NXT感想 2013年7月~9月



デビュー・入団


07月:シャーロット
08月:アレックス・ライリー(降格)
09月:



一軍昇格


07月:エリック・ローワン ブレイ・ワイアット ルーク・ハーパー
08月:
09月:



解雇・退団


07月:ギャレット・ディラン メモ・モンテネグロ
08月:ダンテ・ダッシュ
09月:ジェイク・カーター ブロンソン



2013/7/3のNXT #176  羊マスクの衝撃


NXT女子王座決定トーナメント準決勝
アリシア・フォックス ×-○ ペイジ
(ペイジ・ターナー)

未勝利のベイリーを順当に倒したアリシアと、タミーナ・スヌーカに一方的に攻められながら丸め込んだペイジによる準決勝。
ここでもWWEで黒人初の女子王者となったアリシアが新人のペイジを圧倒。しかしペイジがラフファイトで強引に流れを引き戻すと、必殺技であっさり決着。
タミーナ相手にはなにもできなかったが、アリシアには意外と普通に勝ってしまった。


コナー・オブライエン ○-× アンディ・ベイカー
(レッグドロップ)

新相棒のリック・ビクターを伴い登場したヒールのオブライエンに浴びせられる、ボー・ダラス以上の歓声に吹いた。ヒール以下のベビーっていったい。
英国出身のベイカーはこれがデビュー戦。もちろんスカッシュマッチで、フラップジャックからのレッグドロップで1分足らずの勝利。
オブライエンの首投げヘッドロックをローリングクレイドルのように連発する技もきつそうだった。


エグザビア・ウッズ ○-× スコット・ドーソン
(ロスト・イン・ウッズ)

インテリ陽気黒人というハリウッド映画なら天才ハッカー役でもやりそうなウッズと、ギャレット・ディランとのタッグ結成以来、初となるシングル戦に臨むドーソンの一戦。
ドーソンの反則技に苦戦しつつも、近日復帰するRVDを思わせる無駄な動き満載の技でウッズが逆転勝利。
だが試合後のワイアット・ファミリーのプロモで、エリック・ローワンがなんの脈絡もなくかぶっている羊マスクに全てを持っていかれた感が。


メイソン・ライアン ○-× エンツォ・アモーレ
(パンチ)

容姿その他を威勢よくファンダンゴからパクっているアモーレ(登場時に観客も一瞬勘違いしていたような)がコリン・キャサディを連れて参戦も、ゴングと同時にパンチ一発で沈んだ。


メイソン・ライアン ○-× コリン・キャサディ
(コブラクラッチ・スラム)

続けてキャサディとの連戦。アモーレに「ビッグ・キャス」と呼ばれる恵まれた体格も1分前後で沈められる。お笑いタッグとして今後も活動するのだろうか。


NXT王座戦
ボー・ダラス ○-× アントニオ・セザーロ
(ベリー・トゥ・ベリー)防衛成功

嫌われ者の地位を確立したダラスが相手では、自分勝手にアメリカ愛を叫ぶスイス人ヒールのセザーロにすら声援が飛んでしまう。
出てきただけで「引っ込めボー」。ベルトを掲げただけで大ブーイング。解説のリーガル卿に捧げるようなねちっこいキャッチレスリングで攻めるセザーロに、今日もダラスの打点の低さに定評のあるドロップキックが炸裂。今日は意外と高かったが、いつもの高さだと長身のセザーロならみぞおちに入るところだった。
セザーロはとにかく相手を離さず、渋い絞め技と荒い打撃で攻める。あれ絶対どっちも痛いぞ。
雪崩式サイドスープレックス、コーナーからのダイビングニードロップと決め技級の一撃を喰らいながらもフォールを許さないダラスは、シナから頑丈さも受け継いでるのか。
ダラスはとにかく技が雑で、カート・アングルばりに放った雪崩式ベリー・トゥ・ベリーはセザーロを左肩から落としていた。下手すれば腕が折れている。
決着はあいかわらず説得力ゼロのベリー・トゥ・ベリー崩れだったが、試合後に敗れたセザーロが元気にダラスを攻撃していたところから見て、実は威力のない丸め込み技なのかもしれない。



2013/7/10のNXT #177  リーガル卿の戦い


NXT女子王座決定トーナメント準決勝
エマ ○-× サマー・レイ
(ロールアップ)

入場時にエマは不思議な踊りでサマーのMPを奪うが、どちらかというと戦士系でMPを必要としないサマーには通じず、一方的に攻められる。
一軍ではマネージャー(というかダンサー)のサマーだが技の一つ一つはレスラーメインのエマより上手いような。
最後は丸め込みの応酬から気づいたら3カウントを奪い、エマが番狂わせの勝利。サマーはまだ二軍にいれば戴冠もありえたか。


・シャーロット、デビューへ
伝説的レスラーのリック・フレアーの娘、シャーロットが次週デビューへ。
笑うと怖いほどパパ似だが、どの程度パパのムーブを取り入れているか楽しみだ。


サミ・ゼイン ×-○ レオ・クルーガー
(GC3)

先週のメイン戦後に乱闘した両者が対決。空中技のゼインと関節技のクルーガーという対照的なスタイルの二人だが、ゼインの誰にでも合わせられる器用さが光る。日本で使っていた技はほとんど封印しているようだが、それでも多彩だ。
だがここではNXT王座挑戦者候補に名乗りを上げたクルーガーに分があり、鉄柱へゼインの左肩を叩きつけるとフジワラアームバー(脇固め。アメリカでは藤原喜明にちなみこう呼ばれている)、スーパープレックス(雪崩式ブレーンバスター)、腕極めDDTとつなぎGC3(アームロック)で決めた。


メイソン・ライアン ×-○ エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ
(アモーレの足払い)

先週に二人あわせて1分で仕留められたアモーレとキャサディがハンディ戦でライアンに挑む。
さすがのライアンも二人がかりは厳しく、キャサディを抱え上げたところでアモーレに背後から脚を払われ、そのまま抑えこまれた。
てっきりライアンが普通に勝つと思ったのだが、このデコボコタッグをもう少しプッシュする気があるのだろうか。


