまたも某道尾秀介の批判になってしまうのだが、作中の三津田信三が連城三紀彦について言及した「あれほどのミステリ作品を書いた作家が、そう安々と己がミステリスピリットを捨てるわけがない。いや、仮に本人が捨てようと思っても、それは自然と滲み出してくるのではないか――。実際、その期待は裏切られませんでした」という言葉は、某道尾の今のていたらくを思うに虚しい限りである。


10.7.2
評価:★★☆ 5



作者不詳
ミステリ作家の読む本
 


~あらすじ~
奇妙な古書店で手に入れた曰くつきのミステリ同人誌には怪異が宿っていた。
見世物小屋から消えた赤ん坊/高校生らが鏖殺された事件の恐るべき記録ノート/無惨に切断された首が招く無人島の殺戮……。
謎を解かなければ、怪異は終わらない。


~感想~
作中作の短編が、どれも作中作の形式を取らずとも単体で本格短編として通用するどころか、いずれ劣らぬ良作ぞろいで驚かされる。
それに様々な怪異を絡め、ホラー作品としての色も濃く、メタに落ちていく結末こそがっかりだが、本格としてホラーとして見事な融合を見せてくれた。
短編の質が本当に高く、真相を知るや思わずうなること請け合い。手書きを交えた書式や、本の小口に「UNKOWN」と印刷するなど凝った装丁のせいかいっこうに文庫化されず、しかも絶版のため入手はやや困難だが、本格ファンならばぜひ読んでもらいたい。


10.7.29
評価:★★★★ 8



蛇棺葬
     


~あらすじ~
幼いころ父に連れて行かれた百巳家。そこに無気味な空気を漂わせる“百蛇堂”がある。
私はそこで見たのだ。ずるっ…ずるっ…と暗闇を這うそれを…。
やがて旧家に伝わる葬送百儀礼の最中に、密室状態の堂内から忽然と人が消え……。


~感想~
三津田信三が『厭魅の如き憑くもの』でのブレイク前に出したホラー長編の一つ。
人気作家が大きく飛翔する前の助走といった位置づけで、三津田作品らしくホラーとミステリが融合しており、一部の事件は現実的な解釈がなされる。
だがその融合ぶりがうまいとは言い切れず、ホラーにもミステリにも針のふれない、どっちつかずの印象を受けてしまう。
中盤にかけての丹念にものされた、というか「遅々として進まない」と表現したほうが的確な描写・展開と比べ、終盤は逆に連載打ち切りにでもされたような急ぎ足で語られてしまい、それでいて多くの伏線は、ホラーらしく結末がつかないと言うには、あまりに無造作に投げっぱなしにされ、広げた風呂敷を畳めていない。
作中に出てくる百蛇堂の名を冠した続編(?)があるので、ひょっとすると残った伏線はそちらで使われるのかもしれないが、これを単体で評価するならば、厳しいところ。
とりあえず『百蛇堂』をつづけて読んでみようと思う。


11.10.4
評価:★ 2



百蛇堂
怪談作家の語る話
     


~あらすじ~
この世には、絶対人目に触れてはいけないものがある……。
作家・三津田信三に託された実話怪談の原稿。読んだ者の前に忌わしいものが現れて……。不可能状況で頻発する児童連続失踪事件と「あの原稿は世に出してはいけない」という龍巳の言葉は何を意味するのか?
葬り去られるべきものが世に出たことで謎と怪異が続発し……。


~感想~
前作『蛇棺葬』をバックボーン、あるいは事件編としてものされた、いわば解決編・完結編である。
まるまる一冊を下敷きにしただけはあり、内容は重厚かつ濃密。やりすぎ感すら漂うメタ形式で、前作を取り込み現実に侵食する、異形のホラーとなっている。
その一方でミステリらしい意匠や仕掛けも数多く、特に前作・今作と2冊の全編にわたって仕掛けられていたトリックが終盤に明かされるや、優れたホラー・ミステリとしての面も見せてくれる。
『厭魅の如き憑くもの』を筆頭に傑作を連発している刀城言耶シリーズのファンならば、開花へと続く、才能の芽吹きを感じることだろう。
ただ、やはりまるまる1冊を、それも何の注釈も無しに事件編としたのはさすがにやりすぎだったろう。重厚に描きすぎて退屈一歩手前の、事件編(前作)だけで読むのをやめてしまった向きも少なからずあるはずだ。
だがそういった反省(?)や試行錯誤の末に、刀城言耶シリーズが生まれたと想像すれば、それも興味深い。
いずれにしろ早いこと前作ともども文庫化して、多くのファンに読んで欲しいものである。いっそ上・下巻にしたらどうだろうか?


11.10.21
評価:★★★☆ 7



シェルター 終末の殺人
   


~あらすじ~
核爆発と思われる閃光から逃れシェルターに駆け込んだ三津田信三は、シェルターの持ち主である火照陽之助を閉め出してしまった自責の念に苦しむ。
そしてシェルター内では生き残った人々らが次々と密室状況下での不審死を遂げていく。
もし密室殺人ならば、動機のあるはずもない初対面の人々がなぜ殺し合うのか?


~感想~
長らく入手困難だった作品が待望の文庫化。全面改稿し伏線を大幅に増やした他、ホラー映画談義をミステリ映画談義に差し替えたとのこと。刀城言耶シリーズもどきの表紙はともかくとしてあいかわらずのサービス精神だ。
分厚いシェルター内に閉じ込められ、外には核爆発(?)による放射能が立ち込め、とこれ以上ないほど完全無欠の「雪の山荘」状況で、そのうえ起こる事件は片っ端から密室物と、厳重にもほどがある設定にまず驚かされる。
しかし密室トリックはだいたいが、それこそ文庫化にあたって図解が欲しかった機械トリックのオンパレードで、せっかく最強の「雪の山荘」でありながら外部犯の可能性が最後まで捨てられず、と中途半端。
しかも笛を吹いたら現れたような探偵によって明かされる真相は禁じ手というか、トリックだけ取り出してみれば十人のうち十人が怒るだろう相当のがっかりトリックなのだが、膨大な伏線による物量作戦で「お、おう……」と否応なしに納得させてしまう力業には恐れ入った。
それは推理というよりも「論破」とか「説得」に近い気がするし、作中ではおそらく意図的に触れられなかった映画(超ネタバレ→)
アイデンティティー のトリックに非常によく似ているものの、あらゆる不満を山のような伏線で、レベルを上げて物理で殴ったようにねじ伏せるその手法が面白かったのは確か。
伏線の配置と回収に定評のある三津田信三でなければ成し得なかった意欲作、あるいは問題作である。


15.2.17
評価:★★★ 6



厭魅の如き憑くもの
   


~あらすじ~
対立する憑き物筋の「黒の家」と「白の家」、神隠しに遭う子供たち、生霊に憑かれた少女、厭魅(まじもの)が出たと噂する村人、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を侵し恐怖の体験をした少年、得体の知れぬなにかに尾けられる巫女。
作家・刀城言耶が取材に訪れた村を次々と襲う怪異と怪死。犯人は人間? 憑き物? それとも厭魅?


~感想~
とんでもない作品である。村を丸ごと一個作り上げ、地形・血縁・成立過程・因習・宗教儀礼まで事細かに練り上げ、しかもそれらを雰囲気作りだけに奉仕させることなく、トリック・プロットに有機的に組み込んで見せた労作。全ページに伏線があると言っても過言ではない大仕掛けとあいまって労作という言葉がよく似合う。
それだけに次作『凶鳥の如き忌むもの』と同じく読み通すのに骨が折れるのも確か。『凶鳥』のように「設定資料」とは感じさせない、エピソードを丹念に積み重ねた物語なのは救いだが、一つ一つの逸話がじっくりと描かれるため、非常に骨が折れる。しかしそれだけ熟成された物語は、なんとも言えない濃厚な空気に包まれ、本書でしか味わえない読書体験をもたらしてくれる。この村で起こる異様な物語をもっともっと読みたくなってくるのだ。
逆転に次ぐ逆転で最後の最後まで気の抜けない解決編、そして思わず口をあんぐりと開いた呆然の真相は、どこまでも本格魂にあふれている。道尾秀介といいホラー畑の作家がどうしてここまで本格なミステリを書けるのだろう。これを「本格ミステリ大賞」の候補に選ばないとは本当にどうかしている。
それにしても――村の地図と家の見取り図があればもっと楽しめたと思うのだが、なぜないのだろう?


07.2.19
評価★★★★☆ 9



凶鳥の如き忌むもの
 


~あらすじ~
怪異譚を求め日本中を走る小説家・刀城言耶は瀬戸内に浮かぶ島に伝わる秘儀を取材に行く。
島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる<鳥人の儀>とはなにか?
18年前の儀式でただ一人生き残った巫女が、儀式に挑んだとき奇蹟が起きる。
これは大鳥様の力か? はたまた鳥女と呼ばれる化け物の仕業なのか?