ウィリアム・リーガル&エイドリアン・ネヴィル&コリー・グレイヴス ×-○ ブレイ・ワイアット&エリック・ローワン&ルーク・ハーパー
(シスター・アビゲイル)

NXTでは解説も務めるリーガル卿はWWE在籍13年を誇る英国の誇り。コメディキャラから冷酷な悪党まで幅広くこなし、単純な打撃とねちっこいキャッチレスリングに小汚い反則をも融合させたリーガル・スタイルとでも呼ぶべき独特のファイトは目の肥えたファンもうならせる。
近年はセミリタイアし月に一度ほどしか試合はしないが、誰からも尊敬を集める偉大なレスラーである。もう何年も変わっていないヒール丸出しの入場曲はどうかと思うが。
晴れて一軍昇格を果たしたワイアット・ファミリーはさすがに息の合った連携を見せる。長時間つかまっていたネヴィルがリーガルにつなぎ、リーガルは猛攻で一気にハーパーを仕留めるもローワンがカット。ネヴィルがグレイヴスもろともローワンを空中技で葬ったせいで数的不利に。悠々と交代したワイアットがあっさりリーガルを倒してしまった。
ところでグレイヴスは1分も戦っていないような。



2013/7/17のNXT #178  どうしてこんなになるまで放っておいたんだ


NXT王座挑戦権争奪3WAY戦
○ レオ・クルーガー アントニオ・セザーロ × サミ・ゼイン
(セザーロのニュートラライザー→横取り)

シリア生まれのカナダ育ちでメキシコ人として長年活動していたゼインは、どちらかというと逆イケメンなのに歓声が飛ぶのだからもうファンの心をつかんでいる。
クルーガーは南アフリカ人、セザーロはスイス人と、一軍でも珍しいほど国際色豊かな一戦である。
それにしてもセザーロの怪力にはブロック・レスナー以来のインパクトを個人的には受けている。確かにサガットばりの優れた体格だが、その怪力の見せ方が上手い。
試合はセザーロがタイガーアッパーカットからのニュートラライザーでゼインを仕留めた直後に、クルーガーがセザーロを場外へ追い出しごっちゃん勝利。ここ数週間の流れからの予想通り、挑戦権を手にした。


ボー・ダラス ○-× スコット・ドーソン
(ベリー・トゥ・ベリー)

打点が低いと毎週のように言っているダラスのドロップキックは今日はタイミングも悪く、ドーソンの受け身が間に合っていない。どうしてこんなになるまで放っておいたんだ。
フェイスの王者が圧倒的に攻めているのに全く盛り上がらない客席。ブーイングをしないだけ今日の観客はやさしい。
最後は先々週から丸め込み技だと思うようにしたベリー・トゥ・ベリーで決着。まるでゴールドバーグのような一方的な試合展開で、雑さを隠したような。
試合後にはもちろんクルーガーが乱入しダラスを撃墜。WWEでは嫌われ者のベビーがヒールに奇襲された時におなじみの「サンキュー」コールが飛んだ。


シャーロット ○-× ベイリー
(前転ネックブリーカー)

説明不要のレジェンド、リック・フレアーの娘であるシャーロットのデビュー戦。
セコンドにはフレアーがつき、入場前にはスピーチまでする特別待遇。先日に同じくレスラーだった弟を亡くしたばかりで、彼の分もがんばって欲しいものだ。
っていうかでかいぞこの女。器械体操歴があるそうで柔軟性と体のバネは特筆もの。偉大なパパの前ではベイリーもやりづらく、シャーロットの完勝。
試合後にパパと並んで披露したフレアーウォークはまだまだ未熟だったが、技にフレアームーブはほとんど取り入れていなかったし無理はないか。
体格は良く華もあり、短い試合時間だったが動きも申し分ない。これまでNXTに出てきたディーバの中では出色の感が。


NXTタッグ王座戦
エリック・ローワン&ルーク・ハーパー ×-○ エイドリアン・ネヴィル&コリー・グレイヴス
(コークスクリュー・シューティングスタープレス)防衛失敗

試合前に元世界王者のシェイマスを襲撃し景気付けしたタッグ王者組だが、解説のリーガル卿からは殺意の、客席からは「一軍に上がったしそろそろベルト落とすんじゃね?」と期待のこもった視線を浴びせられる。
大男のハーパーの放つドロップキックとダラスのドロップキックが同じ打点と速度に見えるのはきっと気のせいじゃない。
最後は空中技の連発からフィニッシュを狙ったネヴィルをワイアットがコーナーから落とすも、シェイマスが報復に出てきてワイアットを排除。
グレイヴスが乱入しチョップブロックでローワンを倒し、ネヴィルが蹴りを付けた。ここまで乱入でベルトを守ってきた王者組が、逆に乱入でベルトを奪われる皮肉な結末。
シェイマスとの抗争は一軍で行うのだろう。貴重な動ける巨漢タッグで、連携も磨かれてきた王者組をもう少し二軍で見たかった気もする。
新王者となったネヴィルは早くも二度目のタッグ王座獲得。やっぱりPACはすごかった。グレイヴスはこれまでもNXT王座などに絡んできたがこれが初のベルト奪取。
今のところ全く連携のできていないタッグだが、この先連携技が生まれていったら面白くなるだろう。



2013/7/24のNXT #179  NXT女子王座決定戦


NXT女子王座決定トーナメント決勝
ペイジ ○-× エマ
(ペイジ・ターナー)

決勝は意外にもベビー同士の一戦となった。
タミーナ・スヌーカ、アリシア・フォックスとごつい相手を破ってきたペイジと、アクサナ、サマー・レイと対戦相手には恵まれた感のあるエマ。これも英国人とオーストラリア人の組み合わせで、NXTは国際色が豊かだ。
これまでの戦歴からするとペイジのほうが有利だが、試合前の不思議な踊りでMPを吸い取られたせいでペイジの動きは今ひとつ。魔女っぽいからなペイジ。
長尺の試合ながら人気のある両者だけあって観客からも「これぞ名勝負」とチャントが飛んだが、そこまでの試合ではない。抱えていた方の脚でロープブレイクされちゃうし。
決着はあいかわらず唐突感のあるペイジ・ターナーであっさり決まった。頭突きや多少の反則も取り入れた「アンチ・ディーバ」を名乗るペイジのファイトスタイルは面白いが、先週デビューしたシャーロットが育つまでのつなぎだろうか。
あと上層部もこんなに盛り上がると思ってなかったのかもしれないがメイン戦でやるべきだった。


タイラー・ブリーズ ○-× アンジェロ・ドーキンス
(フライングニールキック)

以前はジョバー扱いだったマイク・ダルトンがナルシストモデルに転身し再デビュー。WWEではこの場合ダルトンという人間はいなかったことになります。
試合そっちのけでスマホで自分を撮影するブリーズだが、足首のヒラヒラがそれモップじゃね?と思うほど多すぎてつまずかないか心配だ。
フライングニールキック一発で勝ったので試合に関して特に言うことはないが、イタリア・ミラノ在住なら次回は透明犬でも連れてきてほしいところだ。


コナー・オブライエン&リック・ビクター ○-× エイダン・イングリッシュ&ミッキー・キーガン
(オブライエンの水面蹴り+ビクターのドライビングエルボー)

薬物問題で相方を解雇されたオブライエンが、ビクターとともに「アセンション」を再結成。
ビクターはずっとジョバー役だったがある日突然、当時のNXT王者だったセス・ロリンズに挑戦し、これからプッシュが始まるのかと思いきやその一戦きりで姿を消した謎の男。そういう意味では怪奇ユニットのアセンションにぴったりか。
試合はジョバーでおなじみのイングリッシュをWパワーボムで叩きつけ、オブライエンの水面蹴りとビクターのドライビングエルボーで挟み撃ちにするツープラトンで秒殺。
どっちがフォールしてもいいのにビクターに華を持たせるオブライエンはああ見えてマジ良い奴。


シェイマス ○-× ルーク・ハーパー
(ホワイトノイズ→ブローグキック)

シェイマスはWWEの頂点を3度極め、ケルティック・ウォリアーの異名をとるアイルランド人。
一軍昇格からわずか半年、「すごく白い」以外に特徴のなかった頃にWWE王座を奪取し「上層部はシェイマスに何か弱みを握られているのか」と衆目を驚かせたが、かつてのエッジのように地位が人を作り、今では押しも押されもせぬ強キャラとして君臨している。
試合はハーパー程度では普通ならシェイマスの相手にならないところだが、ローワンが犠牲になった隙に一撃を喰らわせ、その後も要所要所でローワンが手を出して互角以上に。
というかハーパーが普通にうまい。シングル戦でも十分やれることを証明した。
最後はハーパーがフィニッシャーのローリングクローズラインを命中させ、間髪入れずカバーするもなぜかあっさり返され、ホワイトノイズ(シュバイン)からのブローグキック(ケンカキック)でシェイマスが逆転勝利。確かにハーパーとシェイマスの間には、わざと必殺技を受けてやっても問題ないくらいのレベル差はあるが。



2013/7/31のNXT #180  その優しさに全俺が泣いた


・エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ、トンズ・オブ・ファンクに襲われる

二人がかりでメイソン・ライアンに勝っただけで「無敗」を名乗るデコボコタッグが、一軍のトンズ・オブ・ファンクに挑戦される。
デコボコタッグは逃げようとするがライアンに退路を断たれてリングの上へ。いちおうレフェリーが駆けつけるも正式な試合ではなく、ライアンを加えた三人がかりでアモーレ組を痛めつけ、三人がダンスを披露。


シャーロット ◯-× サーシャ・バンクス
(前転ネックブリーカー)

リック・フレアーの娘・シャーロットの二戦目。シャーロットの巨乳をアピールするためキャメルクラッチを掛けてあげるサーシャの優しさに全俺が泣いた。
フレアー・ムーヴはチョップ一発だけに留め、器械体操の前歴を活かした独創的な動きでシャーロットが圧倒。やはり将来有望だろう。


ルーク・ハーパー&エリック・ローワン ◯-× エイダン・イングリッシュ&ミッキー・キーガン
(ハーパーのローリング・クローズライン→ローワンのビッグスプラッシュ)

一軍昇格したワイアット・ファミリーに歓声が飛ぶ。試合は30秒足らずでザ・やられ役のイングリッシュをしとめ、ワイアットが例によって意味のわからないトークを展開。それにも歓声で応える観客の優しさに全俺が泣いた。
NXTでの最後の登場だと明言するや「サンキュー、ブレイ」チャントが飛ぶし、今日の客はノリが良い。


コリー・グレイヴス ◯-× スコット・ドーソン
(13ステップ)

タッグでのプッシュが始まって数試合で相棒のギャレット・ディランを解雇されたドーソンのシングル戦。マネージャーのシルベスター・ルフォールの一刻も早いリングデビューが待たれるが、どこか痛めているのだろうか。
田舎の荒くれ者キャラのドーソンに「家を出た父に代わり一家を支えた」なんてほんわかエピソードが明かされるがそれ逆効果。
試合の方は新タッグ王者に輝いたばかりのグレイヴスがあっさりと必殺技で仕留めて終了。
そこに一軍チームのシールドが現れ、グレイヴスの相棒エイドリアン・ネヴィルを挑発。ネヴィルが挑戦を受けて立つも「じゃあ来週な」とはぐらかされる。


ボー・ダラス&サミ・ゼイン ×-◯ アントニオ・セザーロ&レオ・クルーガー
(スライス)