~感想~
濃いい本である。
全体の3/5ほどを費やし、民俗学が語られる。さらに1/5で事件の検討がなされ、物語として動くのは残りの1/5程度。しかしそこで明かされるトンデモな真相を楽しむには、設定資料(?)である4/5をじっくりと読まなくてはいけない。
結論を先に言えば、ものすごく疲れるのだ。帯に「空前絶後の人間消失」とあるとおり、トンデモない仕掛けなのだが、そこに到るまでにぐったりとしてしまう。なんせ残り20ページまで進んでも謎は山積みされており、物語はそこまで地味~に鈍足で進んでいくのだ。たったひとつの真相から全ての謎が砕け散るのはお見事だが、その真相は序盤で実にあからさまな形で示されており、またあまりにも明白な伏線とあいまって「これかよ……」と脱力してしまったのも事実。
通常ならば手がかりと伏線の大胆な提示に舌を巻くところだが、そこに到るまでの道のりで疲労困憊している体からは、もはやため息しか漏れない。面白い仕掛けではあるのだが……。
また、あまりに詳細に事件を検討しすぎて「天井に貼りついていた」とか「ロープでぶら下がっていた」とかの、現実的なげんなりとする真相が推理されてしまうのも、個人的には落胆ぎみ。
トンデモなのはメイントリックだけ。しかしそのトリックだけでも一見の価値はある。マニアは体力を付け覚悟を決め、ぜひ本書に挑んで欲しい。


06.9.11
評価:★★☆ 5



首無の如き祟るもの
   


~あらすじ~
奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。23歳になった当主の長男・長寿郎が、3人の花嫁候補のなかからひとりを選ぶ儀式である。
その儀式の最中、候補のひとりが首無し死体で発見された。犯人は現場から消えた長寿郎なのか? 一族の跡目争いもからんで混乱が続くなか、そこへ第二、第三の犠牲者がいずれも首無し死体で見つかる。
古くより伝わる淡首様の祟りなのか、それとも十年前に井戸に打ち棄てられて死んでいた長寿郎の双子の妹の怨念なのか――。


~感想~
シリーズ第三弾は現時点での最高傑作。今後「首切り殺人トリック」の金字塔・象徴として永劫に語られるだろう歴史的作品である。
ミステリ史における意義はともかくとして、本格ミステリとしても最高の結実を見せている。煩雑な事情聴取は表や幕間にまとめてしまい、事件と物語だけを追える構成も心憎い。
いつもながらに怪談さながらの怪異が連発し、事態が進行するほどに状況は錯綜していき、終盤では前作『凶鳥の如き忌むもの』ばりに不可解な点が列挙され、しかもその謎が「たったひとつの事実」によって全て砕かれるというのだからたまらない。
真相はどんでん返しを連発し、とんでもない真相が次から次へと明かされめまいを起こす寸前。最後はとどめとばかりに怪異に取り込まれ――。個人的には完璧と思われる着地には感動すら覚えた。
これぞミステリこれぞド本格、2007年の本格ミステリベスト1は早くも今作で決定か?


07.5.6
評価:★★★★★ 10



スラッシャー 廃園の殺人
   


~あらすじ~
ホラー作家が脳内世界を現出させ造り上げた廃墟庭園。
「魔庭」にこもっていた作家は姿を消し、肝試しに忍び込んだ大学生たちは遺体で発見された。
その廃園を撮影の舞台に選んだビデオ映画スタッフに、忍び寄る黒い影……。惨劇の果てに待つ衝撃的な結末とは。


~感想~
事前情報を仕入れすぎてしまい、全く驚けず。
こういった仕掛けだろうなあと思っていたとおりの真相でがっかり。とはいえ全編にちりばめられた伏線は実に丁寧で、ホラーというよりもミステリへの傾きが強い。
スプラッタ描写は平山夢明は別格としても、綾辻行人と比べてもおとなしめ。純粋にミステリとして楽しむのが吉か。


07.6.26
評価:★★★ 6



禍家
     


~あらすじ~
「ぼうず、おかえり……」12歳の棟像貢太郎は、越してきたばかりの町で、近所の老人に呼びかけられた。
両親を事故で亡くし、祖母と越してきた東京郊外の家。しかし貢太郎はこの町に見覚えがあった。怪異が次々と彼を襲い始め、友人の礼奈とともに探り出した、家に隠された戦慄の秘密とは?


~感想~
純正ホラー作品。
それにしても三津田信三は器用な作家である。ホラー、スプラッタ、ミステリとそれぞれ語り口を変え、ミステリでも『厭魅』『凶鳥』『首無』と全て違う雰囲気を醸成している。
ミステリ三作品と比べて読みやすさは格段。単なるホラーではなく中盤の家の秘密を探る段階では謎解きの妙、伏線の巧さも見せてくれる。
――が、終局のホラーからミステリへと踏み出しすぎた流れはちょっと期待を外した感も。あの結末もいいが、ここまでの展開からいって(以下ネタバレ→)
霊を信じない愚かな真犯人を、一家総出でおもてなし を期待――するのは僕くらいの俗物だけだろうか。
ともあれ文庫書き下ろしということで気軽に手を出せるだろう佳作。三津田信三入門編としてもおすすめ。


07.7.18
評価:★★★ 6



山魔の如き嗤うもの
   


~あらすじ~
忌み山で人目を避けるように暮らしていた一家が忽然と消えた。次々と起こる凄惨な殺人事件は六地蔵にまつわる奇妙な童唄の見立てなのか。
消失と惨劇の忌み山。そこで刀城言耶が見たものとは……。


~感想~
首切りトリックの金字塔的作品『首無の如き祟るもの』の次作として全く恥じることのない堂々たる傑作。

驚くべきは解決編で、真相が二転三転しながらも、その真相を支える枠組みは全く変わっていないこと。ただひとつの矛盾はあるが、それさえなければ枠組みは同じままで真相だけが変幻していくという、まさに怪異さながらの技巧。
前作『首無』や『厭魅』『凶鳥』のような一発トリックではないが(その3作と比べると落ちるだけで、ネタ自体は大きい)事件を形作るその精緻な構図は前3作をも上回る。
また今作はこれまでの設定資料を読むような、細かすぎて疲れも覚える舞台設定を「忌み山」というひとつの象徴に集約させたことで、非常にすっきりとした読みやすい物語に仕上がっている。このあたりはただでさえ高かった作家としての腕がさらに向上していることの表れだろうか。
横溝作品をドラマ以外で知らない僕でさえにやりとするような正史の意匠の数々といい、怪異譚としての側面も満足至極。
これだけの傑作を次々と放つ、三津田信三の如き騙るもの、まさに恐るべし。


08.4.28
評価:★★★★☆ 9



十三の夜
死相学探偵 1
   


~あらすじ~
幼少の頃から、人間に取り憑いた死の影が視える弦矢俊一郎。
その能力を売りにして構えた探偵事務所に、最初の依頼人がやってきた。
IT系の青年社長に見初められるも、式の直前に婚約者が急死したという女性。彼の実家では、次々と怪異も起きているという。
神妙な面持ちで語る彼女に、俊一郎は不気味なにかが蠢くのを視ていた……。


~感想~
刀城言耶シリーズで本格ミステリに新たな地平を切り拓きつづける俊英が、肩の力を抜いて(?)ものした作品。
敷居の高い刀城言耶シリーズとは逆に、平易な文体で語られるので初心者にはもってこい。
ホラーのわりに怖さはないがバカミスさながらのトリックが仕掛けられ、ミステリファンもそれなりに納得。
万人にアピールできるだろう新シリーズで、俊一郎のキャラもなかなか面白い。作者も読者も息抜きをかねて長くつづけてほしいものだ。


08.10.11
評価:★★★ 6



凶宅
     


~あらすじ~
ここ、絶対におかしい。小学四年生の日比乃翔太は、越してきた家を前に不安でならなかった。
山麓を拓いて造成された広い宅地に建つのは、なぜかその一軒だけ。家族は気にもとめなかったが、夜、妹のもとにアレはやって来た。
家族を守るため、翔太は家にまつわる忌まわしい秘密を探り始め……。


~感想~
ミステリらしい謎解きを備えた、いつもの三津田ホラー。
先に書かれた『百蛇堂』との関連をにおわせながら、ほとんどの怪異は投げっぱなしのまま物語は幕を閉じてしまう。
しかし意外なところに脱力系の真相が隠されており、ミステリとして読むことも可能。
怖いか怖くないかで言えば全く怖くないのだが、三津田作品らしい変則ホラーとしては及第点。
シリーズ完結編の『災園』で投げっぱなされた謎は解かれるのか、続けて読んでみよう。


11.11.25
評価:★★☆ 5



四隅の魔
死相学探偵 2
   


~あらすじ~
城北大学に編入した入埜転子は、怪談会を主催するサークル"百怪倶楽部"に入部した。
だが、寮の地下室で行なわれた儀式"四隅の間"の最中に怪異が起き……。
転子から相談を受けた弦矢俊一郎が、忌まわしき死の連鎖に挑むシリーズ第2弾。


~感想~
都市伝説ファンにはおなじみの題材にまずはにやり。ただ前作とは打って変わって(以下ネタバレ)怪異のほとんどが現実に取って代わられてしまい、ホラーとしての怖さがさらに薄くなっているのが難点といえば難点。
しかし意外な真相や伏線は刀城言耶シリーズばりに仕掛けられ、ミステリとしての完成度がいやましている。二作目ながら早くも安定感のあるシリーズとなってきた。