NXT王座を争う四人によるタッグ戦。今日のノリの良い観客はもちろんダラスに大ブーイング。
ゼインのアームドラッグ三連発を見て、交代するや自分もアームドラッグを連発してみせるダラスは嫌われ者の役どころをなかなかわかっている。素でやってるのかもしれないが。
解説のリーガル卿はヨーロッパ出身のレスラーがアッパーを多用する理由を(ヨーロピアン・アッパーカットと呼ばれるほどアッパーは欧州出身レスラーの代名詞となっている)ヨーロッパではパンチは反則だからだ、と言うがそれアメリカでも反則です。
そんなリーガル卿のかつての必殺技はブラスナックル(メリケンサック)をはめてのパンチ(通称ゴッド・オブ・パワー)だったのは内緒だ。
試合はセザーロの挑発に乗ったゼインが長時間にわたって孤立する展開。ダラスを極力リングに出さない方針ですねわかります。ゼインはなんとか交代するとセザーロと殴り合いながらバックステージへ。二人とも慣れていないのかものすごく不自然な退場だった。
ダラスはベリー・トゥ・ベリーだったはずの必殺技を実況に「パワースラム!」と呼ばれたことに動揺したか、クルーガーのクローズライン(突然スライスという名前が付けられた)を浴びて敗北。王座戦を前に手痛い黒星を喫した。



2013/8/7のNXT #181  どこから出てきたストラングルホールドγ


US王座戦
ディーン・アンブローズ ×-◯ エイドリアン・ネヴィル
(シールド乱入により反則)防衛成功

現US王者のアンブローズは歪んだ正義を振りかざす一軍ユニット「シールド」の一員。NXTのTVマッチを経ずに一軍昇格した異色のキャリアで、27歳と若く将来を期待されている。
正直なところ特にどこがどう良いという特徴もなく、シールドの中では最もパッとしないのだが。
試合は派手な空中技でネヴィルが序盤を支配するも、当てるだけのクローズラインでアンブローズがペースを取り戻す。痛くなさそうだがきっと芯を食ってるのだろう。
だが猛攻を抜け出したネヴィルがやはり空中技の連発で逆転し、フィニッシュのコークスクリュー・シューティングスタープレスを命中させる。しかし3カウント寸前でシールドが乱入し反則裁定。ネヴィルはUS王者を追い詰め、タイトルは奪えなかったが彼の良い所ばかりが目立った。


NXT女子王座挑戦権争奪ダンス・バトル
サマー・レイ ×-◯ エマ

WWEではアームレスリング、ビキニコンテストと並んで伝統の余興対決。
ダンスの腕を買われて一軍昇格したヒールのサマーと、5秒で考えたようなステテコダンスで人気を博すベビーのエマの対決は、実力差は歴然だが当然のごとく観客の支持を得てエマの圧勝。
しかし一軍では「いいから試合しろ」と客の反応が薄いこの手の対決だが、物珍しさの強い二軍の舞台では好反応。サマーが一軍のパートナー・ファンダンゴでおなじみの入場曲(ヒットチャートでベスト10入りもした人気の曲)を掛けるとヒールにも関わらず歓声が飛んでいた。
対決後には判定に不満を持ったサマーがエマを襲撃。これもおなじみの展開。


タイラー・ブリーズ ◯-× ダニー・バーチ
(フライングニールキック)

ちなみに今日の解説は一軍所属ながら出番がなく二軍でくすぶっているアレックス・ライリー。好感触らしくセミリタイアしこのまま配置転換だろうか。
試合はブリーズがスマホで自分撮影を挟みつつフライングニールキックで快勝。デビュー戦よりもくどくないだけで内容は一緒である。


NXT王座戦
ボー・ダラス ◯-× レオ・クルーガー
(ストラングルホールドγ)防衛成功

それにしてもこうして見ていると二軍団体という形式は面白い。頭角を現した選手は一軍昇格してしまうし、あくまでも育成目的の団体ではあるものの独自に興行をするため、次代のスターを創り上げなければならない。ギミックを変更し、一軍選手と絡め、あの手この手で次のNXT、そしてWWEを担う才能を育てていく過程は実に楽しい。
現体制に移行して1年が経つが、歴代NXT王者のセス・ロリンズ、ビッグ・E・ラングストン。タッグ王者だったワイアット・ファミリー。シールドのディーン・アンブローズとローマン・レインズ(といっても彼らは現行のNXTにほとんど登場せず昇格したが)、ディーバのサマー・レイら8人を昇格させた。ギミック変更もあり一軍でプッシュ中のファンダンゴ、カーティス・アクセルも長い間NXTで調整していた。育成や再調整も成功していると言えるだろう。

試合はクルーガーが観客の後押しを受けて優勢に進める。だが先週ダラスを倒したスライスや必殺のGC3を浴びせても、謎の防御力に定評のあるダラスはフォールもタップも許さない。
焦ったクルーガーは普段使わないフライングボディプレスを披露するも剣山で返され、ダラスがすかさず初披露のストラングルホールドγで逆転勝利。どこから出てきたストラングルホールドγ。
見慣れない技を掛け合って決着という不思議な幕切れに、観客もブーイングを忘れていた。



2013/8/14のNXT #182  シールド VS NXTルーキー


メイソン・ライアン ◯-× スコット・ドーソン
(コブラクラッチ・スラム)

お笑いタッグと数週間遊んでいたライアンと、解説のリーガル卿いわく「汚れた猫の臭いがする」ドーソンの一戦。
開始早々にライアンと抗争中のエンツォ・アモーレ&コリン・キャサディが介入するも、ライアンはそれを意に介さずドーソンを一蹴した。どんどん扱いがぞんざいになっていくドーソンの今後が危ぶまれる。