それにしてもまだ一作しか出ていないのに「大人気シリーズ!」と大書する角川はどうしてしまったのだろうか。
歌野晶午の「ハッピーエンドにさよならを」を初の短編集(4作目の短編集である)とうたったり、道尾秀介の「鬼の跫音」に過分な賛辞を偏執的に連ねたり(ちなみに連作短編集という大嘘もついている)、いくら出版不況で必死とはいえ迷走しすぎだろ。


09.5.1
評価:★★★ 6



密室の如き籠るもの
   


~収録作品~
首切の如き裂くもの
迷家の如き動くもの
隙魔の如き覗くもの
密室の如き籠るもの


~感想~
短編よりも長編向きの作家かなーと思わせる初の短編集。
といっても表題作は長編ばりの分量で、中盤までは怪奇味をふんだんに凝らした構成で、謎めいた女とコックリさん、奇妙な予言と完全無欠の密室と盛り上がるのだが、刀城言耶が密室講義を始めるや全てが台無しになった感。
明らかにテンポを悪くし、せっかくの怪奇味を吹き飛ばしてしまう、ガチでヲタな講義は明らかに蛇足。トリックも真相も、全てが解決してなお残る怪異もどうでもよくなってしまった。
他の短編3つも、雰囲気を出し切る前に事件が解決してしまい、トリックも二番煎じと古色蒼然で食傷気味。
じっくりと好きなだけ書かせたほうが腕をふるえるのではなかろうか。


09.4.28
評価:★★☆ 5



赫眼
     


~あらすじ~
転校生の目童たかりは謎めいた美少女だった。学校を休んだ彼女に届け物をしに、少年が訪れた家の奥には、あまりにも禍々しい何かが横たわっていた(表題作)。
合わせ鏡が作り出す無限に続く映像世界。その魔力に取り憑かれた男を襲う怪異とは(「合わせ鏡の地獄」)。書下ろし掌編を含む十二編。


~感想~
創作、実話怪談、死相学探偵シリーズと駒をそろえたホラー短編集。
怖い小説というものにはそうそう出会えるものではなく、これもご多分に漏れないが、怖さよりも巧さが光り、飽きさせない造りになっている。
たとえば前述の通り、様々なジャンルを取りそろえたり、会話だけで最後まで進めたり、読者を物語の中に取り込んだりと、手練手管を尽くしてくれる。
加えて最初の一編と最後の一編が連関し、短編集としてもきれいにとじられ、氏のファンならずとも、ホラー好きならば楽しめることだろう。


10.6.3
評価:★★★ 6



水魑の如き沈むもの
     


~あらすじ~
近畿地方のとある農村。村の人々が畏怖し称えてきたのは、源泉である湖の神・水魑様だった。
水魑様をまつる儀式のさなか、衆人環視の湖上の密室で事件は起こる。
刀城言耶が事件解決のため奔走するも、惨劇はそれだけにとどまらず……。


~感想~
シリーズ最長となったこの作品、解決シーンではいつもながらの残りページの限界に挑戦するような目まぐるしい二転・三転を見せてくれるのだが、そこにいたるまでの過程が今回はいまひとつ。
『厭魅』・『凶鳥』・『首無』・『山魔』と必ず目の覚めるような大ネタを仕込み驚かせてくれたが、今回はそうした一発ネタは見当たらない。ある人物のなにげない一言に何重にも秘められた誤導・トリプルミーニングや、視点をひとつ変えることで明るみに出る伏線など冴えてはいるのだが、たとえば謎の中心・解決の契機となる、ある因習の真相は、意外性と言う点で「そういう因習もあるだろうなあ」というレベルに落ち着いてしまい(回りくどくてすみません)、鬼面人を驚かすようなケレン味に欠けるのだ。
シリーズを重ねるごとに、最初は設定資料そのものだった村の風習や成り立ちなどを、わかりやすく噛み砕き、今作では労せずに読むことができるのだが、そういった不気味な雰囲気や突飛な因習を今回はほとんど一人の人物が引き受けてしまい、極端な話「こいつが鬼畜でした」で済まされてしまうのも惜しいところ。
また怪異と謎解きの融合、すべての怪異が現実へと解かれながらもそれでも怪異が忽然と立ちのぼる――それがこのシリーズの特徴だと思っていたのだが、これも怪異は怪異のままでほとんどが投げっぱなしにされ、いっこうに現実側に近づいてこないのも悲しいところ。結界とか霊視とかが平然と(それも推理の材料にまで)使われるシリーズだったっけか?
つまり個人的に刀城シリーズの魅力だと思っていた部分がことごとく薄く、物足りないのが特徴なのだから困ってしまう。
実はこの『水魑』は序章に過ぎず、次回作で置き去りにされた怪異たちがひもとかれ、伏線として機能していく――なんて妄想まで抱いたり。どうした三津田信三の如き騙るもの。