NXT女子王座戦
ペイジ ◯-× サマー・レイ
(ペイジターナー)防衛成功

初代NXT女子王座に輝いたペイジの初防衛戦。対するサマーは先週のダンス・バトルでエマに敗れたものの、実力行使で挑戦権を強奪した。
とはいえサマーが一軍昇格していなければ、もともとこの二人で王座は争われていただろう。
体格で勝るサマーに、ペイジは何かといえばレフェリーに警告される反則攻撃で対抗。同じ英国出身でやはり反則大好きのリーガル卿も解説席で喜んでいる。
ロープを悪用した顔面への膝蹴り連打から、唐突感あふれるペイジターナーであっさりサマーを下したが、もう少しフィニッシュは丁寧にして欲しい。


セス・ロリンズ&ローマン・レインズ&ディーン・アンブローズ ◯-× エイドリアン・ネヴィル&コリー・グレイヴス&エグザビア・ウッズ
(セスのターンバックル・パワーボム→レインズのスピアー)

先週の第一試合後に乱闘を繰り広げた6人が集結したメイン戦。
セスは初代NXT王者。NXTでは陽気なベビーだったが、一軍では正義の名のもとに暴虐非道を行うシールドの一員としてデビューした。
レインズはハート一族と並ぶプロレス一家「アノアイ・ファミリー」の一員。兄のロージーはかつてWWEでタッグ王座を獲得し、親戚のウーソ兄弟は一軍に所属中。あのロック様も遠縁にあたる。NXTでは数試合をしただけでシールドのメンバーに抜擢され、血統の確かさを見せている。
正直、シールドはセスに顕著だがシングルプレイヤーとしての個性が死んでおり、あまり面白くないのだが、即席タッグの割にチームワークがうまく、偽善者キャラもはまってプッシュが続いている。セスとレインズはタッグ王座、アンブローズはUS王座を保持しており、勢いはまだまだ衰えないだろう。

試合はシールドに長時間つかまっていたグレイヴスが脱出すると目まぐるしく動き出した。乱戦からセスがウッズの必殺技を喰らうも、レインズがフォールを阻止。
どうにか回復したセスはレインズのアシストもあって、ウッズをパワーボムでターンバックルへ叩きつけると、レインズがスピアーでとどめを刺した。
経験で劣るNXT組の出番は最小限に絞り、シールドが攻め続けることでうまく見せ場を作った好試合だった。



2013/8/21のNXT #183  今年一番の名勝負


ディーバ王座戦
AJ・リー ◯-× ベイリー
(シャイニングウィザード)防衛成功

AJは一軍のディーバ王者。長い間ただのカワイコチャン(死語)だったが、ヒールターンしメンヘラになってから一気にブレイク。レスリング技術は並だがストーリーに乗ってベルトを手に入れた。昨年来から彼女を中心にストーリーが回っているといって過言ではない。
先週ゲスト出演したAJにベイリー(いまだ未勝利)が絡んだことで組まれた王座戦だが、このようにWWEでは未勝利の新人が相手でも簡単にタイトルが賭けられる。まだ因縁があっただけマシな方である。
試合はサービス精神あふれるAJがベイリーに攻め込ませておいて、必殺技の一発で逆転勝利した。


コナー・オブライエン&リック・ビクター ◯-× マイケル・ザキ&ロン・ヒックス
(オブライエンの水面蹴り+ビクターのドライビングエルボー)

ザキ&ヒックスはこれがデビュー戦。もちろん一方的にやられるだけ。それどころかヒックスは交代すらできず出番がなかった。
一軍昇格したワイアット・ファミリーに代わり、オブライエン&ビクターのアセンションをそのまんま同じ役どころの怪奇派ヒールタッグとしてプッシュするのだろうか。


CJパーカー ◯-× バロン・コービン
(変型DDT)

長らくジョバー役だったパーカーが、カラフルなパンツとドレッドヘアのチャラ男になって再起。それタイラー・レックスで一回失敗してる。
なお激しく滑っているため、試合後に映された客席はドン引きしていた模様。
同じくジョバー役からギミックチェンジで浮上を図るタイラー・ブリーズと抗争するようだが、互いにちょっと顔合わせが早すぎる気が。


ドルフ・ジグラー ◯-× アレクサンダー・ルセフ
(ジグザグ)

ジグラーは世界王座の経験もある一軍のトップレスラー。とてもトップ級の選手のやることとは思えない命知らずのド派手な受け身は一見の価値あり。
ゴルファーのキャディーや応援団員という絶対出世できそうにない酷いギミックを経て(そしてその過去を無かったことにして)ようやくブレイクを果たした苦労人でもあり、今ではヒール、ベビーのどちらでも歓声を浴びている。

対するルセフはブルガリア出身でムエタイの達人、相撲のマワシ状の物をまとい、原人スタイルで雄叫びを上げ、対戦相手の名前が書かれた板を膝蹴りで割るアピールを見せる。盛りすぎにも程があるぞ。
なおこれがデビュー戦とされるが、実は3ヶ月前にバトルロイヤルでデビューしあっさり敗退していることは各自速やかに忘れるように。
試合はサービス精神旺盛なジグラーがルセフの技を片っ端から浴びて、その持ち味を逆アピールしてあげる優しさを見せつつも、最後はきっちり仕留めた。


三本勝負・一本目
アントニオ・セザーロ ×-◯ サミ・ゼイン
(スクールボーイ)

抗争の続く両者が決着をつけるための三本勝負。
一本目はゴング前からゼインが仕掛け、瞬く間に丸め込んで機先を制した。


三本勝負・二本目
アントニオ・セザーロ ◯-× サミ・ゼイン
(スリーパーホールド)

手数とスピードで圧倒するゼインに対し、セザーロは驚異的なパワーで何かといえばゼインをリフトアップしつつ反撃。
締め上げたまま振り回す説得力十分のスリーパーにゼインはたまらずタップした。
それにしてもあんなに逆イケメンだったゼインが日に日に垢抜けていくのは気のせいか。


三本勝負・三本目
アントニオ・セザーロ ◯-× サミ・ゼイン
(ニュートラライザー)

息を吹き返したゼインがキレッキレの動きを見せる。パワーボムをサンセットボムで切り返し、コーナーの中段ロープをすり抜けてのトルネードDDTと、ネットの動画でしか観たことのない美技を連発。
しかしセザーロが負けじとゼインのロープ渡りからのDDTを強引に捕らえると、頭上に高々と放り投げてのアッパーカットで撃墜。ニュートラライザーでとどめを刺した。
観客からは「今年一番の名勝負」チャントが飛ぶほどで、これだけの試合がアメリカではTV中継無しのネット放送のみとは実にもったいない。
実際、次々と新顔が現れ、実験的な技も豊富に飛び出すNXTのほうが、現在のマンネリ状態の一軍より面白い。



2013/8/28のNXT #184  シャボン液は吹くものです


CJパーカー ×-◯ タイラー・ブリーズ
(携帯で殴打)

先週に言い争いをした両者の対決。ゴージャス(自称)な顔を殴られることを嫌がるブリーズが劣勢となるが、レフェリーの隙をついて携帯で殴り勝利した。
屈強なレスラーが携帯で殴られたくらいで倒れるわけがないと思われるかもしれないが、プロレスでは薄い金具が付いているだけのチャンピオンベルトが最強の凶器に数え上げられる。歴代王者たちの魂がこもったベルトは実際以上に重い一撃を繰り出すのだ。
そう考えればブリーズの携帯には試合中にも自分撮りを欠かさない彼の魂が込められているのは当然で、一般的な携帯の殺傷力と比べられては困る。


エマ ◯-× サマー・レイ
(エマ・ロック)

以前、サマーとのダンス対決で勝利したものの奇襲攻撃で負傷させられ、タイトル挑戦をフイにしたエマの復讐戦。
人気抜群のエマのステテコダンスと、絞め技を喰らうたびにギャーギャーわめくサマーに観客の興奮もあおられる。試合はエマが必殺技で制したものの、サマーは腹いせにエマが入場時に吹いていたシャボン液を顔面に浴びせて帰った。それシャレになってない。


エンツォ・アモーレ ×-◯ スコット・ドーソン
(バックドロップ)

ヒール同士で本来なら盛り上がらない一戦だが、観客はエンツォを勝手にベビー扱いして大声援を送る。ライブイベントではよくあること。
エンツォはイタリアの伊達男はどこに行ったのか、髪型をチョンマゲに結い頭に彫ったタトゥーを見せつける。
しかしアレクサンダー・ルセフが乱入しセコンドについていた相棒のコリン・キャサディを叩きのめすと、動揺したエンツォはなんてことないバックドロップでフォールを奪われた。
ドーソンは解雇されたギャレット・ディランに代わるパートナーをようやく手に入れたようだ。


・サミ・ゼイン、NXT王座戦線に名乗りを上げるも

先週、アントニオ・セザーロと年間ベストバウト級の一戦を繰り広げたゼインが、インタビュアーのルネを口説きながらNXT王座への意欲を示す。
そこに現王者のボー・ダラスが登場し、「俺はブーイングをされてない。あれはボーと言ってるんだ」とヒール丸出しの挑発。
だが一軍ユニットのリアル・アメリカンを率いるゼブ・コルターが闖入し、ジャック・スワガーにゼインを襲わせる。移民や外国人を目の敵にする彼らに絡まれて、王座戦まではまだ一悶着ありそうだ。


エイドリアン・ネヴィル ◯-× コナー・オブライエン
(コークスクリュー・シューティングスタープレス)

番組冒頭で相棒のコリー・グレイヴスをオブライエンとリック・ビクターに襲われたネヴィルがリベンジに臨む。
対するオブライエンらはグレイヴスのベルトを手に入場し、タッグ王座奪取への意志を示す。
小柄なネヴィルと並ぶと一回りはでかいオブライエンの体格が際立つ。日本プロレスではなかなか見られない光景である。
ネヴィルはオブライエンの圧倒的なパワーに手こずるが、突進をかわしてコーナーにぶつけると、体格差をものともせずバックドロップで投げきり、必殺技を浴びせて勝利を収めた。
試合後は二人がかりでネヴィルを倒し、助けに来た負傷中のグレイヴスも一蹴したが、怪奇派ヒールなのに試合中は手出しはしないしカットにも入らないビクターはああ見えてマジ良い奴。



2013/9/4のNXT #185  プロレスIQ80の男


シャーロット&ベイリー ◯-× アリシア・フォックス&アクサナ
(エビ固め)

リック・フレアーの娘シャーロットといまだ未勝利のベイリーがタッグを組み、一軍コンビと対戦。
予想通りベイリーが捕まる展開も、ボー・ダラスに捧げる不格好なベリー・トゥ・ベリーでアクサナを倒しシャーロットに交代。
シャーロットは技に独創性はあるが確実性がまだ足りず掛け損ないもちらほら。それでも体格差を活かしてアリシアを担ぎ上げたところでベイリーが背後からタッチし勝手にリングイン。
アリシアのブートをアクサナに誤爆させるとエビ固めで押さえ込み、待望の初勝利を挙げた。
勝手に交代されたシャーロットは怒るかと思いきや、パートナーの勝利を素直に祝福した。まだヒールターンさせるには早すぎるしな。


コリー・グレイヴス ◯-× リック・ビクター
(ロールアップ)

先週、アセンションの奇襲で負傷したグレイヴスがリベンジに挑む。厳密に言うと負傷させたのはビクターではなくコナー・オブライエンなのだが。
怒れるグレイヴスは序盤からビクターを圧倒。しかし負傷したアバラを殴られると、動きが止まった。
ビクターは膝をグリグリ押し付けるだけ等の多彩で地味に痛そうなアバラ攻めを見せるが、グレイヴスはパンチの連打で強引に主導権を奪い返す。ビクターは2度目のガットバスターを狙うも、聖闘士とグレイヴスには1度見た技は2度通じず、抱え上げた所を丸め込まれた。


メイソン・ライアン ×-◯ アレクサンダー・ルセフ
(キャメルクラッチ)