10.1.8
評価:★★★ 6



六蠱の躯
死相学探偵 3
   


未作成



子狐たちの災園
災園 改題
     


~あらすじ~
幼くして養父母を亡くした奈津江は、実姉と名乗る祭深咲に伴われ、実父が経営する施設“祭園”に引き取られた。
そこに暮らす訳ありの少年少女たち。廃屋と化した“廻り家”と呼ばれる奇怪な祈祷所。得体の知れない何かが棲む黒い森。
奈津江の出生の秘密が明かされるとき、惨劇は幕を開ける。
“家”シリーズ三部作最終章。


~感想~
いちおうシリーズ完結編らしいのだが、前二作とはまた違った角度から攻めてきた。
序盤からもう超能力の存在を受け入れざるを得ない設定をゴリ押ししてきながら、次第に超能力は置いてけぼりにして、怪異が幅をきかせはじめ、終わってみれば全てが――。
という転倒した趣向は面白いのだが、唐突すぎる結末といい、いつにも増してSF、ホラー、ミステリが混ざり合わず、ちぐはぐな印象が濃い。
三作品の中で最もホラーらしいとは思うが、せっかく前作でにおわせた『百蛇堂』どころか前二作との関連すら薄いのはすこし残念。
あと名うてのミステリ作家として「あのころは精神的に病んでた」はどうかと思うぞ。


11.12.9
評価:★☆ 3



七人の鬼ごっこ
     


未作成



生霊の如き重るもの
     


~収録作品~
死霊の如き歩くもの
天魔の如き跳ぶもの
屍蝋の如き滴るもの
生霊の如き重るもの
顔無の如き攫うもの


~感想~
学生時代の刀城言耶を描いた短編集。
まだ明確に探偵らしい活動をしていない時期だけに、まず言耶が事件に関わることになる前置きが長いのはしかたないとして、短編個々の出来はかなり上質。
最初の三編は驚いたことに三つとも「足跡トリック」ながら、それぞれ物理、論理、バカと様々なトリックで仕掛けられ、同じことを三回繰り返しているのに、不満も飽きも感じさせない。
白眉はタイトルにもなっている『生霊の如き重るもの』で、かの傑作長編『山魔の如き嗤うもの』をほうふつとさせる、推理の枠組みは維持したまま、真相だけが次々と変幻していく奇術のような解決編がすばらしい。
そして最後の『顔無の如き攫うもの』では豪快な、というか悪魔的な真相で締め、もちろん怪異でオチをつけてみせ、化物も人間も怖いという着地を決めた。
前回の短編集では「ひょっとして長編向きの作者なのかも」と感じたのは、全くの勘違いであったと、深くお詫び申し上げたい。


11.7.14
評価:★★★☆ 7



幽女の如き怨むもの
     


~あらすじ~
戦前、戦中、戦後にわたる3軒の遊郭で起きた3人の花魁が絡む不可解な連続身投げ事件。
緋桜という名を持つ花魁がいるとき必ず、3階から3人が転落する。
誰もいないはずの階段から聞こえる足音。窓から逆さまに部屋をのぞき込むのは「幽女」?

~感想~
恐るべきクオリティで怪異とミステリの融合に成功し続けている刀城言耶シリーズの長編第6弾。
前作「水魑の如き沈むもの」では「結界」なるものが平然と登場したり、大半の怪異が怪異のまま放置されたりと方向性に不安な転換が見られたが、今回もシリーズ中でも屈指のとうてい現実的な説明のつかないような怪異が起こる。
しかし終わってみれば本作は……と結末に触れるわけにも行かない。まあひと安心はした。

だが惜しむらくは中盤で、あまりにあからさまな伏線を置いてしまい、そこからするすると謎が解け真相までたどり着けてしまうのが非常に残念。一歩間違えばネタバレにつながる綱渡りもミステリの醍醐味の一つではあるが、あれは大半の読者が気づいてしまうのではなかろうか。
「陰摩羅鬼の瑕」のようなネタバレ前提の真相でもなく、優れたミステリの結末を途中で見抜いてしまうのは不幸でしかない。もったいないことをしてしまった。


12.
評価:★★★★ 8



ついてくるもの
     


未作成



のぞきめ
     


未作成



五骨の刃
       


未作成



どこの家にも怖いものはいる
       


未作成



誰かの家
       


未作成



十二の贄
       


未作成



怪談のテープ起こし
       


未作成



黒面の狐
     


~あらすじ~
満洲の建国大学に入るも学徒動員での軍役を経て、道を見失った物理波矢多は北九州に流れ着き、炭鉱夫となった。
そして落盤事故を皮切りに、奇妙な連続密室殺人事件に巻き込まれ……。