先週、シルベスター・ルフォール&スコット・ドーソンと結託したブルガリアの野獣ことルセフが登場。カーディフの巨人と呼ばれる同じく野獣キャラのライアンと対峙する。
ここまでNXTで圧倒的なパワーを披露してきたライアンとも互角に戦い、野性味あふれるヘッドバッドで優位に立つ。
ライアンは力勝負を避けてパンチとブートで形勢をひっくり返すが、ドーソンとルフォールが乱入して隙を作ると、ルセフは不意打ちからキャメルクラッチでタップを奪った。
ブルガリア、ムエタイ、相撲にキャメルクラッチと国籍不明にも程があるぞ。


サミ・ゼイン ×-◯ ジャック・スワガー
(ボー・ダラスの介入→パトリオット・ロック)

メイン戦も先週の遺恨を受けての試合。ジャック・スワガーは元世界王者。最高の肉体と最高の身体能力を残念なレスリングセンスで台無しにしている男。たぶんプロレスIQは80くらい。シナは30。
素行も残念で、年間最大イベントのメイン戦に抜擢されながら、その直前にスピード違反とマリファナ所持で逮捕され、戴冠をフイにしたのも記憶に新しい。
なお世界王座も「まさかスワガーが勝つわけない」という意外性の演出のためだけに与えられた模様。ヨシ・タツにすら負けていた頃よりは持ち直したが、あの逮捕で信頼を失ったことは疑いない。

試合は観客の圧倒的な支持を受けてゼインが躍動。NXTに置いておくのはもったいないキレッキレの動きでスワガーを圧倒する。
しかしスワガーのセコンドのゼブ・コルターが注意を引き付けると、クローズラインを浴びて形勢逆転。だがスワガーは他人の技をパクりかけたり、ロープに飛んだのに立ち止まったりと「まだク●リが抜けてないのかな?」と不安になるような挙動不審の動きでゼインの体力回復に貢献する。さすがプロレスIQ80の男。
ゼインはスワガーの必殺技のガットレンチボムもパトリオット・ロックも返すが、そういえば必殺技がいまだにトルネードDDT程度なので決め手に欠けてしまう。
それでもスワガーを雪崩式サンセットフリップで叩きつけると、ゼインと抗争中のボー・ダラスが金星は上げさせまいと登場しちょっかいを出す。スワガーはその隙をついて2度目のパトリオット・ロックで固めると、聖闘士ではなかったゼインはあえなくタップした。



2013/9/11のNXT #186  あれ? 作戦ミスじゃね?


エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ ◯-× スコット・ドーソン&アレクサンダー・ルセフ
(ドーソンの介入により反則)

先々週にルセフの乱入でドーソンとのシングル戦に敗れたエンツォが、相棒のキャサディとともに復讐戦に臨む。
だがキャサディは不意打ちでエプロンから落とされ、その隙にルセフのフライングニールキックからドーソンのスパインバスターにつなげるツープラトンがエンツォに炸裂。
ところが対戦権のないドーソンがそこからなぜかジャックナイフフォールに固め、チンタラしている間に乱入による5カウントを数えられ反則負けに。
グダグダな不透明決着となった。


・ボー・ダラスがサミ・ゼインを挑発

嫌われ者のNXT王者ダラスが、王座挑戦に意欲を示すゼインを挑発。だが観客からは「引っ込めボー」に続いて「変なズボン」チャントが浴びせられた。
キモい長髪の方がもっと変なのに、容姿には触れない観客は優しい。


ペイジ ◯-× サーシャ・バンクス
(フライングボディアタックをロールスルー)

NXT女子王者のペイジが久々の試合。
あいかわらず技の半分以上が反則絡みのアンチ・ディーバことペイジに対し、サーシャも引き倒して後頭部をコーナーにぶつける反則攻撃で対抗。
その後はキャメルクラッチ、ボディシザーズ、チンロックと昭和の絞め技を連発。打点の低いドロップキックを腹部に命中させ、すかさずまたもボディシザーズで痛めつける巧みな戦略が光る。っていうか地味。
業を煮やしたペイジはロープを悪用した膝蹴りで逆襲を試みるも、サーシャのフライングボディアタックを浴びる。が、そのまま反転させて片エビ固めでフォールを奪った。
昭和の風を感じていると、敗れたサーシャは背後からペイジを襲撃。ダミアン・サンドウの必殺技ターミヌースを勢い良くパクってペイジをKOしヒールターンした。


エグゼビア・ウッズ ◯-× レオ・クルーガー
(ロスト・イン・ザ・ウッズ)

先週、なんの脈絡もなくウッズを襲ったクルーガーがシングル戦を行う。特にストーリーのプランが無い時のWWEではよくあること。
いつもは陽気なウッズも今日ばかりは怒り心頭だが、クルーガーは焦らすように逃げ回り、隙を作って先手を取った。
サーシャに続けとクルーガーも相手の左腕をじわじわ攻める地味な展開が長引く。しかし腕をいくら攻められてもウッズの持ち味であるスピードは奪えず、得意ムーヴはことごとく左腕を必要としないため、何度となく反撃を受ける。あれ? 作戦ミスじゃね?
ミスは最後まで響き、ウッズの大技を連発で浴びて最後は必殺技でしとめられた。



2013/9/18のNXT #187  エイダン・イングリッシュに突然のプッシュ


サミ・ゼイン ◯-× カート・ホーキンス
(トルネードDDT)

ゼインがデビュー戦で下したホーキンスと再戦へ。なぜ。
一軍どころか二軍でもなかなかお目にかかれないホーキンスはオーバーウエイト気味。だが鉄柱叩きつけでペースをつかみ、かつてのチームリーダー・エッジに捧げるエッジキューションを決めるも3カウントは奪えず。
普段はフィニッシャーに使っていると思われる大技も返されると、逆にゼインのフィニッシャーのトルネードDDTを浴びて勝負あり。
ホーキンスは伊達にロック様のスパーリング・パートナーを務めていない、そつない動き。上層部が見てるといいね。


エイダン・イングリッシュ ◯-× マイケル・キュエラーニ
(変型サイド・エフェクト)

NXT今シーズンの第二回放送から登場も、瞬殺されるジョバー街道まっしぐらのイングリッシュに突如プッシュが始まった。
フレディ・マーキュリーっぽい容姿を活かした(?)シンガーキャラで歌いながら登場。河津掛けの体勢からのサイド・エフェクトで初勝利を挙げた。
体重が100キロ超ある以外に特に紹介のなかったキュエラーニは契約選手ではなく、地元のレスラーだろうか。


エイドリアン・ネヴィル&コリー・グレイヴス&エグゼビア・ウッズ&CJパーカー ◯-× コナー・オブライエン&リック・ビクター&レオ・クルーガー&タイラー・ブリーズ
(ヒール軍が試合放棄→レッド・アロー(コークスクリュー・シューティングスタープレス))

NXTタッグ王者のネヴィル&グレイヴスはアセンション(オブライエン&ビクター)と、ウッズはクルーガー、パーカーはブリーズとそれぞれ抗争中。
8人の中ではなぜかブリーズが一番人気で「ブリーズを出せ」チャントが飛び交うも、空気の読めるヒール軍はかたくなに交代せず。ブリーズは優勢な時に限って味方の隙をついてこっそりタッチしてはせこい攻撃をするが、軽く反撃されるとすぐさま退却を繰り返す。
やがて乱戦からヒール軍がベビー軍を排除するも、ごっつぁんフォールを狙ってまたもブリーズがこっそり交代。しかし激怒したヒール軍は試合放棄して去ってしまう。
残されたブリーズはパーカーのアッパーカット→ウッズのロスト・イン・ザ・ウッズ→グレイヴスのチョップブロック→ネヴィルのレッド・アローと連続で被弾しあえなく敗れた。



2013/9/25のNXT #188  ただしゼイン、テメーはダメだ


NXTタッグ王座挑戦権争奪勝ち抜き戦
タイラー・ブリーズ&CJパーカー ×-◯ エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ
(旋回式サイドスラム)

番組冒頭でタッグ戦への参加を熱望するブリーズとパーカーが、ブラッド・マドックスによってチームを組まされる。
だがパーカーはブリーズがタッチしろとアピールするのに気を取られた隙にキャサディにつかまり、あっさりフォールを奪われた。
ブリーズは出番すらなく、二人の抗争は激化しそうだ。


エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ ◯-× スコット・ドーソン&アレクサンダー・ルセフ
(インサイドクレイドル)

続けて二試合目。連戦の疲れからエンツォが一方的に攻められるが、ドーソンのスパインバスターを喰らったところに、不用意に近づいたドーソンを丸め込んで勝利を上げた。
しかし怒り心頭のルセフに痛めつけられ、そこに最後の入場順となるアセンションの二人が現れる。


エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ ×-◯ コナー・オブライエン&リック・ビクター
(オブライエンの水面蹴り+ビクターのドライビングエルボー)

疲弊したエンツォに代わりキャサディがリングに入るも、やはり一方的にボコられる。
なんとかブートでオブライエンを倒し、回復したエンツォにつなげるも、エンツォはリングインした勢いのままオブライエンのフラップジャックで叩きつけられ万事休す。
最後はツープラトンを浴びてビクターにフォールを奪われた。


ベイリー ×-◯ サーシャ・バンクス
(ターミヌース)

初勝利を上げたばかりのベイリーとヒールターンしたばかりのサーシャの一戦。サーシャにはサマー・レイが同行し、ゲスト解説にはインタビュアーのルネが来ている。
だが傲慢なヒールで鳴らすサマーはなぜか試合には一切介入せず、フェアな勝負に。サーシャがまたもダミアン・サンドウから景気よくパクったターミヌース(クロスアーム・ネックブリーカー)でベイリーを破った。ターミヌースはもらったのか。


エイダン・イングリッシュ ◯-× ブル・デンプシー
(変型サイド・エフェクト)

今週も歌いながら登場したイングリッシュに「ブラボー!」、試合後には「アンコール!」の歓迎するチャントが浴びせられる。
NXTのこのノリの良い、なんでも受け入れる観客の雰囲気はいいものだ。
試合内容に関しては特筆すべきことはないし、相手のデンプシーも一戦限りの地元レスラーだろう。


サミ・ゼイン ◯-× エル・ローカル
(串刺しブート)

マスクマンのエル・ローカルの中の人は一軍で様々な選手の専属リングアナを務めるリカルド・ロドリゲス。実況、解説、レフェリー、オーナーとWWEでは誰もが試合に出る可能性がある。リカルドも例外ではなく、そのトレーニングを兼ねてか二軍で正体を隠して戦うことがままある。
ローカルはぽっちゃり体型から軽快に独特の技を繰り出すが、さすがにゼイン相手では善戦どまり。コーナーに振られ串刺しブートでとどめを刺された。

試合後にはボー・ダラスが登場し、負傷が完治したため復帰することと、次週にNXT王座挑戦権争奪戦を行うことを告げる。
ダラスと直接対決し勝利すれば挑戦権を得られるが「ただしゼイン、テメーはダメだ」と付け加えた。


・HHHがNXTのGMを交代

WWEの最高責任者であるHHHが登場。自身と抗争中のコーディ・ローデスの父、ダスティ・ローデスをNXTのGMにしていては私情を交えて混乱を招きかねないとし、GMをJBL(ジョン・ブラッドショー・レイフィールド)と交代させた。
JBLは引退し一軍で解説を務めているが、かつてはWWE王座の最長防衛記録を築き「レスリングの神」を名乗るレジェンド。ウェスタン・ラリアットを必殺技とする荒々しいファイトスタイルの一方でヘタレキャラもそつなくこなす彼がどうNXTに絡むのか楽しみだ。

前へ     次へ

NXTトップへ