~感想~
もともと刀城言耶シリーズとして構想されていたと聞き購入したが、シリーズの一作として出しても全く遜色ない秀作である。

序盤は舞台説明として復興途上の日本の様子の描写に多くの筆を費やされ、さらに虐げられた朝鮮人たちの歴史が加わるため非常に読みづらく、初期の刀城言耶シリーズを思い出させる。
だが事件が起こってからは怒涛の展開で、矢継ぎ早に第二・第三の事件が出来し、あっという間に解決編まで流れていく。
解決では探偵役に刀城言耶が乗り移ったかのように、多重解決を惜しげもなくきわめて簡潔に披露しては片っ端から破棄していき、真相こそ読み慣れた読者からすればそこしかない当然の場所に着地してしまい少々拍子抜けするものの、豊富な伏線と納得の真相に支えられ十分な満足感は得られるだろう。

続編の存在も匂わせており、天に二物を与えられた主人公が身分を隠して放浪し各地で謎を解く、貴種流離譚のような新シリーズの開幕となれば大歓迎だし、時代設定も近い本家(?)の刀城言耶シリーズと絡めるのも容易で、今後が楽しみでならない。


16.9.22
評価:★★★☆ 7



八獄の界
       


未作成



わざと忌み家を建てて棲む
       


未作成



忌物堂鬼談
       


未作成



魔邸
       


未作成



碆霊の如き祀るもの
     


~あらすじ~
海と断崖に閉ざされた陸の孤島のような村に伝わる3つの怪談と、現在進行中の1つの怪談。
取材に訪れた刀城言耶はまるで怪談をなぞって行くような不可解な数々の事件に巻き込まれる。


~感想~
目次を見ればわかる通り背景となる怪談だけで120ページ経過し、第一の事件が起こるのが200ページ目。第二以降はさらに先と、初期のシリーズに戻ったようなスローペースだがだからといって退屈も辟易もさせず、作者の腕前の向上と焦らない自信のほどがうかがえる。
このシリーズに期待するのはやはり謎の山と、築いては崩し、崩しては積み上げる試行錯誤しながらの怒涛の推理だが、例によって解決直前に列挙される謎の数は「凶鳥」で20個、「首無」で37個、「山魔」で35個、「水魑」で43個だったのが本作では驚異の70個を達成。
なのに解決編はいつもと同じ程度の56ページしかないが、期待通りに怒涛の推理を見せ、時に犯人や真相を据え置きにしながら目まぐるしく変わっていく変幻自在の論理展開も健在。最後には怪異と事件が密接に絡まる納得の解決と、とてつもない怪異で締めくくる、刀城言耶シリーズの最新作に恥じない傑作である。
また怪異のスケールがシリーズ屈指の大きさで、しかも読み返してみると最初に書かれた断り書きが全く別の意味を帯びてしまう周到さで、もはややりすぎ感すら覚えさせる、シリーズで最も怖い結末になっているのも素晴らしい。少なくとも本ミス3位以上は確定ではなかろうか?


18.7.6
評価:★★★★ 8



犯罪乱歩幻想
       


未作成



白魔の塔
     


~あらすじ~
灯台守になった物理波矢多は赴任先の轟ヶ崎灯台に伝わる「白もんこ」と呼ばれる妖怪の存在を聞かされる。
白衣の森、白屋、白女――白にまつわる怪異が集まるそこに、白い灯台は建っていた。
シリーズ第二弾。


~感想~
三津田ミステリの最高傑作が「首無」ならホラーの最高傑作はこれかもしれない。三津田ホラーあまり読んでいないが。灯台が舞台ながらまずなかなか灯台にたどり着かず、着いたら着いたでそこからも動きが無い。三津田作品史上最も動きが少ない。
しかも古き良き探偵小説のプロットだった前作とは打って変わり、ミステリらしい解くべき謎は全く見当たらず、現在の怪異と過去の怪異が淡々と語られていき、終盤を迎える。
そして物理波矢多は一連の話に合理的な解釈を試みるのだが…ここからが怒涛の展開に。
何も起きていなかったはずの、ただ怪談がいくつか語られただけに見えた物語に、いくつもあった不自然な描写や違和感の背後から三津田史上最大級の怪異が次から次へと顔を出す。生霊の如き重るものからの現物ドーン!にはもはや笑うしかなかった。
前作「黒面の狐」は多少アレンジすれば刀城言耶シリーズとして再利用できたが、本作は別シリーズならではの怒涛の怪異と超展開で、刀城言耶とは一線を画した。前作がやや期待外れと感じた人ほど読んで欲しい良作である。


19.6.25
評価:★★★★ 8



魔偶の如き齎すもの
     


~収録作品とあらすじ~
近隣で起こった2つの殺人事件。交換殺人が疑われるが、同一の凶器が使われ、凶器を受け渡す方法がわからず…妖服の如き切るもの
村内に集落を作り独立した男は自分が不死身だという妄想に取り憑かれ、信奉者に苦行めいた枷を強いる。やがて男は姿を消してしまい…巫死の如き甦るもの
立ち入った者の生気を吸い取るという奇妙な家。2人の人物が目撃したその家の外観は大きく異なり…獣家の如き吸うもの
新人作家の刀城言耶は自称才色兼備の編集者・祖父江偲に出会い、所有者に幸福とそれ以上の不幸を齎す像の噂を確かめに行き、事件に巻き込まれる…魔偶の如き齎すもの


~感想~
刀城言耶シリーズの短編集。表題作は中編で、これまでノベルスで出ていたのに単行本になってしまい、それに反して個々の質はそれほど高くなかったと感じた。

「妖服の如き切るもの」が個人的にはベストで、長編ばりの多重推理を短いながらに披露し、些細な伏線から納得の行く真相を導き出してくれる。ただ怪異の方は、なんなら必要なかった気さえする。

「巫死の如き甦るもの」はミステリおなじみの特殊状況を作り出すために、集落と宗教と訳のわからない教義をひねり出す強引さに吹いた。だが真相はこれもおなじみのアレになってしまい、またこれかとげんなりしたのも事実。

「獣家の如き吸うもの」は怪異は最も面白いが、肝心のトリックが刀城言耶シリーズでこれかよというものでがっかりした。伏線は上手かったのだが…。

「魔偶の如き齎すもの」は某所で見かけた感想でトリックに見当がつき、ズバリ的中してしまったのでここでは何も述べないこととする。

総じてこの質・量で単行本化は損だと感じてしまう、物足りない作品集であった。


19.8.1
評価:★★☆ 5



九孔の罠
       


未作成



そこに無い家に呼ばれる
       


未作成



逢魔宿り
       


未作成



死相学探偵最後の事件
       


未作成



忌名の如き贄るもの
     


~あらすじ~
生名鳴地方に伝わる忌名の儀礼。それは災厄を実体のない名前にかぶせるためのものだが、儀礼のさなかに夜雀、首虫、角目ら様々な怪異が現れる。
刀城言耶の先輩である発条福太の婚約者は、14歳の時の忌名の儀礼で恐ろしい目に遭い…。


~感想~
近作では物語の展開がまた以前のようなスローペースに戻りつつあるシリーズ長編だが、本作はぶっちぎりで話が進まない。
第一の事件が起きるまでに1/4以上のページを費やし、その事件も怪異は絡んでいるものの不可能状況や密室というわけではなく、それどころかやたら人の出入りが激しくわちゃわちゃしていて、そもそも解くべき謎も「犯人は誰か?」一点で、刀城言耶シリーズとしては抑えめに見える。
捜査も動機とアリバイにばかり焦点が当てられ、さては今回はそのどちらかに工夫を凝らしてきたなと察しが付くものの、捜査が進んでもやはり事件にとんでもない怪異が立ち現れては来ない。
そしていつもよりふわっとした感じで解決編が始まり、シリーズ名物のアレも行われないが、ここからは期待通りで、限界に挑戦するような少ない残りページで多重推理が繰り出され、次から次へと意外な真相が飛び出す。
到達する結論はいくらなんでも無茶ではと思うものの、動機とアリバイは成立し、煮え切らない所はあるが、一定の説得力を持ち、破綻していない。

――が、そんなものでこのシリーズが終わるわけがなかった。

最後の最後に明かされる、章題に普通に書かれているある秘密。
それが全てをブチ壊す。これはすさまじい。シリーズで一番驚いたし、周りに人がいなかったとはいえ思わず「うおおお!」とうめいてしまった。
たった一言で説明できるし、おそらくこの1アイデアから全てが始まっている。
そこにもちろん怪異も絡み、あまりに完璧すぎて文句の付けようもない。これをやるならそりゃアレは行われない。アレはぜひ見たかったが仕方ない!
解決編まで極めて地味でゆっくり話は進むが、真相の衝撃度では間違いなくシリーズ屈指だし、最も好みかもしれない。これは本当に驚いた。


21.8.17
評価:★★★★☆ 9



赫衣の闇
       


未作成



みみそぎ
       


未作成



歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理
       


未作成



六人の笛吹き鬼
       


未作成



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未作成
       


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